vol.18 ご来場ありがとうございました!そしてvol.19のお知らせ

本日はTechLION vol.18にご来場ご観覧いただき、誠にありがとうございました。
過去を振り返りながら現代の先端技術に触れ、未来へと思いを馳せるすてきな時間をみなさまと共有できたことにとても感動しました。

振り返りはこちらでどうぞ☆
http://togetter.com/li/723777

さてさて、次回のTechLION vol.19のテーマはセキュリティ。
満永拓邦さんが参戦!どんな熱い話題が飛び交うのでしょうか?
そして第二第三の参戦はどなたでしょうか!?
随時情報を更新しますので、当ブログをぜひチェックしてくださいね♪

■次回開催概要
名称:TechLION vol.19
主催:USP研究所
協賛:技術評論社、@IT、オライリー・ジャパン、Mozilla Japan、エルピーアイジャパン、クラウドワークス、ハートビーツ
後援:EM ZERO、キャリアデザインセンター『エンジニアtype』、日本UNIXユーザ会
日時:2014年11月25日(火) 19:00開場、19:30開演、22:30終了予定
場所:SuperDeluxe
料金:事前支払 2,200円、会場支払 2,700円、当日(予約なし) 3,200円 (1ドリンク付き)【予定】

出演:満永拓邦、ほか調整中
MC:法林浩之、馮富久

vol.17報告(3/3)―言語イベント運営者座談会。舞台裏、ノウハウ、苦労話など話題は尽きぬ

TechLION取材班のまつうらです。6/26(木)に都内で開催しましたTechLION vol.17のレポート最終回をお送りします。(レポートその1その2はこちら)

LL TimeLines
vol17開演時、Twitter上でもツイートバトルが繰り広げられていた!?

今回のテーマは言語イベント。ステージ上では各種LLのキーマン達によるトークバトルが繰り広げられていましたが、実は場外でも密かにトークバトル(?)が繰り広げられていたことに気が付きましたか? TechLIONではいつもステージ横で、観戦者がつぶやくツイートをリアルタイム中継していますが、今回は4言語がキーワードとして含まれるツイートを、それぞれのタイムラインで追跡。これによりどの言語が最も盛り上がっているかを中継していたのです。

それでは、あたかも4大言語イベントの第0日のようになったトークの模様(注1)を、ダイジェストでご覧ください。

(注1)このセッションの録画を公開しています。是非こちらもご覧ください。(撮影協力:日本仮想化技術様)

■第二部後半 「LLとコミュニティの過去・現在・未来」座談会

4大+1言語イベント運営者勢揃い二部後半はこんな感じ(写真)で、4大言語イベント実行委員長に加え、LLイベント運営者の一人ということで法林GMもパネリストとして参戦。馮P一人になってしまったMC側には、第一部のゲスト小山さんが代打で加わるという、TechLION史上初の展開で進行。

出された質問への回答をボードに書きつつ発表するといういわゆる大喜利形式にて、イベント運営者視点での舞台裏話や運営ノウハウ、悩みなどなどが語り合われる座談会となりました。

最初に触れた言語と、今の言語への出会いは?

運営者達が最初に触れた言語
今各言語イベントを仕切る運営者達も、最初に触れた言語はそれぞれ違う

馮P: ではまず無難なところで、「初めて触ったプログラミング言語」を聞いてみたいなと思います。ちなみに小山さんは?
小山さん: 私は最初BASICですね。名前何だったかなぁ。
法林GM: 『中学1年 PC-8001のBASIC』 これはうちの親が「これからはコンピューターの時代だ」といって、泊り込みのパソコンセミナーに僕を参加させたんです。
和田さん: 『JAVA』 僕はJavaですね。大学2年の情報処理の授業で。その時の課題でゲームを作ろうということになって「ジャバシックパーク」というのを作りました。話が進むと、恐竜になるか、ダメな恐竜になるか、不良恐竜になるか、という(笑)。
前島さん: 『C++ 16-17(歳)』たぶんC++、もしくはJavaだったと思うんです。高専の授業で。でも全然真面目に勉強してなくって、あんまり触ってないですけど。
角谷さん: 『N88-BASICだと思う』 記憶が定かじゃないんだけど、母親の実家に帰省したら、離れに叔父さんのヤバい部屋があって。ゲームがしたい一心でベーマガのリスト打ち込んで……。
鈴木さん: 『FORTRAN』 私も高専の1年か2年の時にやったんですけど、世代の違いがすごいなあと。C++なんて存在していない頃ですよ。
法林: やっぱり世代の差は感じますね。初めてがJavaとか、いくつですかって感じですよ。
和田: でもJavaわかんなかったですけどねえ。わからなくて、Cで作るとかのほうが面白かったですね。

出会いに関する質問
言語との出会いのみならず、イベントはまた別の出会いももたらすみたいです

馮: 今、みなさん別の言語のイベントを仕切られているわけですが、言語のチェンジってどのタイミングであったんですか。
法林: 僕の場合は大学3年の時、学科にUnixが入ってきて、シェルを触った時に変わりました。僕のLLイベントにつながる原点はそこで、LLの精神の一つでもあると思うんです。
和田: 僕も近いものがあります。いきなりJavaやったのも大学にUnixがあったからなんです、研究とかやる都合上。それでGUIのIDEを使ってやる環境もあったんですけど、だんだん面倒臭くなって、そのあたりの頃が分かれ目だったのかもしれません。
前島: 私は社会人になって初めて使った言語がPHPだったので、それがきっかけですね。仕事がきっかけで、そのまま今に至る感じですね。
角谷: コードをちゃんと書いたのって、就職してから。’98年くらいにオブジェクト指向が流行っていたので勉強しようと思ったんだけどよくわからなくて……。そんな時にRubyを動かしたら「なにこれ、超便利!」ってなって、それからRuby厨ですね。
鈴木: 私はなんだろ。会社に入って、Javaの研修を受けてこいって言われ。でも皆が使いだしたらJavaはめんどくさいなと思うようになって……。それでPerl4を書いてたんですけどそろそろなんか違うのやりたいな、って思ってRubyにトライしたんですけど挫折して。その頃Zope(編註:Pythonで書かれたWebサーバー・フレームワークの一種)というのがありまして……、
小山: Zope!? 使ったことあるよー。やっぱりZopeからPython入るんだ。

法林: 話聞いてると、Javaで挫折した人多いですね。
馮: 会場でJavaで挫折した方はどれくらいいらっしゃいますか? おぉ、結構いますね。
鈴木: いや、挫折したわけではないんですけどね。

イベントの収支 ― なるべくトントンを目指している

イベント運営者が抱く2つの疑問
やる気の引き出し方にお金の取り扱い方、運営者であってもどちらも気になる話

和田: ちょっと重たいテーマなんですけど『お金周り』。100人くらいだったら懇親会を設けたり、足りなくなったら肩代わりするとかでなんとかなりますけど、500人、1000人ってなったらみなさんどうしてます? ちなみに、YAPCの場合はJPAっていう法人立てて余剰金をプールしやすくしてるんですが。
法林: LLイベントの場合、財布はJUSが持っていて少々の赤字は大丈夫ですが、方針としてトントンにするというのを目標にしています。あと、スポンサーはとらず、参加費だけで賄える範囲のイベントにするということを基本ポリシーにしてます。
小山: 私もLLのスタッフですけど、スポンサーになりたいという会社は結構あるんです。懇親会や景品でという特例はありますけど、基本お断りしてるんです。企業に頼っていると、不景気になった時にイベントできなくなっちゃうのは嫌だよね、って。
前島: PHPConは参加費貰っていないので、基本的にスポンサーさんのお金でやり繰りしてます。方針的にはやはりトントンになるように考えています。かかる費用は会場と印刷物くらいですし、余らず足りなくならない程度に調整しています。
和田: お金の出し入れをする場所は?
前島: 今はアシアルさんという会社にお世話になってます。
角谷: RubyKaigiでは一般社団法人でお金を管理してます。スポンサー協賛は募集するけど、カンファレンスの運営はそれをアテにしないような設計でやってます。あとお金持っていてもしょうがないので、「なるべくトントンにしようよ」って。

和田: 他の地域でやっているRubyKaigiとかに補助っていうのをしている?
角谷: そうですね。たとえば派遣する講師の交通費を出してあげたりとか。まあできれば独立採算的にお金の管理は各地でやってもらって、こっちは事務的な事を手伝うとか。
和田: JPAも同じことやってますね。地方のPMで開くイベントに、講師を呼びたいっていう申請などあれば。
鈴木: PyConは一般社団法人を作っていて、お金の管理はそこでやってます。やっぱり同じ感じで、イベント単体ではできるだけトントンを目指してます。あんまり余らせてもバランスが良くないよなと思うので。RubyやPerlみたいに地域サポートもやりたいですけど、まだうまくできてなくて、まだ目標段階です。

スタッフとの人数と、その連絡手段は?

Googleスプレッドシート
Googleスプレッドシートって、複数人で同時に編集できたりして、確かに便利ですね

鈴木: 『スタッフは何人くらい?』 イベントスタッフってどれくらいいるのか、そしてどうやりとりしてるのか興味あります。
馮: そうですね、使っているコミュニケーションツールとかも言っていただけたら。
法林: 一番古い(そうでもないか)、LLイベントは今30人くらい。開催日だけな人も含めればもう少しいるかな。やり取りは古くてメーリングリスト(ML)なんですけど、MLだと皆読まなくなってきてるので考えた方がいいなーって最近……。
和田: YAPCは8月末でもう近いんですけど、現状のスタッフは10人弱ですね。じつは僕にとっての初回なので、クオリティーコントロールしたくてまだだいぶ一人で動いてます。でもこれから当日のスタッフを募集するので、+20~30人の予定です。コミュニケーションにMLは全く使ってなくて、Facebookグループを使ってます。メアドを聞くのが面倒だったりするんで。ドキュメント管理は、Google Docsでやってます。
小山: Facebookグループは「いいね!」を押すだけで誰が読んだかわかるのがいいよね。
前島: PHPConはスタッフの数は30人から40人くらい。やり取りは同じでFacebookグループ3,4年使ってます。ファイルもそのFacebookグループにあげるか、Google Docsでやるか、って感じです。
角谷: RubyKaigiの運営スタッフは10人くらいですが、会期中になると当日スタッフを募って30人くらいです。2011年(シーズン1)の1000人規模の時は50人くらいだったんですが、この規模だと大変だなぁと思っていて……。コミュニケーションツールについては、一番偉いのがGitHub Issueで、去年からずっとこれでやってます。
鈴木: PyConはたぶん今30人強のスタッフがいて、コミュニケーションにはSlackっていうチャットツールを使ってます。マスターの情報についてはJIRAのIssue管理でやっています。

法林: LTの時、作業日(Work day)があると言ってましたが、作業日には皆来るんですか?
鈴木: 昨日たまたまやっていて14,5人くらい。毎月やってるんですけど、その前は20人くらい。でも最近はこれだけだとちょっと意思疎通がとれてないので、作業チームごとにミーティングをお願いしています。
和田: エンジニアがイベント業をやると、ExcelやGoogle スプレッドシートの使い方に戸惑って、勉強していく、みたいなことありません?
馮: Google周りは特にそうかもしれませんね。
角谷: Google スプレッドシートはねぇ、「これ便利だね!」って。

運営上の苦労話

試合多い
試合が多くても燃え尽きない秘訣は、「時々休むこと」、「コンプリートしたがる習性を抑えること」。

法林: 『スタッフにやる気を出させるには?』 今の僕の最大の悩みです。あれをやってください、これをやってくださいと言うんだけどやってくれない……。どうしたらいいと思いますか。
鈴木: Issueをすごく書いてます。Issueのいいところは、まず書いた本人に期日を設定してもらえるじゃないですか。だから「約束したよね?」って言いやすい。あとは「作業日」(顔を合わせて手を動かす日)を決めています。
小山: Issue管理って、やっていくとどんどん数が減るじゃないですか。
鈴木: そうそう、気持ち「終わらせてやった!」って。
角谷: 「作業日」いいですよね。作業して、打ち合わせしているうちにいろいろ決めちゃえます。
鈴木: そうなんです。ただ弊害もあります。最近(作業をこなすばかりで)ミーティングをやらないので、前後関係を把握する機会が無くなっちゃうんですよ。そこがトレードオフというか。
小山: 両方それぞれ日を設けては? 頻度は高くなるけど、第2,第4水曜というふうにして毎回決めちゃうと、皆ある程度「その日は予定空けておこう」ってなるので。あと、オンラインだと止まっていたものは、顔を合わせると動き出すってことも。まあ、それでやる気がでるかどうかは人それぞれですよね。
前島: 時間が解決してくれるのを待つしかないかなぁとも思います。「あ、そろそろこれやらないとヤバいんじゃないですか、○○さん」ってFacebookグループで名指しで言ってみるとか。
法林: 経験上、LLプログラマーって、仕事は早いんだけど始めるのがすごく遅いです。その瞬間的な仕事ぶりには感心しますけど……
小山: 僕も法林さんの血圧を高める側だったりもするけど、やってみるとあっという間に終わるんだよねー(笑)

馮: 会場からもちょっと質問を拾ってみましょう。
参加者: 呼んだ人が来なかったり、呼んだら呼んだで大変だったこととかありますか?
和田: 断られることも結構あって、ある方には3年連続で断られてます。それとあと、ドタキャン。
小山: ドタキャンって連絡無しに来ないの?
和田: そういうわけじゃないんですけど、色々あります。事件があったりとか、飛行機トラブルとか、やりとりの時差で決定が遅くなったりとか、英語の問題とか……。
前島: PHPConも結構呼んでる人が多くて毎年苦労するんですけど……。でも割と来てほしい人には来てもらえてますね。
角谷: (飛行機から)降りる降りないで時間がかかってドキドキすることが人によってはありますね。

合同で言語イベントやりたいね

何でもできる!法林: 僕はねー、4年に1回、この言語全部集まってイベントやりたい。
馮: それはなんだか今の感じだと実現しそうですね。
和田: いろんな団体と組みたいけど一つ挙げるならPyConですかね。よく開催日被るので(笑)。逆にRubyKaigiとは組みたくない。だってファンになりかねない(笑)。イベント設計がスゴいですよね。
前島: 組みたいところは、うーんPyCon。開催日がよくかぶりますからね(笑)。
鈴木: 私は、ビッグサイトのあっち側とこっち側みたいな感じでどことでも組んでみたいですね。チケットが一緒で、どっちにも入れるんだけど「両者勝手にやってます」みたいな感じで。
和田: 幕張メッセでやりますか! 合同で、各ホールを占拠して。
鈴木: それ会計担当の人が死ぬと思う(笑)。
馮: 面白そうですねー。このメンバーだったらやろうと思えばできますよ!

といった感じで、舞台裏から運営ノウハウ、苦労話、今後の抱負的なことまで、普段のイベントではまず聞けないであろうレイヤーの話題がたくさん交わされました。それにしてもビッグサイトや幕張メッセのような巨大ホールを占拠した合同イベントが開催されるとなったら、ものずごく興味ありますね。そうしたら、より一層大規模なWi-Fi環境の構築ノウハウなども積まれていくのでしょうか。

ゲストの皆様、ありがとうございました。(マウスカーソルを重ねるとポーズが変わります)

■次回は9/25(木)開催予定

さて、次回TechLION vol.18も既に動き出しています。開催日は9/25(木)で、場所は同じく六本木SuperDeluxe。

ゲストも現時点で既にお二方が予定されています。お一人は、増井俊之先生@慶應大。携帯端末やOSの日本語予測変換システムとしてお世話になった方も多いであろうPOBoxの開発者。もうお一人は寺薗淳也先生@会津大。あの小惑星イトカワへ60億kmものおつかいに行って戻ってきた探査機はやぶさのプロジェクトに関わっていた方です。

まだ増えるかもしれませんよ。とにかく今後のアナウンスに注目していてください。というわけで、次回もお楽しみに!

vol.17報告(2/3)―イベントの看板を背負った実行委員長達の、宣伝LT

TechLION取材班のまつうらです。先週に引き続き、6/26に開催しましたTechLION vol.17のレポートです。

本日のドラ娘
本日のドラ娘 (TechLIONスタッフ高坂さん)

前回は、コミュニティやイベントの歴史、イベント主催者に降りかかる検討課題などを、歩くITイベント大辞典(by 法林GM)こと小山さんに話していただいた第一部をレポートしましたが、第二部はいよいよ4大言語イベント実行委員長が勢揃い。法林GMを交えてトークバトルを繰り広げるわけですが、その前に……。各イベントの看板を背負った皆さんがイベント宣伝LTを繰り広げましたので、今回はその模様(注1)をレポート。各イベントの趣旨をおさらいしながら、この夏・秋の開催概要を予習しましょう。

(注1)このセッションの録画を公開しています。是非こちらもご覧ください。(撮影協力:日本仮想化技術様)

■第二部前半 4大言語イベント主催者LTセッション

いくら貴重なイベントの宣伝とはいえLT形式ですから、時間が来たら容赦なくドラを鳴らさねばなりません。ということでドラ娘もスタンバイ。今回はTechLIONスタッフが務めました。では、よろしくお願いします。

#1 YAPC::Asia Tokyo 2014実行委員長 和田裕介さん

和田裕介さん最初はPerlイベントから。YAPC::Asia Tokyo 2014実行委員長を務める、ゆーすけべーこと和田裕介さんです。(LTのスライド)

本名よりニックネームで知っているという方も多いかもしれませんね。普段はあの「ボケて」というサービスのバックエンドを担当していたり、在宅でWebエンジニアをやっていたり、そしてPerlコミュニティJpan Perl Associationの理事をしているそうです。

YAPCの楽しみ方は一つじゃない

YAPC::Asiaというのは世界中で開かれているPerlカンファレンスの一つ。昨年は1131人もの来場があったという大規模イベントです。

YAPCの“P”はPerlを意味してはいるものの、YAPC::Asiaは必ずしもPerlにこだわるイベントではなくて、今年のトークの中にはGo言語やJava、そして小飼さんSwiftについて話す予定になっていたりするそうです。というのもPerlにはThere Is More Than One Way To Do It!(やり方は一つじゃない)というモットーがあるように、YAPCにはそこから派生した
There Is More Than One Way To Enjoy It!(楽しみ方は一つじゃない)
という考え方があって、そもそも技術者にとってのお祭りの意味合いが強いそうです。

Perlだけに限らない
YAPC::Asiaは必ずしもPerlにこだわるイベントではない

お祭りということなので、ビールも自由に飲んでよく(飲食禁止のホールは除く)、参加者は皆勝手に飲むそうです。また、発表以外にも初心者向けにワークショップをやってみたり、今年はさらに登壇者と観客が盛り上がれるゲリライベントを予定しているらしですよ。(←予定してたらゲリラ的じゃない!)

今年のYAPC::Asia Tokyoは、8/28(木)~8/30(土)、慶應義塾日吉キャンパス開催チケットスポンサー登壇者は只今募集中とのことなので、是非参加しましょう。(なんと今年はLarry Wallもやってきますよ!)

#2 PHPカンファレンス2014実行委員長 前島有貴さん

前島有貴さん次はPHPイベント。PHPカンファレンス2014で実行委員長を務めるゆちみりこと前島有貴さんです。当日のLTで用いたスライドも公開されているので是非そちらもご覧ください。

前島さんはPHP歴7年。まつもとパパの根城である島根出身ですが、Rubyは得意じゃないそうです。PHPコミュニティーのスタッフとしては5年。ドラ娘担当でしたが、そろそろ引退かな……と思っていたらいつの間にか委員長になっていてビックリしたとか。

委員長が燃え尽きてしまうくらい毎年全力開催!

PHPカンファレンス(PHPCon)は、2000年から続いている歴史の長いPHP言語イベント。今年で14回目だそうです。あれ? 毎年開催すると今年は15回目な気がしますが……、実はカンファレンスが終わるとスタッフが燃え尽き、次の年の準備が遅れてしまうのだとか。それはつまりスタッフが全力で取り組むってことですね! ちなみに、燃え尽きるので委員長は毎年変わるそうですよ。

委員長毎年交代
実行委員長は全力を出して燃え尽き、毎年代わる!

PHPConの特徴の一つは、初回以来ずっと参加費無料なこと。費用の安い公共施設を活用し、ノベルティーにもお金をかけず、気軽に参加してもらえるようにしているそうです。また、毎回3つ以上のトラックを並列進行させて、気になるセッションが見つかりやすくもしていて、こういった配慮もあって、毎年1000人近い来場者が訪れるイベントになっています。

気になる今年の内容は、
「知りたい、が あなたを変えていく。」
とちょっと自己啓発的なテーマを掲げていますが詳細は未定だそうです。ただ、過去最大のセッション数(予定)!! 豪華海外ゲスト(予定)!! ということで、期待が高まります。これはやはり燃え尽き覚悟なんでしょうか!?

そんな今年のPHPカンファレンスは10/11(土)、大田区産業プラザPiO開催されます。若い人を呼ぶ秘策を用意しているそうなので、特に若きエンジニアの皆さん、要チェックですよ!

#3 RubyKaigi 2014実行委員長 角谷信太郎さん

角谷信太郎さん三番目はRubyイベント。現在のRubykaigi実行委員長を務める角谷信太郎さんです。個人事業主として活動する傍ら、日本Rubyの会の理事をされています。

「電車で行ける、海外のカンファレンス」を目指す

RubyKaigiは日本のRubyコミュニティのイベントです。しかしRubyKaigiといえば、TechLION vol.2にて、高橋征義さんがRubyKaigiを終わらせるという話をしていました。当時の話によれば、いつの間にか自分達の想像以上に規模が大きくなって限界を感じたということでしたが、「このままでは燃え尽きるどころか、焼け死んでしまう」という危機感があり、一回休んでから昨年「シーズン2」として再スタートしたそうです。

RubyKaigi2014
海外Rubyカンファレンスとまつもとさんの取り合いが起こる!

RubyKaigiシーズン2のコンセプトは、
「パスポートも時差も無し、電車で行ける海外カンファレンスっぽいもの」
だそうです。曜日は木金土と普通に平日にかぶらせたり、参加費も1万8000円くらいにしてきちんとしたカンファレンスが開催できるようにしたり。そして大きな特徴は、海外から訪れた登壇者(英語)に通訳を付けず、逆に日本語の登壇者には英語への通訳を付けるという点だそうです。海外カンファレンス的にしたいけど、まつもとさんが日本の方とあって国内の方が話題が豊富なこともあり、また海外の人に対しても「日本のカンファレンスはこんな雰囲気」ということを伝えたくて、日本でこういう形のカンファレンスを開くことにしたそうです。

ちなみに、このように世界を意識したカンファレンスなため、日程かぶり問題も国際的。他地域とかぶらないようにするのが大変だそうですよ。かぶるとまつもとさんの取り合いになりますし……

今年のRubyKaigi 2014は9/18(木)~9/20(土)、江戸川区のタワーホール船堀開催されます。お祭り的なイベントとはまた違う、国際的な「会議」の雰囲気が、海外渡航費用無しで味わえるのはとても貴重ですね。(スポンサーも募集中)

#4 PyCon JP 2014 Chair(座長) 鈴木たかのりさん

鈴木たかのりさん最後はPythonイベントから。PyCon JP 2014のChairを務める鈴木たかのりさんです。当日のLTスライドも公開されていますので是非ご覧ください。

Rediscover with Python (パイソンで再発見)

PyConというのはその名のとおりPythonのカンファレンスですが、世界中で開催されているそうです。スライドで紹介されていた開催地図にあるピンの数を数えると、30本も立ってますね。日本におけるPyConの歴史は2010年、シンガポールのPyConに参加したメンバー4人が食事をしながら「PyConやりたいねー、日本でも」という話になったことがきっかけだったそうで、2011年から毎年PyCon JPが開催されるようになりました。

PyCon in the world
PyConは、世界各地のコミュニティーによって自由に開かれている

3年目の今年のPyCon JPは、
「Rediscover with Python(Pythonで再発見)」
がテーマ。Pythonがきっかけで再発見したこと、Python自身の再発見などの講演を広く募っているそうです(もちろんその他も)。キーノート(基調講演)には、有名なrequestsモジュール原作者のKennethさんと、「コーディングを支える技術」の著者西尾さんが登壇予定。

カンファレンスがメインではあるものの、初日には入門者向けのチュートリアルが設定されていますし、最終日にはDevelopment Sprintと題したハッカソン的なイベント(無料)も用意されているそうです。

PyCon JP 2014は、9/12(金)~9/15(月・祝)、東京台場の東京国際交流館プラザ平成開催予定。明日(この記事の公開翌日の7/10)までに申し込むと7,500円で参加できるそうですので(以降は10,000円)、興味はあるけどPythonってまだよくわからないという人も安心。気軽に参加しましょう。(演題スポンサーも募集中)

次回はいよいよ4大イベント実行委員長トークバトル

イベントの予習はできましたか? 幸いにして、今年はどれも日程かぶりは(LLイベントも含めて)起こりませんでしたので、今年の後半は忙しくなりますね!

さて、次回はいよいよ4大言語イベント実行委員長にLLイベントの法林GMも混じえてのトークバトル。舞台裏の話や興味深いノウハウの話が、いろいろと飛び交うことでしょう。

次回もお楽しみに。

vol.17報告(1/3)―イベントの一般化は我々が15年くらいかけて獲得してきたこと

TechLION取材班のまつうらです。今週そして来週のブログは、6/26に開催したTechLION vol.17のレポートをお届けします。

歩くOSSコミュニティ・イベントの生き字引(?)
「歩くOSSコミュニティ・イベントの生き字引」とまで言わしめるほどのイベント通

さて、今回vol.17のテーマは言語イベント。この夏から秋にかけて、プログラミング言語に特化した大規模イベントが次々開催されていきますが、今回はそれらイベントの実行委員長を迎え、さらにLLイベントの中心人物、我らが法林GMまで加わってトークバトルを繰り広げるという、めったに無い対戦カードが組まれていたのです。

法林GMが一人の選手として参加するため、レフェリー(=MC)役が一人少なくなってしまいます。それを支えるべく(?)迎えたもう一人のゲストが、馮Pに「歩くOSSコミュニティ・イベントの生き字引」と言わしめ、TechLIONにも何度も観戦しに来てくださっている小山哲志さん。

今週はまず、小山さんを迎えての第一部の模様(注1)をご覧ください。

(注1)当日の全セッションの模様の録画(第一部第二部#1第二部#2エンディング)を公開しています。(撮影協力:日本仮想化技術様)

■第一部 獅子王たちの夕べ(小山哲志さん)

小山哲志さんというわけで本日のメインゲストは、@koyhogeこと小山哲志さんです。メインゲストといっても、本日の第二部後半ではMC側にまわるという展開が待っているので少し不思議な感じですが……。

小山さんは現在フリーで活動しているプログラマー。ライターとしても活動していて、Webサイトなど様々なところにも関わっているそうです。あと、しょっちゅうアニメを見ながら前職の会社が展開しているアニメチェックサービスで作品登録に携わっているとか。(うらやましい)

さて、トークのタイトルは「LLとイベントとコミュニティと」(→当日のスライド)。数多くのIT系イベントに参加したり運営も手掛けたりと、IT系イベントに精通している立場から、イベントの舞台裏や運営ノウハウについて語ってもらいました。

ITコミュニティの歴史

小山さんが話していたITコミュニティの歴史を、ごくごく掻い摘んでお伝えするとこんなかんじです。

1961年、アメリカでDECUSが誕生。DEC社製コンピューターユーザーの集まりで、これが恐らくIT系コミュニティの発祥ではないかと。日本にもその流れを汲む組織があったようですが現存しません。日本ではその後’83年に日本UNIXユーザ会や、’88年に日本サン・ユーザ・グループが設立されましたが、80年代のこの頃、パソコン通信のBBS上のコミュニティが次々に誕生して、これが日本のITコミュニティのはしりだったんだろうと思います。

’98年、’99年、2000年前後くらいになると、オープンソース系のユーザーグループがカンブリア爆発的に増えてきました。LUG(Linuxユーザーグループ)とかBUG(BSDユーザーグループ)とか。そしてLL系のイベントもこのころから開催されるようになって、恐らくPHPカンファレンスが最古で2000年からやってます。あと、YARPC19101(RubyとPerlのイベント)とか。2003年からはLLイベントも始まって、LLという言葉がいつの間にか定着していきましたね。

ところでLLって?
LL(Lightweigt Langages)という言葉は英語圏では定着しなかったけど本当は外来語

ちなみに、今では国際的には通じない言葉ですがLL(Lightweight Languages)という言葉はもともと外来語です。アメリカMITで2001年に開かれたワークショップでこの言葉が出てきたんですが、むこうでは定着しませんでした。LLを和製英語だと言っているのは、Languageの後ろに“s”を付けないヤツを言ってます、もともとは。

イベント運営者に降りかかる様々な課題

歴史をおさらいした後は、イベントをやるうえで主催者にふりかかる様々な課題についての話でした。どれも言われてみれば考えないわけにはいかない話ばかりです。でも、これら全部を考慮しなければならないって相当大変なことだと思います。

1. イベント運営体制をどうするか:
大組織でしっかりやるか、小規模でできることだけやるか。スポンサーを募るか否か。シングルトラックかマルチトラックか。発表者を募るか否か。カンファレンス路線にして堅くするか、お祭り路線にするか……

2. チケット販売はどうするか:
2008年にATNDというイベント予約サービスが登場して、これが革命的だったんですが、現金当日払いは人数多いと大変だし、当日ドタキャンされると痛いですね。
LLイベントの2回目で、チケットぴあに頼んだのがこの業界でたぶん初めて。有料イベントに対応したATNDの類似サービスも増えて来たものの、根本解決はまだまだ難しいです。

3. イベント会場どうするか:
ホールにも有料、無料があります。ホール自体が高くても、参加者数が500、600くらいになってくると実はそんなに高くないということも……。
自治体系は結構大きくて安いけど、予約が1年以上前とか多いので計画的な運営が必要です。やりたくなくても、もう箱が決まってるからやらざるを得ないなんてことも……。あと大学のホールを借りるという手もありますけど、先生とのコネが最重要。最近は、IT系の企業が貸してくれる流れにもなっていて、ありがたいですね。

開催日かぶり問題
これだけイベントが増えてきたら、どうしても重なっちゃいますよね

4. 開催日かぶり問題:
こんだけイベントがあれば当然かぶります。かぶらないようにしたかったら、早めに日程を公開するしかないですけど、それでもぶつかるときはぶつかっちゃいます。
ハシゴをする一部強者を除けば、かぶるとお互いに集客減るし、メディアは取材に行けなくなるし……。ITイベントカレンダーを見てお互いうまいこと調整しましょ。

5. 会場インフラ問題:
この手のイベントだと電源とWi-Fiは潤沢に確保したいとこだけど、これがまた難しいです。会場側がWi-Fiを用意していることもありますが、何百人もが同時に使うことなど想定されてないからそりゃ破綻しちゃいます。
ただ大規模Wi-Fiノウハウは、頑張って身内でノウハウをためてきてはいますね。

6. 集客プロモーション:
公式Webページやブログ、それに最近は当然のように公式Twitter、Facebookアカウントがあったり……。それにメディアとタイアップするという手もありますし、あとは招待した大物スピーカーがポロッてつぶやいてくれてそれが宣伝になることもあります。

7. 物販、書籍問題:
まず会場によって可否がありますが、オライリーさんは呼ぶとガチャガチャとかいろいろやってくれますね。あとは、RubyKaigiが開発した手法として書店(ジュンク堂)さんを呼んでしまうというのもあります。おかげで、RubyKaigiがあった週はジュンク堂のIT書売り上げランキングがおかしなことに……。

8. ネット配信:
昔はリアルネットワークスのライセンスをかき集めて100配信するといった涙ぐましいノウハウがありましたけど、UstreamYouTubeニコ生といったサービスが全てを変えてしまいました。大規模配信がお金を掛けずにできるようになってしまったという……。
ちなみに、生中継したり、さらに録画まで配信すると来場者が減るんじゃないかとまだまだ言われますけど、実際は配信して来場者が減るっていうのは無いと思うんです。どうでしょう?

9. コミュニティの法人化:
コミュニティは規模がでかくなるとお金の問題がどうしても絡むようになります。例えば収入や支出を誰がどう管理するのか。それから、交渉事(会場を借りるなど)で個人だと相手にしてもらえないこともあります。こういう問題に対応するため、コミュニティの法人化を検討しなければならないことがあります。
PostgreSQLのJPUGは2006年にNPO法人になりましたけど、同じ年に公益法人制度改革法案が成立して一般社団法人を作るのがだいぶ簡単になったんです。

イベントが一般化してきている

イベント一つ開催するにもこのようにたくさんの課題があります。しかしカレンダーを見ればわかるように、イベントはどんどん増えています。これについて小山さんはトークの終盤でこう言いました。

要はイベントの壁が低くなったということです。10人くらいの勉強会だったら、それこそ10分くらいでいろいろ決められますし、動画やスライドを残すことも簡単にできますし、実際残すと「あれがよかった」ってクチコミがすごく広がるじゃないですか。
これはすごい世界ですよ。80年代、90年代はこうやってマイクを持ってお客さんの前でしゃべることはけっこう特別なことだったんですけど、ITのおかげ。我々が15年くらいかけて獲得してきたことなんです。

最後の一言には重みを感じますね。ブログサービス、SNS等のコミュニケーションメディア、チケット予約サービス、スライドや動画を公開するサービス、……等々、今では当たり前に使えるこういったサービスですが、これらが無かった時代の主催者達は、どんな手段で、どんな苦労をしながらイベントを開催していたのか……、なかなか想像するのが難しいです。

私も、イベント会場で帰り際にゴミを見つけたら拾うなどして、イベント運営者の見えざる努力に少しでも報いられればと思います。ありがとうございました。第二部もよろしくおねがいします!

次回レポートに続きます。

vol.16報告(2/2)―色々な現場で点を打っておくと、それがキャリアの線になる

こんにちは、取材班まつうらです。先週に引き続き、3月5日に開催しましたTechLION vol.16レポート後半戦をお届けします。こちらも録画映像(第二部#1第二部#2エンディング)を用意しておりますので是非そちらも合わせてお楽しみください。(前半戦観戦がまだの方はこちら

■第二部 ITサファリパーク

江崎先生と盛り上がった後、今日はさらに三人の選手をお招きしてのトークバトル「ITサファリパーク」。まずは自己紹介を兼ねたプレゼンテーションから。

#1 稲田直哉さん―開発前の準備が多いのはナシで

稲田直哉@KLab さん一番手は稲田直哉@KLabさん。この日がちょうど30歳の誕生日。30代の始まりがTechLION出場日ということで、よかったのかどうか……。そんな稲田さんが用意したプレゼンの気になるタイトルは「Go everywhere」。ただし、ここで言うGoとはプログラミング言語ということで、今日はプログラミング言語“Go”の魅力をたっぷり紹介してくださいました。

Goってどんな言語?

GoはあのGoogleが開発した新進気鋭の言語。LXCDockerPackerSerfといったの開発者向けソフトウェアやサービスサイト(特に仮想環境の管理)で積極的に採用されているそうです。それというのもGoは、並列化、ネットワークプログラミング、分散コンピューティングに向いているという特長を持ち合わせているところにあるようですが、稲田さんが今日一番主張しておきたいのは“simple, easy to learn, easy to develop”(イージー、使い始めやすい)という点だそうです。

Go言語ライブデモ
Go言語にて、定番の”FizzBuzz”をライブコーディング中

例えばJavaをやるにしても、実際は構文覚えるだじゃ済まなくて、EclipseIntelliJといったものの使い方も覚えなきゃいけなかったりします。しかしGoは、必要な機能がうまいことシンプルにまとまっており、そういった大げさな準備をしなくても済み、しかし実用性も十分確保されているのだそうです。例えばコーディングにgoimportsを利用すればコーディングスタイルを覚える間でもなく勝手に整えられたり、同様にしてテストも書き方にこだわらなくて済むように工夫がなされていたり、パッケージ配布はGitHubを活用して簡単に行えるようになっていたり……。 『色々とやらなきゃいけないことをシンプルに……』 それが、稲田さんがGoを使い始めた理由だそうです。「皆さんも、サーバー書くための言語としてだけでなく、ちょっとしたものを作る時にGoを使ってみるのはいかがでしょうか」最後にそう言って締めくくりました。

#2 鈴木理恵子さん―クラウドで手軽にデータ分析を

鈴木理恵子@トレジャーデータ さん二番手は鈴木理恵子@トレジャーデータさん。タイトルは「おねえさんと学ぼう!クラウドによる最新のビッグデータ分析」なのですが、タイトルに「おねえさん」がつくのは実は初めてだったりします(おねえさんの出場自体はありましたけど)。ちなみに、学生の頃は専門学校でギターを作っていた(弾く方ではなくて)そうですよ。

最近はあちこちで「ビッグデータ」という言葉を聞くようになりました。コンピューターの進化と共にそういった大量のデータを分析できるようになったことで、そこから得られる情報を活用しようというわけですが、その流れが多くの企業にも広まってきて「うちにもデータあるんだろ?分析してくれよ」と経営層や上司に言われた、という話も聞こえるようになってきたといいます。

ビッグデータもおまかせエンジニア
「ビッグデータの分析くらいたやすいですよ」と言えるとカッコいいけど、もはや大それた話でもない

そこでカッコよく「えぇできますよ」と言えればいいですが、「え!そんな分析って……。ただ僕たちはプロダクトを、納期を守って作っているだけですから」というように、そんなことまで想定していなかったのでどうすればいいのか戸惑ったり、あるいは分析のための環境構築になんてリソースを割けないということはよくあります。

そんな時にお勧めなのがTreasure Data Service(鈴木さん、大変言いづらそうでしたが)。分析環境がクラウド上で提供されるので、まずハードウェアを自分で調達する必要がありません。さらにそれ(インフラ提供)だけではなく、サービスまでも提供されます。サービスとは、分析エンジン(Hadoop型やアドホック型)はじめ、データの流し込みから可視化するまでに必要な9つのツール。こういった構成によって、今やデータ分析基盤が1,2週間で稼動させられるところまできているのだそうです。

いやぁ、技術の進歩の速さにはいつも驚かされます。

#3 大場光一郎さん―伸びている業界で働きたい

大場光一郎@クラウドワークス さん最後は大場光一郎@クラウドワークスさん。タイトルは「僕とRubyと、時々、奥さん」。3月という時期ともあいまって、ご自身の「転機」ついていろいろ語っていただきました。

大場さんの仕事歴ですが、最初に(めちゃくちゃブラックな)小さなソフトハウスで4年、次に社員数7千人程の大手SI企業に10年、GREEに3年弱、そして今年クラウドワークスに移ったそうです。

大手SI企業に在籍していた頃、東日本大震災が発生。人的被害はなかったものの仙台の実家は津波により居住不能に。「実家を建て直さなきゃ。ステージを上げてより稼がないと」と意識するようになったそうです。35歳を過ぎるといつまでもコード書いてるんじゃないという業界特有の風潮もあり、その頃盛り上がってきていたクラウド(cloud)に関するサービスを企画するようになりました。しかしSI企業ならではの「(基本的に)納品したら終わり」と発想により、この手のウェブサービスとの上手な付き合い方を理解してもらえなかったそうです。そういうこともあり、ウェブサービスで急成長を遂げていたGREEへ転職。

ちなみに大場さんの奥さんもまた万葉というRuby一筋の会社を運営していて「技術的負債夫妻」だそうですが、この頃かわいい女の子が生まれました。しかしそうすると、働く時間や行動にはどうしても制約が生まれ、「ここで同じステージでいられるのだろうか?」と考えるようになっていました。そうして、これまでの自分を振り返るうち、今のクラウドワークスという会社に出会ったそうです。

伸びてるところで働きたい
伸びてるところ、いや伸ばす仕事ができれば、ずっと楽しくいられるのではないか!?

振り返ると、自分としては伸びている業界で働きたいという想いがあり、実際GREEもそういう意味ですごく充実していたそうです。それをさらに突き詰めると、「伸びているとこじゃなくて、伸ばすところに関われば、ずっと楽しい状態が続くんじゃないか」という考えに至り、それがここへ来た理由だといいます。

小さな会社も大きな会社も経験してきたことで、これからここで何が起こるかということもある程度想像がつくようになり、それもまた移籍を後押しすることになったようです。ただ、想像がつくといっても、一概にそれが今の現場で正しいとは限らないので、老害にならぬようバランス感覚を磨くことは重要だそうです。

会場から寄せられた質問

各自のプレゼンが終わって、出場者全員によるディスカッションに。その中で会場いくつか質問が寄せられたのでそのやりとりを一部ご紹介します。

Q. 他社にも使われることになるオープンソースをリリースするメリットとは?

鈴木:元々そういうオープンソース系の人達が作った会社だからっていうのがまずあって……

大場:広く普及させたいっていうのがあればオープンにしたほうがいいですね。

鈴木:そうですね。コミュニティのみなさんと一緒に作り上げることで、私たちとしても一緒に開発してくれるメリットがありますし。

江崎:たぶん二つあって、一つはマーケットを立ち上げる時自分の会社以外のリソースを上手に使えるという利点。もう一つは熱心にやれば業界でリーダーシップをとれる。わがままだけれども、ちゃんとした技術を持っているという責任感の裏返しでもある。

稲田:信頼っていうのが大きいかな、と思います。利用者からすれば数あるサービスからどれを選択するかにあたって、オープンソースでの活動実績を見て技術力の有無を判断したりもする。例え会社はちっちゃくてもそこで信頼できる。だから信頼を勝ちうるためのツールとしてオープンソースは有効だと思う。

Q. キャリアを変える時に、こうしておけばよかったと思うことは?

大場:アラフォーになると結構「あれやっておけばよかった」というのがあって……。スティーブジョブズじゃないけど、常にドットを打っておけば、振り返った時それが線となって繋がっているんですね。やって後悔したほうがまだマシで、大変だからやめておこうなどとためらった時の方が、振り返ってみるとガッカリする率が高いです。

江崎:違うエリアとか違うポジションに行くと、大変だけど、おっしゃったように点が線になるんですよ。僕はアラフィフでけっこう遊んでいますけど、最初は全然関係のないところが真面目にやっていると不思議と繋がっていくんですよ。だからいろんなとこに行くと、それがなんとなく繋がってくるし、その経験がプラスになるんです。

◇ ◇ ◇

なるほど、長く続けなきゃ意味が無いということは全然無くて、様々な場所で経験を積んでおくことが重要なんですね。稲田さんが紹介していたように、プログラミング言語Go一つとっても既に様々な現場で採用実績があり、Goという言語に点を打っておくことでそれらの業界へと繋がる線を引くこともできると思います。私も、出場者の皆さんに負けないようにたくさんの点を打っていきたいです。こうして毎回出場者のトークを聞くことも点を打つことに繋がるかな?

ゲストの皆様、ありがとうございました。(マウスカーソルを重ねるとポーズが変わります)

■次回は各LLイベント実行委員長全員が集結する!

最後に次回TechLION(vol.17)の予告がなされましたが、コンセプトがスゴい。

Ruby KaigiPyCon JPYAPC::Asia(Perl)、PHPカンファレンス、の4大LL言語イベントの実行委員長が全員集まるというのです。それだけでも十分なのですが、さらに「歩くITイベント大辞典」こと小山哲志さんもお呼びします。そして、なんと世の中ウマいことできているのでしょうか。TechLIONの司会者法林GMはLLイベントの中心人物だったりします。

次回vol.17は6月26日(木)開催予定。夏以降に開催される各LLイベントのキックオフミーティングのような回になるのでしょうか。これは楽しみです。既に事前予約を受け付けておりますので是非お早めのお申し込みを!

事前予約フォーム
TechLION vol.17

来週から、リレーブログを再開します。
次回は馮プロデューサー、よろしくお願いします!

vol.16報告(1/2)―21世紀をどう作るか、僕らは考えなきゃいけない

おかげ様で三周年
おかげ様で三周年

TechLIONの始まりは今から三年前、2011年3月でした。震災直後、電力不足等で首都圏もまだ混乱が治まらぬ中とあって、こんなことやってる場合なのだろうかと葛藤もしました。しかしこんな時代だからこそ、エンジニア達はより一層連帯を深め、希望を見い出すと共に世の中の力になるべきなんじゃないか、との想いから敢行したのでした。おかげ様で3周年。これからもIT業界に生きる獅子達に力をわけてもらいながら、連帯を深める手伝いができれば、と思います。

ということで2014年のTechLION一発目(vol.16)が、3月5日、いつもの六本木SuperDeluxeで開催されました。本日はまず第一部の模様(注1)をお伝えします(後半戦の第二部は次回しますのでお楽しみに)。レポートブログは、引き続き取材班まつうらが担当させていただきます。

(注1)当日の全セッションの模様の録画(第一部#1第一部#2第二部#1第二部#2エンディング)を公開しています。(撮影協力:日本仮想化技術様)

■第一部 獅子王たちの夕べ(江崎浩先生)

江崎浩先生今回、前半戦のゲストはWIDEプロジェクト代表の江崎浩先生。

トークはむちゃくちゃ面白く、割愛するには勿体無いので全部紹介したいところです。が、そういうわけにもまいりませんので、披露されたトークのいくつかのシーンを、より抜いてご紹介します(時間があれば是非録画の観戦を)。

20世紀の設備はアナログで高かった

何の話をしようか考えたんですけど、今やってる遊び(研究)の話をします。

この会場も20世紀の設備ですよね。マイクやスピーカーは有線だし、アナログの塊。でもうち(大学)のビルの中にはWi-Fiの無線のマイクとか入れてるんですよ。音が微妙に遅れるんですけどね。それから、デジタルにしているからタブレットで全部コントロールできるんですよ。

21世紀のスピーカー
スピーカーを多数並べ、それぞれの位相と振幅を調整すれば、特定の位置の人にだけ聞かせることも可能

これ(右写真)はYで始まってAで終わる浜松の会社で遊ぼうとしている話なんですが。スピーカーって、いっぱい並べて位相と振幅をコントロールすると任意の音の形を作れるんです。例えばこの会場にスピーカー並べてちゃんとコントロールすれば、法林さんの耳にだけ聞こえる音を作ったりできます。20世紀のカンペって司会者が見なきゃいけないじゃないですか。だけど21世紀のカンペは本当に耳に入ってくるんです。

なんでこういうことを始めたかっていうと、僕がビル改装の時に責任者やってたんですけど、色々請求書見るでしょ。すると、頭にくるくらい高いんです。まずオーディオね。21世紀のコンピューターって安いじゃないですか。10万円しないでしょ。なのにオーディオなんてアナログの塊だから滅茶苦茶高くて、なんとかならんもんかと。それで全部デジタル化したいなあと思ったんです。そして、こういうのをやっているうちにどんどん侵略したいところが見えてきて、今、楽しい時代に来ているんです。

データセンターこそ節電の鍵

ビルの設備をデジタル化
各種ネットワーク技術を活用して建物の設備をデジタル化し、Webでのコントロールを実現

マイクロソフト品川グランドセントラルタワーオフィス。あそこのビルはサーバールームがないんですよ。引っ越してきた時にサーバーは全部Azure(クラウド)に持って行ったんです。だからサーバールーム作るコストがゼロ。熱が出ないので空調コスト下がるし、電気代も下がる。よそへ引っ越す時の原状回復もめちゃくちゃ安くなるわけです。クラウドを使う理由が一般的な目的とは全然違っていて、これで社会インフラを作るみたいな話をもう始めているんですよ。実は3.11の時、東大は30%節電するというのを宣言しちゃったんです。30%落とせということは、暑い部屋で仕事しろということなんですよ。そんなの嫌だから本当は大っ嫌いなクラウドコンピューティングをやって……。したらね、70%くらい節電に成功しちゃって。

そのデータ持って東京都の環境局行ってきたんです。彼らは、毎月6%ずつ節電できないとペナルティとか言ってるじゃない。そうすると大体いじめられるのはコンピューター屋なわけです。データセンターって顧客が入るとどんどん電気代増えるでしょ。だから毎月6%節電なんて不可能なわけですよ。でも、さっきのデータを元に、「客が増えれば増えるほどオフィスの電気代が減る」っていうのを教えてあげたので、例外規定を作ってくれた。それまで敵だったところが、突然味方になってくれたわけです。

江戸の街と東京オリンピック(1964)の成功に学ぶ

運河が江戸を機能させる
運河の整備によって、江戸、そして東京という都市は機能してきた

話が飛んじゃうかもしれませんが、最近見ているのはこれ(右写真参照)です。江戸の街がどうしてちゃんと機能したかというと運河をちゃんと作ったからなんです。これがインターネットに通じるんですが、運河というひとつのインフラが三つのファンクションになる。一つがディフェンスで江戸城を守るための堀。次がロジスティクスで、物流のための水路。もう一つが上下水道。これらが兼ねられたので東京は今でも機能している。1964年の東京オリンピックの時にはこの運河を利用して高速道路が作られたわけで、つまりオリンピックが開催できたのも東京に運河があったから。じゃあ、次の21世紀はどう作るかっていうのを今、僕らは考えなきゃいけない。

そこで、エネルギーのフローと物のフローとをどう作っていくかってことを考えてます。エネルギーのフローで今面白いことが起こっていて、発電設備が分散化し始めたじゃないですか。さっきのマイクロソフトの話にも繋がりますが、データセンターに水素発電機やコージェネレーターを置いて、発電所にしたら面白いんじゃない?って話ですよ。普段は電気をくべて熱出して、それから熱は冷媒としても使えるので、そこを地域の熱システム、エネルギー、そして情報の拠点にしてしまったり、ってね。それも、洋上データセンターで。火力発電して海水で冷やして、ここにサーバーいっぱい置いて……。次のオリンピックに向けて、晴海の沖に浮かべてパワープラント作っちゃうなんていうのもありえない話じゃないんです。

◇ ◇ ◇

先生が披露した数々のトーク。何が面白いかといえば、デジタルによって驚くべき進歩を遂げた21世紀のICT技術を携え、これまでありがちだった異業種の神経系(お手伝い的な仕事)のみならず、筋肉系(業務の本質的部分)にまで入り込んでその構造を変えてしまわんとする、数々のアイデアですね。トークの中で、

皆さんは暗い顔して仕事せずに、
ほかの業界で成功できる可能性がめちゃくちゃあるということなんです。

と、おっしゃっる場面がありましたが、その言葉にはとても現実味を感じました。私も建設業界に片足を突っ込んでおりますが、業界特有の課題を、21世紀の発想で解決したいと思いました。

ありがとうございました。ということで次回(後半戦レポート)に続きます。

vol.16 ご来場ありがとうございました!そしてvol.17のお知らせ

こんにちは、かなり屋です。
昨日は大雨でしたがTechLION vol.16にご来場いただいたみなさま、誠にありがとうございました!
Ustreamから観覧いただきましたみなさまも、ありがとうございました。

昨日の様子は馮さん作togetterをご覧下さい。
TechLION vol.16 #techlion

 
さて、次回のTechLION vol.17は
Perl, PHP, Python, Rubyカンファレンス実行委員長
そして、あの”歩くイベント辞典”が参戦!
熱い熱い戦いにますます目が離せません♪

 
◆◆TechLION vol.17◆◆
日時:2014年6月26日(木) 19:00開場、19:30開演、22:30終了予定
場所:SuperDeluxe
料金:料金:前売2,700円、当日3,200円 (1ドリンク付き)
出演:小山哲志、角谷信太郎、鈴木たかのり、前島有貴、和田裕介
MC:馮富久、法林浩之
 

vol.17のチケット販売に関して、法林GMからお知らせがあります。


ゼネラルマネージャーの法林です。

vol.17のチケットは、会場払いチケットは本日(3/6)より発売、前払いチケットは4/30(水)発売予定です。なぜ発売時期が異なるのかを説明します。

TechLIONのチケットはDoorkeeperで販売していて、Doorkeeperでの前払いはPayPalを使用しています。PayPalには「支払い日から60日以内の場合のみ払い戻し可能」という決まりがあり、これが今回の事象に関係しています。

以前は前払いチケットも早くから発売していたのですが、早期に購入した方が開催直前に都合が悪くなりキャンセルした際に、購入から60日以上経過していて払い戻しできない事例がありました。

開催が近づいてからチケットを買った人は払い戻しができて、早くから買ってくれた人は払い戻しができないのは、なんだか不公平な気がします。そこで考えた結果、前払いチケットは開催まで60日を切ってから発売することにしました。事前に払っておきたい方はすみませんがしばらくお待ちください。東京開催のTechLIONは完売したことがないので、前払いチケット発売前に売り切れという事態は発生しないはずです(笑)。

一方、会場払いチケットにはそういう制約はないので、もう今日から発売します。vol.17の出演者も発表しましたし、それを見て参加したいと思った人がすぐに予約できるように、という想いからです。次回もぜひ多くの方に見てもらいたいです。ご参加お待ちしています。


ということで、事前予約フォームはこちら!
TechLION vol.17 (Doorkeeper)

 
更新情報は随時アップいたしますので、
TechLION vol.17
をご覧下さい。
みなさまのお越しをお待ちしております☆
 

TechLION vol.15 大盛況♪

こんにちは、かなり屋です。
気がついたら12月も後半間近、忘年会真っ盛りですね。

先日のTechLION vol.15大感謝祭&大忘年会は大盛況でした。
ご来場いただいたみなさま、お忙しい中足をお運びいただきありがとうございました!
vol.15の様子は松浦さんのレポートで振り返ることができますので、ぜひご覧くださいね☆

さて、一等地でのパーティはいかがでしたでしょうか?

この角度!会場の洗練された雰囲気が伝わりますね。
この角度!会場の洗練された雰囲気が伝わりますね。

今回結婚式の二次会ぐらいの服装というドレスコード。私が選んだのは一張羅のアオザイでした。

MCのおふたりの間にいるという私的にはレアなショットです(^^;
MCのおふたりの間にいるという私的にはレアなショットです(^^;

きらびやかな雰囲気に最初はとまどったものの、おなじみMC法林さん馮さんの司会とみなさまの笑い声が聞こえた瞬間いつものようにTechLIONがはじまり、気がついたらあっという間に終わっていました。
すてきな会場、おいしいお料理とお酒、そして何よりも皆様の笑顔をたくさん見ることができて本当によかったです。

お料理のお皿はあれよあれよと言う間に...
お料理のお皿はあれよあれよと言う間に…

来年もまたみなさまにお会いできるのを心から楽しみにしております。
良いお年をお迎えください!

#今回の写真はすべて中村真奈さんご提供でした。ありがとうございました♪

vol.15報告―楽しそうな顔は、みんなで一緒にサービスを生み出してる証

こんにちは、取材班まつうらです。歴代出場選手が一堂に会す夢の祭典となったTechLION vol.15「大感謝祭&(どこよりも早い)大忘年会」が、先週末の11/30(土)に開催されました。参加された皆様、いかがでしたか。

ただ今回一つだけ残念だったことは、チケットが早々に売り切れてしまったこと。しかも、最近の試合では必ず行われていたUstrem中継も諸般の都合により実現せず。参加できない方からの惜しむ声が聞かれました。こうなったらレポートでより一層雰囲気を伝えなければ……。ということで、今回は写真盛りだくさんのレポートをお届けします。

■試合会場からしていつもと違う!

ワインボトル(おかわり自由)
ワインボトル。今日はこれ飲み放題ですって
ゴージャスな会場
アンクルハット、なんとゴージャスな会場なんだ

今回の会場は、東京・表参道にあるアンクルハット。事前に会場写真を見てはいましたが、実際この目で見てみると……確かにスゴい。なんというゴージャスな会場、そして整然と並ぶワインボトル(おかわり自由)……。

普段の、隠れ家的な会場でトークバトルを繰り広げる形式とは打って変わってます。そして観戦者が座る席というのも特に無く、歴代出場選手達、観戦者達一緒になって交流してもらいながらおもてなしする、まさに感謝祭でした。

■そして、獅子王たちが集結

開場の時刻を迎えると、観戦者、歴代の出場選手達が続々と来場してくれました。うーん、懐かしい顔ぶれ。東京以外の地域出張先で参加してくれた選手の方も来てくれて、本当に貴重な機会です。

(恐らく来場した全選手揃っているのではないかと思いますが)来場してもらえた選手の皆さんには個別の写真を撮らせていただきました。これだけの選手に会えただけで既にお腹いっぱい……、いやいやこれからが本番ですよ。

TechLION vol.15獅子王たち(1) TechLION vol.15獅子王たち(2)

photo by Mana Nakamura

獅子王とは違う「ライオン」
獅子王とは違う「ライオン」
よしおかさんと鳥男!?
よしおかさんと鳩男!?…いや、馮さん何やってるんですか
「獅子王」名札
選手に渡された名札。肩書きは「獅子王」

その後、「獅子王」の名札を付けていただきました。今日はどうぞ楽しんでいってください。

ところで、若干仮装パーティーの雰囲気にもなっていたようで、会場内を見渡すと……。ライオンはライオンでも上から下までのラインが!獣耳が生えてる人が!ん、鳩男まで……。って、よく見たら司会の馮Pじゃないですか。

■砂原先生からお詫びの挨拶?

乾杯!
かんぱーい!
砂原先生ご挨拶
砂原先生「村井が来られなくてすいません」

こうして多くの方に集まっていただきvol.15がスタート。法林GM・馮Pの挨拶に続き、砂原先生から乾杯のご挨拶。「今回のTechLIONを11/30に決めたのは村井の都合だと聞いてたのですが、肝心の本人が来られなくてすみません」と、盟友・村井先生に代わって自虐を交えたご挨拶。

残念ではありますが仕方ありませんね。今日来てくださった選手の中にも、TechLIONの前のイベントをこなして掛けつけた方もいれば、障害発生で急遽欠場せざるを得なくなった方もいました。再びこのような感謝祭TechLIONを開催して、お招きしたいですね。

さて、気を取り直して乾杯!宴の始まりです。

■LT大会もやりました

ショウジユウコさん
ドラ娘はもちろんこの人、ショウジユウコさん

宴もたけなわになった頃、ささやかながらLT大会も開催されました。持ち時間は1人3分と短いながら、5名が登壇。発表内容を簡単に紹介しておきたいと思います。

#1 田中邦裕さん「進撃の巨人ロゴジェネレーター」

田中邦裕さんといえば、コアなアニメファンであり「とある〇〇」「進撃の巨人」などのアニメタイトルロゴジェネレーターの作者としても一部では有名です。「とある」のためにto-a.ruというドメインまで取得したそうですが、残念ながら自社ではロシアンドメイン(.ru)は取れないのでよそで取ったとのこと。(.com,.jpなら、さくらのドメイン取得で!)

しかしこれらロゴジェネレーターは、やっぱり時に不快なタイトルを作るのにも利用されてしまうこともあるそうです。それゆえ削除依頼が来るそうですが、その件数の膨大なことといったら……、というお話でした。お仕事お疲れ様です!

#2 石川真弓さん「世界一周HDRの旅」

vol.8に出演した半年後、それまで勤めていたSix Apartを退職。その翌日、なんと世界一周旅行にご夫婦で出発。三か月間の旅だったそうです。「え、どこ巡ってきたの?」「お金はどのくらいかかったの?」そんな疑問を抱いたアナタ。続きはWebで!「世界一周」というキーワードで検索すると現在4番目にヒットするそうです。(おぉ、ホントだ!)

そして各地でたくさんのHDR写真を撮ってきました。その写真を次々にスライドに表示し、来場者みんなウットリ……。「ところでHDRって何?」という方はいらっしゃいませんか?じゃあ続きはWebで! ちなみにやはり「HDR」で検索すると4番目にヒットするそうです。(残念ながら翌日に試してみたら5番目でしたが、それでもすごい)

#3 坂井弘亮さん「アセンブラ短歌」

アセンブラ短歌「QUINE」
アセンブラ短歌の一例「QUINE」

去る10月にSECCON信州大会で、アセンブラ短歌の品評会が行われたそうです。「アセンブラ短歌」とは何か?それは、5+7+5+7+7バイトの機械語で作るプログラムで、これは近未来に流行るであろう趣味だそうです。スライドにてHello world!を表示する短歌などなど披露。掛軸バージョンもあって風情(?)があります……。マイナビから近日書籍化予定!!

しかし、RISC系プロセッサには短歌作りに向かないある重大な問題が……。それは、命令長が4バイトや偶数バイトで固定されているものが多く、そうなると原理的に不可能だから、だそうです。なるほど……。

#4 高橋征義さん「この技術書がすごかった!2013」

高橋征義(ことし入籍!)さんといえば達人出版会を運営されていることでも有名です。立場上やはりいろいろな本にお目にかかるそうで、今年最も売れた技術系電子書籍(達人出版会のみならず)は「入門Chef Solo」だったそうです。その人気たるや、リアル本屋から「うちに卸してもらえないか」などと問い合わせの電話がかかってくるほど。元々電子書籍本なのでお断りしているそうですが。

表紙がスゴかった本といえば、この2冊!「きつねさんでもわかるLLVM」「Land of Lisp」。「きつねさん~」はさすが同人誌から誕生しただけにゆるふわな表紙、Lispの方は、「動物表紙のオライリーもここまで来たか」と言わせんばかりの進化したデザイン。などなど、今年一年のスゴい書籍を紹介していました。

#5 村岡正和さん「IE6やめようと思っても手遅れ」

村岡正和さん
LT中の村岡正和さん。「倍返しだ!!!」

vol.9で熱いトークを披露した村岡さん、Internet Explorer 6がいかに「終わっている」ブラウザなのかを、ネタスライドを交えつつ熱く語りました。IE6のシェアは世界的に見れば4%台まで下がっているのに、中国では20%台。そして、日本でも企業内システムに限れば、困ったことに今でも盛んに使われています。

では、XPの滅ぶ来年までに乗り換えられるか?絶対無理!そんなのあったら100%デスマ案件間違いなし!クリエイターの皆さん、逃げましょう!しかしそれでもIE6を生かしたいと思っている企業は数多い……。そんな企業は「土下座しろ!!!」「倍返しだ!!!」 といった感じで、今日のトークも(むしろ今日の方が)熱かったです。

■皆繋がっていて一緒にサービスを生み出している

今宵の、そして今年のTechLIONも、そろそろおしまい。最後は来場した獅子王こと出場選手王たち全員揃って記念撮影をしました。

0127_original_s vol.15獅子王たち(2)皆さんホント楽しそうに手を振ってくれています。今年のTechLIONの締めくくりに相応しい、貴重な一枚(いや、二枚)になりました。ありがとうございます。

今日のTechLIONに参加し、そしてこの写真を観ていて、一つ実感しました。コンピューター業界ってこんな人達に支えられているんだなあ、と。

私達は日常的にコンピューター関連製品と付き合っています。ソフトウェア、ハードウェア、情報・通信サービス、書籍、あるいはそれらを取り巻くサービス……。全ての製品やサービスの向こうには必ずそれを生み出す人がいるわけですが、普段は名前や写真、あるいはインタビュー記事くらいでしかお目に掛かれません。それだけ見ていると、優秀な人たちが個々にサービスを生み出しているように勝手に想像してしまいます。でも、実際はみんな繋がっていて、一緒になってサービスを生み出しているんだなぁということが、この写真を見ればよくわかります。もしそうでなかったら、こんなにも楽しそうな顔した人達ばかりの集合写真にはならなかったと思います。

■今年も一年ありがとうございました。さて来年は?

2013年、5回に渡りお届けしてきたTechLIONもおしまい。選手の皆さん、観戦者の皆さん、そしてUstや各所のレポートを見ながら応援してくださった皆様に、スタッフ一同に代わりまして感謝を申し上げます。

感謝&来年もこうご期待
今年もありがとうございました、来年もがんばります

えぇと来年の試合予定は……。おおっと、もう対戦相手の交渉中なんですね!なんか今、法林GMから「ホントか!?」というセリフが聞こえたような気がしないでもないのですが、今日もこれだけの獅子王が集まった実績からすると、きっと来年もビッグタイトルが控えていることでしょう。楽しみにしていてください。

それではまた来年も、TechLIONをよろしくお願いします。

vol.15 ご来場ありがとうございました!

こんにちは、かなり屋です。

TechLION vol.15にご来場いただいたみなさま、誠にありがとうございました!
一等地でのとびっきりの時間、いかがでしたでしょうか?
かしこまったスーツやドレスや普段着やハトや着ぐるみ(!)などなど入り交じった楽しい忘年会でしたね♪

今回のtogetterはこちらです。
TechLION vol.15 大感謝祭&大忘年会 #techlion

次回情報は現時点では未定ですが
更新情報は随時アップいたしますので、
引き続きチェックしてくださいね。

みなさま、良いお年をお迎えください☆
そして来年もTechLIONをどうかよろしくお願いいたします!