俺たちは花火か、マーライオンか、それとも。

前回のお礼

TechLIONゼネラルマネージャーの法林です。

前回のTechLION、つまりはTechLION vol.39、またの名を995日ぶりのTechLION復帰戦を、たくさんの方にご観覧いただきましてありがとうございました。おかげさまでようやく復帰の第一歩を踏み出すことができました。(イベントの模様はYouTubeにてご覧いただけます)

以前のような企業の主催ではなく運営コミュニティベースでやっていて、スタッフも必要最小限の人数でやっているので大がかりなことはできませんが、これからも皆さんに、ITを題材にした楽しい時間を提供していきたいと思います。よろしければお付き合いください。

次回のテーマと出演者が決まりました

復活したからには以前のように定期的にやっていきたいと、私もプロデューサーの馮さんも思っていたので、7月のある日、2人で決起集会と称して飲みに行きました。場所は品川駅の駅ナカにあるビアバーでした。

2人で例によって巨人・阪神トークなども繰り広げつつ、ちゃんと次回に向けての企画も練り、テーマや出演者候補も決めました。馮さんによる出演候補も首尾よく成立し、会場も無事に確保できました。すでにイベントページを公開して参加登録も始まっていますが、あらためて次回の日時やテーマや出演者をお伝えします。

今回のテーマは「技術広報」にしました。テーマ設定の経緯は後述します。

今回ご出演いただく佐藤さん(左)と杉田さん

出演者は、元LINEヤフーのDevRelチームで、今はそこから独立してTHE BIGLEを立ち上げた佐藤祥子さん。それからMIXIで長くこの分野の仕事をしている杉田絵美さんの2人です。もっとたくさん並べてもよかったんですが、前回ゲスト2人でやってみて好感触だったので、今回も2人にしてみました。

テーマ選定の経緯

TechLIONでは2018年に開催したvol.34で「エバンジェリストのお仕事」と題して、各社でエバンジェリスト的な仕事をしている方々にご出演いただきました。今回はそれに近いテーマということにはなりますが、2018年と現在では、技術広報やらDevRelやらエバンジェリストなどと呼ばれる職種を取り巻く状況が変わってきているように感じたのが、今回あらためてテーマに設定したいと思った理由です。

TechLION vol.34の模様。会場はサイボウズでした。ちなみに映像も残っています。(前半後半)

これから書くことはあくまでも私個人の観測に基づく感触なので、違う感覚の人もいるであろうことを前置きしておきます。

2018年に開催したときに出てくださったエバンジェリストの皆さんは、会社が扱っている技術情報をお伝えすることが主な役割で、そこから会社やサービスを知ってもらったり、使ってもらったり、もちろん買ってもらえるならさらにうれしいですが、そういう職種だったように思います。私もさくらインターネットでこのような仕事をしていますが、自分の感覚的にはそういう意識です。

それから長いコロナ禍を経て、2023年に京都で行われたYAPCに参加したときに、スポンサー各社で「技術広報」という肩書で仕事をしている人達と知り合いました。そのときに、そういえばこの職種の人達で集まって情報交換する機会って今までなかったなと思い、「技術広報コミュニティ」と名付けてイベントをするようになりました。ちなみに8月30日(金)にも「納涼祭」と銘打ってイベントをします

(↑「技術広報の集い」では発表だけでなくグループディスカッションの時間を設けています。上はディスカッションのメモです)

その「技術広報の集い」の参加者を見ていると、従来とは異なる傾向があることに気がつきました。

  • ここ2〜3年で技術広報職に就いた人が多い
  • 従来のエバンジェリストのように技術情報を伝えるだけでなく、エンジニア採用が視野に入っていて、そのために技術情報を出すことが任務になっているらしい
  • 前述の理由からか、非エンジニアから技術広報に就いた人が多い

また、技術広報のような仕事ができる人はまだまだ少ないのか、佐藤さんのようにそれを事業として取り組む人も出てきました。

そういったことから、これはあらためてTechLIONで取り上げたいと思い、出演をお願いしたい人も具体的に思い浮かぶので、このテーマを設定しました。

今回ご出演いただくお二人は、最近技術広報に就いた人達よりは長く取り組んで来られた方々で、私もいろいろなイベントで顔を合わせています。でもじっくり話をうかがう機会はこれまでなかったので、これまでやってこられたことや、この手の仕事に取り組む上で大切なこと、それから最近の傾向についてどう思うかなど、聞いてみたいことが山ほどあります。今回の対戦を一番楽しみにしているのはたぶん自分だと思います。良い話を引き出せるようにがんばります。

技術広報と花火とマーライオン

ここまでは割とまともな、テーマ設定の経緯などの話をしてきましたが、ここからはパッと見では何のことやらよくわからない、謎のタイトルに関する話をします。

技術広報の仕事を長くやってきたせいか、いろんな物事、それも一見関係ないようなものでも、技術広報と関係あるように見えてくることがあります。

例えば、技術広報コミュニティでは今年の5月にRubyKaigiが沖縄で開催されるタイミングで会合を開き、終わった後で飲みに行き、さらに近くの公園で花火までしました。早々に夏を満喫した感がありましたが、あとで花火の写真を見て思ったのは、技術広報の仕事って花火に似ているかもってこと。

一見、キラキラしているように見えますが、その一瞬のキラキラの裏ではそれよりもはるかに時間をかけた仕込みがあって、そこも含めての仕事であること。でも見ている人には輝いている部分しか見えず、その輝きが見た人の記憶に残るのが重要なこと。などなど、考えてみると確かに花火っぽいところがあります。

写真提供:tamaclawさん(技術広報コミュニティの運営メンバー)

それから、あるときにマーライオンの写真を見かけました。あれは口から水を吐いている観光名所ですが、僕たち技術広報も口から技術情報を吐くことで注目を集めているとすると、IT業界のマーライオン、もしくはテックマーライオン(?)ではないかと思えてきました。

というわけで、なんとなくTechLIONっぽい単語が出てきたところで無理やりこの記事を締めます。TechLIONでは花火もないし水も吐きませんが、おもしろいトークやツッコミを吐けるように、そして、見に来てくれた皆さんに楽しい時間をお届けできるようにがんばります。お酒片手に楽しんでもらえたらうれしいです。9月17日の夜、さくらインターネット東京支社でお待ちしています。