次回TechLION予告!3月2日!場所は福岡!

(提供:福岡市)

ゼネラルマネージャーの法林です。

昨日は「TechLION vol.32 with tech@サイボウズ式」のはずでしたが、大雪のため開催を断念しました。楽しみにしていた方、すみません。私も楽しみにしていたのでとても残念です。でも、今回は出演者が2人ということもあり、日程調整は比較的容易かと思いますので(お2人とも忙しいとは思いますが)、なんとか調整してこの試合を再度組みたいと思います。決まり次第アナウンスしますので、ぜひ皆さん足をお運びください。

ところで、昨日開催予定だったTechLIONでは、久しぶりにエンディングで次回予告を用意していました。つまり、イベントをやってる側としては、イベントが開催できなかったのみならず、エンディングでサプライズをお見せする機会も失ってしまい、かなりやられた感があります。でも、次回までさほど日程的な余裕もないので、もうイベントページを公開して参加登録を始めてしまいます。

(提供:福岡市)

というわけでタイトルにありますように、次回のTechLION vol.33は3月2日(金)、福岡にて開催します。TechLIONとしては1年半ぶりの遠征であり、九州では初開催となります。TechLION旗揚げから7年がかりでようやく北海道から九州までの開催実績ができます。これは個人的にはとてもうれしいです。全国で受け入れてくれる方々がいるわけですから。本当にありがとうございます。

福岡の会場は、株式会社ヌーラボの福岡本社をお借りしました。ご協力に厚くお礼申し上げます。最近は東京以外の地域でもオシャレなオフィスを持つIT企業が増えていますが、ヌーラボもその1つと聞いています。行くのが今から楽しみです。

それから肝心の出演者ですが、まず1人目として、 JAWS-UGなどのコミュニティで活躍されている小室文さん(@ayakomuro)の出演が決まりました。もし福岡でTechLIONをやる機会があったらぜひ小室さんに…と思っていたので、実現してうれしいです。それから、会場提供のヌーラボから、定番オンライン作図ツール「Cacoo」開発チームの国広輝夫さんにご出演いただくことになりました。この他にあと1−2名、ご出演いただく予定です。発表をお待ちください。

チケットは本日よりPeatixで発売します。TechLIONは軽食・ドリンク付きで、飲みながらトークセッションを楽しんでもらうイベントです。初めての土地ということで慣れない部分もありますが、飲食も含めて楽しんでもらえるように準備しますので、ご期待ください。

(提供:福岡市)

私にとって福岡は、TechLIONで行くのは初めてですが、それ以外では何度も訪れたことがある街です。その中で勝手にできあがった福岡のイメージは、スタートアップ企業が多い、勢いのある熱い街、食べ物が安くておいしい、そして終電の時間になっても帰らない(笑)、です。そんな福岡のムーブメントにTechLIONが少しでも貢献できるよう、がんばります。いい試合をお見せすることで貢献したいです。

それでは、3月2日、福岡でお会いしましょう!ご来場お待ちしています!

【イベント中止のお知らせ】TechLION vol.32 with tech@サイボウズ式

ゼネラルマネジャーの法林です。

本日は「TechLION vol.32 with tech@サイボウズ式」を開催予定でしたが、すでに気象庁をはじめ各種ニュースで報じられているとおり、本日午後~夜にかけて東京都内で大雪の予報となっております。ギリギリまで開催の方向で進めておりましたが、参加者の皆様をはじめ、関係者の安全を考え、本日のイベントは中止することにしました。

楽しみにしていただいた皆さまには大変申し訳ございませんが、ご理解いただければ幸いです。

本日のチケットは払い戻しとなります。チケットを購入された方には、Peatixからお送りした中止の案内メールに、払い戻しに関する記述がありますので、そちらをご覧ください。

イベントの再開催について

今回予定しておりました「TechLION vol.32 with tech@サイボウズ式」については、改めて実施できるよう調整してまいります。詳細については、TechLIONの公式ページや公式アカウントをフォローの上、ご確認ください。

http://techlion.jp/
https://twitter.com/TechLION_staff
https://www.facebook.com/usp.techlion/

お問い合わせ

ご不明な点がありましたら、TechLION事務局( staff@techlion.jp )までお問い合わせください。

今後ともTechLIONをよろしくお願いいたします。

もうすぐTechLION vol.32!ちょっとだけ予告編!?

ゼネラルマネージャーの法林です。

今年の初回となるTechLION vol.32も、いよいよ来週月曜日(1月22日)に迫ってきました。

今回は「テクノロジー×情報」というテーマで、及川卓也さん、徳力基彦さんをゲストにお迎えするのですが、テーマがちょっと漠然としているので、何の話をするのかよくわからないという方もいらっしゃるかもしれませんね。そこで、出演者のお二人とMCの馮さんから、テクノロジーと情報に関することで最近気になっているトピックを挙げていただきました。

  • GoogleやFacebookによる情報の見せ方の変化
  • YouTuberの存在感
  • キュレーションサイト(Meryの復活など)
  • 炎上問題 (#MeToo など)
  • スマートスピーカーは音声メディアの起爆剤になるか
  • ゼロレーティングとネットワーク中立性
  • 性善説によるプラットフォーム設計は維持できるのか

最近のTechLIONはスライドを用意せずにほぼアドリブでトークが進行するので、当日はここに挙がったトピックの中からトークが展開される可能性が高いです。もちろん、ここに挙がっていない話が出てくることもあるでしょうし、後半は今後の展開というか、2018年にこの分野でどんなことが起きるかを予想するような流れになるかもしれません。TechLIONではおなじみの飲みながらのトークなので言いっぱなしの放談になるかもしれませんが(笑)。

それから、及川さんも徳力さんもブログなどで意見を発信されていますが、今回のテーマに関係ありそうなものを紹介しておきます。事前に読んでおくといいかもしれません。

お二人とも豊富な知識と経験をもとにした重みのあるコメントを出される方で、しかも意外なことにこの組み合わせでイベントに出るのは初めてだそうです。それだけに今回の顔合わせは私としてもとても楽しみで、1人でも多くの方に見てもらいたいです。皆さんお時間ありましたらぜひご参加ください。1月22日(月)の夜、会場は日本橋にあるサイボウズ東京オフィスです!チケットはPeatixで発売中!お待ちしています!

TechLION vol.31 with tech@サイボウズ式、大盛況のうちに閉幕!

TechLIONプロデューサーの馮です。こんにちは。

10月も中旬になり、冬の足音が聞こえ始めてきました。2017年も残り2ヵ月半となっています。

さて、先日9月26日に開催したTechLION vol.31 with tech@サイボウズ式、ご案内しているとおり過去最大となる140名のお申込み、当日もほぼキャンセルなく、満席となる状況での開催となりました。

今回の会場は、TechLIONとしては初めてとなる、サイボウズ株式会社 東京オフィスイベントスペース。イベントタイトルにもあるように、サイボウズさんのメディア『tech@サイボウズ式』との共催で実現しました。

サイボウズさんの東京オフィスイベントスペース。ジャングルをイメージした会場でTechLIONにもピッタリ!
撮影:Tetsuji Koyama(@koyhoge)

今回はいわゆる飲食店やライブハウスではない会場だったこともあり、飲食もこれまでとは異なるスタイル。今や、寿司や天ぷらと同じぐらい和食から世界食になりつつある弁当(BENTO)とドリンクとともに、参加者の皆さんをお迎えしました。

撮影:Tetsuji Koyama(@koyhoge)

「セキュリティエンジニアっておいしいの?」をテーマに、辻伸弘氏、根岸征史氏、piyokango氏の3名をお招きし、前半は2017年のセキュリティ事件簿、後半は3名のパーソナリティに踏み込みながら、セキュリティ業界&セキュリティ人材にまつわる内容でトークが繰り広げられました。

撮影:Tetsuji Koyama(@koyhoge)

インターネットが社会インフラとなった今、情報セキュリティ・インターネットセキュリティへの意識、それを遵守する体制がますます必要になっていきます。そのような中、3名がなぜ今、セキュリティ業界に関わっているのか、それぞれの経験や考え、本音を交えた、笑いあり、シリアスな内容ありで、あっという間の2時間となりました。

撮影:Tetsuji Koyama(@koyhoge)

詳しくは、YouTubeアーカイブやTogetterによるまとめをご覧ください。また、2017年11月刊行予定の『シェルスクリプトマガジン』Vol.51にて、当日の模様が掲載される予定です。

YouTubeアーカイブ


まとめ

 

 

TechLION、2017年の開催は今回が最後となります。ただいま、vol.32の開催に向けてスタッフ一同、鋭意企画中です。また来年、会場でお会いしましょう!(ちょっと早いけどw)

TechLION当日の楽しみ方

ゼネラルマネージャーの法林です。
いよいよ本日はTechLION vol.29
皆さんにお会いするのを楽しみにしています。
この記事では、当日の楽しみ方について説明します。

会場は渋谷のカルカル!

今回から会場が変わって、渋谷にある東京カルチャーカルチャー(カルカル)になります。TechLION常連の皆さん、くれぐれも六本木に行かないように…。

場所は渋谷駅から徒歩5分ぐらいかな?渋谷駅の地下通路を的確に移動できる人は少ないと思いますが(苦笑)、13番出口を目指して歩くと、建物のすぐ近くまで地下道で行けるので寒さをしのげます。こちらの地図が割と正確に表示してくれてます。

建物に入ったらこちらに従って4階までお越しください。

注文を取りにきてくれるよ!

カルカルは「トークライブが楽しめる飲食店」ということもあり、皆さんにゆっくりと食事やお酒を楽しんでもらえるよう、開場を今までより早めて18:30にしました。お時間のある方はぜひ早めにお越しいただき、飲食をお楽しみください。メニューもたくさんあります。

しかも、カルカルは各席にテーブルも用意されていますし、ボタンを押すと注文を取りにきてくれます。もちろんトークセッションの最中でもOK。今までだと休憩時間中にカウンターに行って注文していたことを思うと画期的ですらあります(それは言い過ぎか)。

2回目の注文からは協賛品プレゼントの抽選券をお渡しします。注文のたびにもらえるので、たくさん注文すると当選確率が上がります。ぜひ皆さんたくさん食べて飲んで楽しんでください!

いいちこ棒ってなに?

カルカルには「いいちこ棒」というものがあります。詳細はこちらを見ていただくとして、要するに「参加者の皆さんを対象にアンケートができるIoTデバイス」です。これを皆さんにお配りして、試合中にちょっと使ってみます。こちらも楽しみにしていてください。
なお、いいちこ棒は会場の備品ですので、持ち帰ったり分解しないようにしてください。(どっちかというと後者が心配)

会場に行けない人も楽しんでね!

そんなカルカルで行われるTechLIONですが、残念ながら会場に足を運べない方のために、TechLIONでは配信を行っています。今回もYouTubeライブによる配信を予定しています。時間になりましたらこちらでお楽しみください。

でも、TechLIONは1人で見るよりみんなで見る方が楽しいです。そこで、大阪ではみんなで見るためのパブリックビューイングを用意してくださいました。運営してくださるはやつ~さんありがとうございます!会場は十三にあるJUSO Coworkingです。関西の皆さんはぜひこちらにお集まりください!

というわけで、TechLION当日の過ごし方をお伝えしました。
試合開始は19:30。辣腕CTOのお2人と、MC 2名のトークでお楽しみください。
当日券もありますので、これを見て行きたくなった人も大歓迎!
ご来場お待ちしています!

TechLION vol.29、2/22開催!エンジニアの生存戦略とは?

TechLIONプロデューサーの馮です。こんにちは。

僕たちTechLIONは、この3月で丸6年を迎えることになりました。今回、渋谷へ移転・リニューアルオープンした「東京カルチャーカルチャー」へ会場を移し、7年目へ突入します。

渋谷に移転した東京カルチャーカルチャー。次はここ!
(写真は内覧会時撮影のもの)

少し遡って振り返ってみると、1990年代からのインターネット黎明期、2000年前半のSNSブーム、そして、2007年のiPhone登場、さらには最近のIoTやAIなどの技術浸透などから、インターネット/Webが扱う分野は非常に幅広くなり、また、それらを技術的に支えるITエンジニアの存在がますます重要になってきています。

そこで、TechLION vol.29、新会場、最初のゲストには、株式会社一休CTOの伊藤直也氏と株式会社メルカリ執行役員CTO柄沢聡太郎氏の両名をお迎えし、これまでさまざまな企業での開発、最近はエンジニアを取りまとめるマネジメント経験を豊富に持つ両氏をゲストに、今の時代のエンジニアの生存戦略について伺います。前半はエンジニアとしての立場で、後半はマネージャから観たエンジニアについてトークを繰り広げる予定です。

今回も、前回に引き続き完全トークセッションのみで、TechLIONの醍醐味を体験できます。2月22日夜、奮ってご参加ください!

TechLION vol.29

もっと浮かれてみよう!IT/ネットの未来をすばらしいものにするために~TechLION vol.28報告

TechLIONプロデューサーの馮です。こんにちは。

早いもので2016年もあと2週間あまり。皆さんにとってどんな一年でしたか?

さて、TechLIONの2016年ラストバトルTechLION vol.28、去る12月7日に行われました。今回の開催にあたっては先日のブログでも書いたように、僕自身かなり思い入れのあるテーマ設定、そして、実際に、パネリスト3名、MCの法林GMとともに楽しい話で盛り上がることができました。

それでは当日の模様をお届けします。

2016年最後のTechLIONは「トーク」のみで勝負!
(撮影:小山哲志氏)

三者三様のバックグラウンド、テクノロジー・ビジネス・コミュニティ

今回、白石さん(テクノロジー)、小笠原さん(ビジネス)、田中さん(コミュニティ)というセグメントでお声がけさせていただきました(3名ともすべてのセグメントに精通しているのはもちろんのこと)。

まず最初にテクノロジーに関して、「テクノロジーの変化とユーザ体験」という切り口で白石さんに投げかけたところ、「そもそも今のHTML5でやっていることは、実はFlashでも実現できていたことです。つまり、テクノロジーが進化するというのはユーザが気が付かないうちに浸透することの結果でもあります」と、新しいテクノロジーかつ有用なテクノロジーというものは常にユーザが無意識に使っているという示唆に富んだコメントをいただきました。

また、最近はテクノロジーをコアに人が集まるケースが増え、その1つが勉強会であり、コワーキングスペースを運営する田中さんは「勉強会の目的はあくまで集まった人が勉強することで、運営者の負荷を高めることではありません。とくにテクノロジー系のイベントの場合、運営側に負荷がかかる場合があるのですが、私が運営するCo-Edoでは、主催者にお金の管理させず(負荷をかけず)、ユーザに負荷分散してもらう(参加費を払う)ことで、勉強会の本質を担保しています」と、昨今の勉強会ブームに対し、田中さんが考える「(本来の)勉強会」についておしえていただきました。

この点については、ハードウェアコワーキングスペースDMM.make Akibaを立ち上げ、運営する小笠原さんも同意していました。さらに小笠原さんは「DMM.make Akibaにあるさまざまな機材・工具はちょっとしたメーカのものよりもはるかにレベルの高いものを揃えています。その理由は、モノづくりをする環境を整えるときに、なるべく良いツールを使ったほうがアウトプット(モノ)にもつながるからです。また、秋葉原を選んだ理由は、これまでアキバ(秋葉原)と言えば工作好きの聖地。にもかかわらず、そういったコアな人間が集まれる場所がなかったからここ(アキバ)を選びました」とコメントしました。つまり、コワーキングを始め、コミュニティはその人たちが集まるための理由とともに、集まる場所にも大きな意味があるというわけです。このあたりは今後の技術系コミュニティにとって大変参考になる内容ではないかと思います。

もう1点、コミュニティあるいはイベントと言った観点で、日本の場合、無料での参加ができるものが多いのではという問いに対し「これはコミュニティやイベントだけにかかわらず、何か結果を求めるにはお金を使わないと回せないはず。とくに継続性を担保したいのであれば、強い思いとともにお金を回す意識も必要です。事業と同じですね」と、VCの立場でさまざまなスタートアップを観てきた小笠原さんならではのメッセージをいただきました。

もう1つ、そういったコミュニティやイベントを認知させる点に話が変わると、TECHFEEDを運営する白石さんが「とにかくタイトル重要・名前重要」と、イベントやコミュニティに加え、メディア運営者ならではのコメントが上がりました。結局、中身まで理解するには、まずタイトル(見た目)が大事ということです。

この点は「たとえば、今ならDeep Learningや人工知能のようにバズワードを入れるとイベント参加者の数が上がる」(田中さん)と同様の意見が上がりました。

一方で、「マイナーだったり、すぐに理解しづらいタイトルや名前は、認知された場合の価値はすごい高い」(小笠原さん)と、何かわからないものが定着したときのブランドとしての強さにも言及しました。僕たちのTechLIONも「よくわからないけど強そうだし(笑)。何より多くのエンジニアにここまでリーチできているがすごいですね」と、ご評価いただきました。

キーワードで読み解くIT/ネットの次に来るもの

第一部だけでもそのまま続きそうな中、第二部ではイベントのコンセプトにもなったケヴィン・ケリー著『〈インターネット〉の次に来るもの 未来を決める12の法則』の12のキーワードをもとにトークを展開しました。

シェアエコノミー、その先にある価値は?

その中からまず僕が最初に取り上げたのが「SHARING(シェア・共有する)」というキーワード。その理由は昨今のシェアエコノミーブームと実際、また、自分自身が関わる電子出版とも紐付けながら、皆さんの意見が聞きたかったからです。

まず、白石さんが開口一番「シェアは減らない。発信する側にとっては相対的価値が上がるのみ」と、昨今のシェアエコノミーに対し懸念される損得に対し、情報のシェアが持つ意味とそこから生まれる価値、インプットとアウトプットを例に説明しました。つまり、シェアとはみんなに何かを共有することであり、価値の提供をすること。逆の見方をすれば価値を提供できる価値を持っているという強みになり、それが結果として、相対的に価値を上げていくことにつながるというわけです。

また、田中さんから「セミナーと勉強会を例に言うと、セミナーはStudying/Learning/Teaching、勉強会はSharingと区別して考えています。つまり、座学なのかハンズオン(あるいは参加型)なのかとうことです。そして、いずれも回し続けた結果がコミュニティになります」と、まず、コワーキング運営の立場から見た、セミナーと勉強会について話されました。その上で「回し続けるという観点では、セミナーのような一方向だと限界に陥りやすいです。やはり、勉強会のように、(主催者・参加者という区別ではなく)全員が当事者で共有するという気持ちが生まれる場が、結果として継続しやすいように思います」と述べました。

小笠原さんはビジネスの観点からシェアについてお話されました。まず、最近ようやく導入が始まってきたスマートロックについて。これは、鍵をシェアするプロダクトであるわけですが、「スマートロックの価値は単に鍵を持ち運ぶ手間が減ることだけではありません。これもまた1つのシェアエコノミーなんです。スマートロックのID/Passを、場所や時間でシェアすることでさまざまな価値を作れます。たとえば、物流と合わせて使うことで再配達という無駄を減らせます。他にも民泊でも使えますね。つまり、シェアをすることで無駄を減らし合理化され、結果として、新たなビジネスが生まれ育つわけです。シェア・シェアエコノミーの本来の価値はそこに持っていくべきですね」と、ただシェア(共有)することで直接的な利益を得るだけではなく、その次につなげていける点こそが、シェアが持つ本当の価値ではないかと提示しました。一方で「とは言え、まだまだ物質的な価値だったり所有欲というのはなくなりません。おそらく東京と他の地域の差は皆さんが考えている以上のものでしょう」(小笠原さん)と、人の価値観は1つではないという点にも触れました。

ここでMCから「今までのシェアに対しては性善説が前提で成立するものがほとんどです。たとえば、それを悪意のある形で利用した場合、昨今のキュレーションメディアのような問題も出てくるのでは?」と質問を投げかけると「インターネットの成り立ち自体が性善説であり、ことネットの体験はまず性善説で考えたほうが良い」と、スタートに関しての性善説の重要性を小笠原さんは述べました。同じく白石さんも、「ネットサービスはもちろん、コミュニティも性善説ではじめないと成り立たないですね。ルールばかり作っていくと閉塞感しか残らない。改めて自生的秩序について考える時期なのかもしれません」と、ハイエクの言葉を引用しながら、同様に性善説の重要性に触れました。

新しい環境下におけるルールとは?

「ルールといえば、私は新しいことを始める際、まず、作ったものからルールを2つ削ることからはじめます」と、小笠原さんから非常にユニークなコメントもいただきました。
「コミュニティに関してはノイジーマイノリティが強くなりがち。(ルールに対して原理主義だったり)ネガティブなコメントをする人のほうが声が大きくなります。そこをどうつくっていくかもコミュニティにとって大切なポイントでしょう」と、コワーキングスペースから観たコミュニティへの印象と押さえどころを田中さんが教えてくれました。

さらに「何かをする場合、ポジティブアプローチとギャップアプローチを考えると、良いものを良くするポジティブアプローチは、価値が高く良いものが生まれやすいが、時間がかかります。一方、ギャップアプローチは悪いものを良くするので、課題解決に近づきやすいです。なので、ギャップアプローチが増えますが、自分の中で何がいいかとか、正解はわからないわけですから、ポジティブアプローチ(こうありたい)をつねに持っていることは、私は大切だと思います」と、多くの事業立ち上げ・投資の観点から成功につなげるヒントを小笠原さんがコメントされました。

「今の話の期待値という点で、ネットコミュニケーションの鍵もまさに期待値コントロールですね。コミュニティを円滑にする際、参加者の期待値をきちんとコントロールできるかどうかも、運営する立場には求められるように思います」と、HTML5Jなど、多くの参加者を抱えるコミュニティ経験から、白石さんも期待値の大切さを紹介しました。

2030年に向けて、2017年という1年は?

あっという間に時間が過ぎ、最後の第三部へと移ります。ここは会場からの質問を受け、パネリストに回答してもらうスタイルで進行しました。今回はその中から「みなさまの来てほしい遠い未来(2030年くらいとしましょうか)と、そこに向けての来年一年はどうなるか」という質問とその回答を紹介します。

これについて、僕は「未来を考えるとき、そのタイミングと同じ時間の過去を振り返る」アプローチを取ることがあります。たとえば、2030年であれば今から14年後、つまり、14年前の2002年と今を比較するわけです。そうすると、FacebookやTwitterなどのソーシャルネットはもちろん、(今のような)スマートフォンがまったくない世界、一方で、携帯電話(ガラケー)全盛の時代だったのが、2016年こうなっているのです。

この事実に基づく経験比較を投げかけたところ、「たとえば10年前にコワーキングをこのように運営するなんてまったく考えていなかった」(田中さん)というコメントや、「はやく世界に対して日本がプラットフォーム植民地から脱却したい」(小笠原さん)など、まったく想像できない世界、一方で、現状での問題点からの脱却など、未来に対しては非常に振り幅のある回答が出てきました。

その中で近い将来という点で、「AIなどの普及から、来年あたりはテクノロジーに対して倫理の壁をどうするかを本格的に議論する年になるのでは」(小笠原さん)や「人の倫理とテクノロジーのざらつきをどう扱うか」(白石さん)など、単に便利なだけではなく、人が使うテクノロジーを、きちんと人間が考えていく、その始まりとなる年になると予想しました。

そして最後に小笠原さんから「2030年はちょっと先ですが、その10年前の2020年、日本は東京オリンピックという非常に重要で、大事な出来事を抱えています。さまざまな問題はありますが、ここは視点を変えて、うまく利用してとにかく“浮かれる”、その気持ちを持って、モノづくり、サービスづくり、仕事など、未来につなげていくのが良いと考えます」と、未来に向けて、“浮かれる”ことの大切さを持って、フリートークを締めくくってもらいました。

2017年のTechLION、新たなるフィールドへ

今回、イベント終了後に改めてこの回を設定して良かったと感じました。とくに最後の「浮かれる」というキーワード、これは、ネット/ITの世界で上手に使うことが大事になっていくように思います。TechLIONも良い意味で浮かれていきます。

ということで。次回、2017年のTechLION vol.29は2月22日、ゲストに現在は株式会社一休CTOを務める伊藤直也氏をお迎えして開催します。

さらに5年間ホームグラウンドとしてお世話になった六本木SuperDeluxeさんから、新たな戦場として、ちょうどvol.28の開催日である12月7日から新規オープンした渋谷の東京カルチャーカルチャーさんにて開催。

渋谷に移転した東京カルチャーカルチャー。次はここ!
(写真は内覧会時撮影のもの)

どんなTechLIONになるのか?どのぐらい浮かれるのか?皆さま、お楽しみに。

開催概要

 

最後に。少し早いですが、今年も多くの方々に大変お世話になりました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。

良いお年を。

いよいよ来週!TechLION vol.28、企画背景と見どころに迫る~IT/ネットの未来はどうなる?!

TechLIONプロデューサーの馮です。こんにちは。

2016年も今日で11月が終わり。あと1ヵ月となりました。そして、TechLIONもいよいよ2016年最後のステージが1週間後に迫りました。

ということで。

今回は開催直前、TechLION vol.28(2016年12月7日)の企画背景と当日の見どころをご説明します。

そもそもこのテーマにしたのは?

vol.28のテーマ「IT/ネットの次に来るもの」を聞いて、おや?と思った方もいらっしゃるかもしれません。そうです、このテーマは,ケヴィン・ケリー著『〈インターネット〉の次に来るもの 未来を決める12の法則』からインスパイアされています。

13775349_10153637058325966_1268020168686968809_n

そもそもは今年の7月23日に同書籍の刊行記念イベントに参加し、自分自身、予想以上にその内容に興奮したのがきっかけでした。

そして、書籍を購入しFacebookでシェアしたところ、僕が参加しているもう1つのコミュニティWebSig24/7(代表はTechLION vol.25にご登壇いただいた和田さんです)の現・元モデレーターたちの反応がとても良く(詳しくはこの投稿のコメント欄を参照)、そこから派生して、WebSig24/7内で読書会を2回開催するに至り、さらにその延長として翻訳者の服部桂氏を招いてのイベント開催にまで至ったという経緯があります。

12/3開催 WebSig会議Vol35
インターネットの次に来る「不可避」な12のキーワードを読み解く&忘年会
http://websig247.jp/meeting/35/000927.html

IT/ネットの未来をビジネス・テクノロジー・コミュニティの視点から切り込む

この流れを受け、WebSig24/7的な観点はもちろん、TechLIONの観点でこのテーマを扱ったら面白いのでは、TechLIONで語るなら、テクノロジーはもちろん、ビジネス、コミュニティ、それぞれの視点で話せる人に集まっていただき、TechLIONの本懐である「トーク」で盛り上げられるのではないか、と、今回の開催が決まったわけです。

改めてスピーカーをご紹介すると、まず、株式会社ABBALab 代表取締役、さくらインターネット株式会社 フェロー、DMM.make エヴァンジェリストの小笠原治さん。VCの立場として新しいテクノロジーとビジネスを掛け合わせた日本の未来のスタートアップ、ビジネスについてご意見いただければと考えております。

続いて、HTML5 Experts.jp編集長でもあり、株式会社オープンウェブ・テクノロジー代表取締役として、ITエンジニア向けニュースキュレーションサービスTechFeedの開発と運用を行う白石俊平さん。日本最大のHTML5開発者コミュニティ「html5j」ファウンダーの立場から、Web/ネットの最先端のテクノロジーについて取り上げていただき、未来への展望を教えてもらいたいと思います。

最後にコミュニティの立場からは、コワーキングスペース茅場町 Co-Edo 運営責任者 / 株式会社ダイレクトサーチジャパン 代表取締役の田中弘治さん。IT系開発者が多数集まるスペースとして多くの勉強会やイベントが行われているコワーキングスペースをこれまで約4年間運営してきた目線で、IT/ネットのテクノロジー・ビジネスにおいてコミュニティの存在はどれほど大切なのか、実体験からコメントいただく予定です。

当日は大きく三部構成を予定しています。


<第一部>:『パネリストのバックグラウンドから見たIT/ネットの未来』
<第二部>:『キーワードから見るIT/ネットの未来』
<第三部>:『2017年の未来。これから』

年末というと気持ち的に1年の振り返りをしたくなるところではあります。実際、過去のTechLIONでもそういった回を多数開催してきました。でも、今回はせっかくなので振り返りより未来を、というわけです。しかも、未来なので、どうなるかは自分たち次第。好き勝手に放談できる(かもしれない)。まさに、トークイベントならではの面白味が伝えられる、と僕自身思っています。

以上、今回は僕の想いもかなり強く反映させていただいた回です。そして、2016年11月30日現在での参加者リストを見ると、過去のTechLIONスピーカーたちの顔ぶれもチラホラ。せっかくなのでMCの立場を利用して(笑)、みんなを巻き込んで、IT/ネットの未来について放談できる場にしちゃおうかな、なんて企んだりしています。

今年最後となるTechLION vol.28は来週12月7日、場所は六本木SuperDeluxeです。師走のこの時期、1年の振り返りはもちろん、一緒にIT/ネットの未来を考えてみませんか?

参加申し込み方法

  • 料金パターン1(事前予約・事前支払) 2,700円(1ドリンク700円分込)
  • 料金パターン2(事前予約・会場支払) 2,700円(1ドリンク700円分込)
    (当日受付にて現金をお支払いください)
  • 料金パターン3(予約なし・会場支払) 3,200円(1ドリンク700円分込)
    (事前予約で満員となった場合、ご入場できなくなる可能性があります。あらかじめご了承ください)
  • 事前予約フォーム
    TechLION vol.28

 

みちのくTechLION、東北初開催となる宮城・仙台でアツいトークが繰り広げられた!

TechLIONプロデューサーの馮です。こんにちは。

早いもので2016年もあと3ヵ月ほど。秋風も漂い始めたこの季節、僕たちTechLIONは初めて東北の地へ足を踏み入れました。場所は東北最大の都市、別名「杜の都」と呼ばれる宮城県仙台市。東北や仙台と言って思い浮かべることはいろいろある中、日本に住んでいる人にとって忘れることが出来事の1つは2011年3月11日に起きた東日本大震災。今回の開催地仙台も大きな被害を受けました。

そして。TechLIONの旗揚げも同じく2011年3月。あれから5年が経ち、どうなっているのか。実は僕個人としてはそのあたりについても知りたく、今回の候補地として仙台を挙げさせていただき、開催に至りました。

前置きが長くなりましたが、初めての東北の地、とは言え、実は東京から新幹線で1時間半ほどで着くというとても立地の良い場所の仙台で、仙台に縁のある4名をゲストにお迎えして、TechLION vol.27として法林GMと2人でアツいトークバトルを繰り広げたので、その模様をお届けします。

会場となったのは、仙台駅から徒歩10分ほどにあるLive Dome「スターダスト」さん。めっちゃカッコイイスペースでした。

stardust

なお、本記事で使用している写真はすべて、TechLION vol.17でスピーカーとしてご出演いただき、また、毎回参加してくださっている小山哲志さん撮影によるものです。この場を借りて御礼申し上げます。

 

仙台のWeb業界事情 / 佐藤 裕

トップバッターを務めるのは、仙台でWeb制作受託を中心に業務を行う、株式会社メキメキ代表取締役 / クリエイティブ・ディレクターの佐藤裕さん。ご自身が15年続けてきた「Webの仕事」を通じて見えたこと・感じたことから、仙台のWeb業界事情や課題についてお話いただきました。

佐藤さんご自身、Webの仕事を始めてすぐに持った葛藤、それは(同業者との)つながりが皆無であるということ。そして、表に出てみよう!とCSS Niteに参加したことが、今の自分を作ったきっかけになったと言います。sato

最初は参加者だった佐藤さんが、CSS Nite in SENDAIの主催者側に周り、積極的にイベントを開催し、交流の場を広げていったそう。それもご自身が感じていた葛藤や課題を解決するために取った行動の1つなのです。

また、メキメキを立ち上げたターニングポイントの1つとして3.11を挙げました。とくに1人でできることの限界を感じ、複数人で行うことの可能性を求め、2012年に3人で立ち上げ、2016年となった今年には新人も採用したとのこと。この点について、「新人を採用することは1つのチャレンジですが、これもまた自分の葛藤だったことを解決することの1つでもあります」と、その想いを述べました。

こうしてご自身の経歴を振り返り、最後に、仙台だけでの人的交流には限界があること、またそもそもとしての人材不足を痛感しているのが現状で、とくに「仙台で限って言えば“スター不足”が大きな問題である」と、問題提起をし、仙台に今いる若手や新しい人材のさらなる活躍に期待し、トークを締め括りました。

 

しあわせに、くらしたい。―地方都市における技術者文化に関する一考察および提案 / 澤田 周

続いて登場したのは、一般社団法人LOCAL代表理事を務め、この4月に設立した株式会社インフィニットループ仙台支社の代表でもある澤田周さん。

冒頭から「やばい、自分が話すことの8割同じことを佐藤さんに話されてしまった(苦笑)
」と、トーク内容が被るというハプニングからスタートしました。

同じとは表現していたものの、元々札幌で活動していた澤田さんが仙台に来た背景、また、北海道という日本の中でもサイズ的にも立地的にも特殊な場所でコミュニティを立ち上げ運営してきた経験を元に、「地方で“幸せに”暮らすには」というテーマでお話いただきました。sawada

澤田さんご自身が北海道、そして現在は仙台で暮らす中、共通して感じる「地方都市」のメリットとして「食べ物がおいしい」「家が広い」「遊ぶところがたくさんある」「家族両親がいる」「東京より幸せに暮らせる(という価値観もある)」を挙げ、一方で、「支店経済」であることや「面白味のある仕事が地場から発生しづらい」「IT系イベントが少ない」などのデメリットについても取り上げました。

その上で、なぜLOCALという社団法人を立ち上げたのか、そこについては同団体の合意点である「地元が大好き」「地元で技術者が幸せに暮らせる環境を作りたい」「面白いことをやりたい」「学生さんにもできれば残ってもらいたい」という理念を紹介しながら説明してくださいました。

MCの立場で聞いている中で、僕が感じたのは、結局楽しいの定義は自分自身の中にあるということ。その上で、“より”楽しむために周りがサポートする、LOCALは北海道という土地の団体でそれを実現するための団体として“必然的に”生まれた団体のように思いました。押し付けではなく、選択肢を増やすこと。澤田さんが目指しているコミュニティ像はそのあたりにあるんじゃないかと想像します。

トークの最後には、冒頭でも引用されていた澤田さんの大学時代の恩師の言葉「澤田よぉ。楽しいってのはよぉ、楽ってことじゃねえんだよ」を改めて引用することで、楽しさが持つさまざまな意味、そして、それを掴むためには当事者意識が大事であることを伝えてくれたように感じました。

 

仙台から世界に発信 -グレープシティを探る- / 福地 雅之

第二部は、仙台から世界を舞台に活躍する大手ITソフトウェアベンダ、グレープシティ株式会社にて第2ツール開発事業部に所属し、現在は同社のモバイルアプリ用コンポーネントツール「Xuni」のプロダクトマネージャとして活躍するエンジニアです。

最初のお2人とは異なり、企業に属するいわゆる“サラリーマン”の立場として長年経験してきたこと、そして、前職を含めずっと東北・仙台で働いてきた立場からの話が進みました。fukuchi

まず、グレープシティという会社について。元々は文化オリエントという名前で、Microsoft関連のツールを扱い、その後、Javaなどのオープン技術、そして現在は、クライアントコンピュータ以外のスマートデバイスやクラウド環境まで、非常に多種多様なプラットフォームに対応した製品を扱っています。この変化については福地さん自身、よく質問されるとのこと。

それについては「たしかに扱う製品の幅は広がったかもしれませんが、軸は同じです」と、福地さんは力強くコメントしました。というのも、グレープシティで扱っているのはすべてエンジニアの「開発支援ツール」だからです。つまり、企業としての軸は変わらず、周辺環境が変化していることが現状(の製品体系)になっているというわけです。

そして、福地さん自身、もう何度も耳にしている「なぜ?仙台に本社があるのですか?」という質問について。これについは冒頭では、地方特有のメリットを紹介しながら、最後に福地さんが関わっている「Xuni」の開発体制をもとに説明しました。

Xuniは現在、日本を中心に、アメリカ、中国、ロシア、インド、ミャンマー、ウルグアイの計7ヵ国で開発が進んでいるとのこと。ここまで多様な国・地域での開発を行うと、さまざまな問題があるそうで、たとえば、時差だったり、国ごとの生活風習や政治・宗教的背景だったり。

とは言え、コミュニケーションについては「英語」を軸とし、あとはプロダクト自体がコミュニケーションツールにもなるそうで、福地さんいわく「結局、自分たちができるのはベストなものを提供すること。だから会社がどこにあるかはあまり関係なく、与えられた環境の中で活動するだけで、それこそ、なぜ本社が仙台にあるのか?というのも無駄な質問なんです」と、ある意味悟りの境地のような、それでいて含蓄のあるメッセージでプレゼンテーションを締め括りました。

 

未経験ビジネスに踏み込んでいくレバレッジの利かせ方 / 小泉 勝志郎

個別プレゼンのトリを務めたのは、株式会社テセラクト代表取締役の小泉 勝志郎さん。さまざまな事業や企画に取り組む小泉さんは「仕事何してるんですか?」より「仕事してるんですか?」と聞かれるぐらい多様なスキルをお持ちです。ご自身は「永遠の18歳」として、業務であるかないかにかかわらず、ITを軸にさまざまなことに取り組むことをポリシーとされています。

そんな小泉さんがテーマに上げたのは「レバレッジの利かせ方」。

いきなり小泉さんが関わっている萌えキャラ「渚の養成 ぎばさちゃん」の紹介からスタート。ちなみに現在萌えキャラグランプリ2016にエントリ中とのことで、まず参加者への投票のお願いからプレゼンがスタートしました。koizumi

続いて、1人目の佐藤さんの話にも通ずる横のつながりの話題として、小泉さんが中心の1人となって動いている東北デベロッパーズコミュニティの紹介があり、そこで法林さんと出会ったことも話されました。ちなみに僕は2012年に開催した察知人間コンテストというARアプリ開発イベントが小泉さんとの出会いの場でした。

このように、ITやプログラミングに関わるイベントが人と人との出会いのきっかけとなったほか、3.11で被災した宮城県松島湾にある浦戸諸島の再生プロジェクト「うらと海の子再生プロジェクト」で、日本でのクラウドファンディングの概念が一般化する前から、ネットを使った支援プラットフォームを開発するなど、ITが持つチカラをつながりに変え、そこから東北ファンの獲得、復興を目的とした集まりを大きくできたとのこと。

さらに最初に紹介したぎばさちゃんもこの復興というアプローチから生まれたもの。というのも、ぎばさというのは海藻である「アカモク」の別称。アカモクも震災の影響で減少したものを、コスプレや萌えキャラを使うことで宣伝し、支援につなげているそうです。
こうして、IT→コミュニティ→復興→地域というように、ITからスタートしてさまざまな領域へ展開が広がっているのです。その他にも、GIFアニメ作成アプリFlip Animeがきっかけで漫画家デビューをしたり、最近では大学で教鞭を取るなど、一エンジニアの枠では収まらない活動をされるようになりました。

これこそが今回小泉さんが発表のテーマにもした「未経験ビジネスに踏み込んでいくレバレッジの利かせ方」の実践です。

最後に小泉さんは、(おもにプロレスファンの法林さん向けw)の締め括りとして「総合格闘技ではなく異種格闘技を目指しましょう」と会場とネット越しの聴講者へアドバイスを伝え、プレゼンの幕を閉じました。

(資料は準備でき次第公開いたします)

 

フリートーク:地方都市とITとコミュニティ

フリートークの中心は、4名のトークでさまざまな角度から取り上げられた「地方都市」と「コミュニティ」、そして、それをつなぐITについて。

今回改めて感じたのは、ITが持つの可能性は無限に大きい一方で、たとえば佐藤さんが言っていた「横のつながりのさらなる拡張」であったり、また、Twitterからの質問に上がった「ITコミュニティ(勉強会)の知名度の低さ」といった問題点はまだまだ顕在化しているということ。

27

さまざまな見解があるとは思いますが、こうした問題解決には各自が取り組む以外に解決策はなく、こうしたイベントをはじめ、1つのきっかけをどのように広げられるかが大事ということもわかりました。ですから、福地さんがおっしゃったように「どこが大事かではなく、(エンジニアとして)大事なのはベストなものを提供すること」だったり、小泉さんが実践しているように、ITを含め自分が得たスキルを未知の領域で適用させていく意識と行動というのは、地方に限らず、日本・世界で働く上で非常に重要だと感じます。

また、澤田さんがLOCALの理念にもしている、新しいことをやりたい人を応援する環境というのは、IT/ネットコミュニティの特長の1つでもあります。ぜひその状況を、周囲はもちろん、次の世代にもつなげていくことが、さらなる業界の活性化につながるのではないでしょうか。

今回、東北初となる仙台で開催し、地方という観点を皮切りに、今、IT/ネット業界で浮き彫りになってきた課題の解決策が見えたように思いました。改まして、4名のスピーカー、そして、参加してくださった皆さまありがとうございました。

今回のまとめ→TechLION vol.27 #techlion

all

 

次回TechLION vol.28は12月7日!

最後に。次回TechLION vol.28の開催は2016年12月7日、ホームグラウンドの六本木SuperDeluxeです。さくらインターネット株式会社 フェロー、株式会社ABBALab 代表取締役の小笠原治さん、TechFeed、株式会社オープンウェブ・テクノロジーCEO、HTML5 Experts.jp編集長の白石俊平さんほかのゲストとともに「IT/ネットの次に来るもの ~テクノロジー・コミュニティ・ビジネスの視点から」をテーマにお届けします。お楽しみに!

 

TechLION vol.26演題確定!話は聞けるうちに聞いておこう!

vol26_flyer1

ゼネラルマネージャーの法林です。

TechLIONは3か月おきぐらいのペースでやっているのですが、前の回が終わったばかりの頃だと次まで3か月もあるから余裕だなーとか思ってると、あっという間に次の試合がやってきます。今回もご多分にもれず、早くも本番まで2週間を切りました。ここに来てようやく、TechLION vol.26に出演される方々の演題と概要がそろいましたのでお知らせします。

  • 「jcode.plの作者があの時の“日本の”インターネット技術を振り返る」歌代 和正
  • 「NetBSD, on the Road」蛯原 純
  • 「いる? いらない?──tech系メディアの未来を考える」風穴 江

今回のTechLIONは「テクノロジー温故知新」というテーマでお送りするだけあって出演者の平均年齢が史上最高なのですが(笑)、それぞれが長く携わって来られたプロジェクトや専門分野について振り返っていただくとともに、我々もそこから何かを学べないかという思いで試合を組んでみました。いつものように、飲みながら楽しんでいただければと。チケットはこちらで発売中です。

参加申し込み方法

  • 料金パターン1(事前予約・事前支払) 2,700円(1ドリンク700円分込)
  • 料金パターン2(事前予約・会場支払) 2,700円(1ドリンク700円分込)
    (当日受付にて現金をお支払いください)
  • 料金パターン3(予約なし・会場支払) 3,200円(1ドリンク700円分込)
    (事前予約で満員となった場合、ご入場できなくなる可能性があります。あらかじめご了承ください)
  • 事前予約フォーム
    TechLION vol.26

 

ところで、昨日は山口英先生(すぐるさん)のお別れ会でした。
TechLIONでは過去に村井純先生や砂原秀樹先生など、日本のインターネットを作って来られた方々をゲストにお迎えしましたが、すぐるさんもまた、インターネットやセキュリティの分野で多大な業績を残された方でした。私にとっては大学の学科の先輩ということもあり、いつかはTechLIONで対戦したかったのですが、残念ながらお声がけするタイミングを逃し、その願いは叶いませんでした。

山口英先生お別れの会にて追悼の挨拶をする歌代さん。英さんはJPCERT/CC設立の中心人物であり、歌代さんは現在の代表理事です。
山口英先生お別れの会にて追悼の挨拶をする歌代さん。英さんはJPCERT/CC設立の中心人物であり、歌代さんは現在の代表理事です。

そう、そのうち対戦できるとか思ってたらイカンのです!
話は聞けるうちに聞いとかないと!
今回のTechLIONは、(いつもそうですが)その辺の勉強会では聞けない話が、そしてここを逃したら二度と聞けないかもしれない話が、いっぱい出てくるはずです。楽しみにしていてください。ご来場お待ちしています!