TechLION vol.39、ありがとうございました!~TechLIONの次のバージョンに向けて【終了報告】

TechLIONプロデューサーの馮です。こんにちは。

約3年ぶり、日数にして995日ぶりとなったTechLION vol.39が6月5日に無事終了しました。

ご参加・ご視聴いただいた皆さま、ご出演いただいた皆さま、スポンサー各社さま、会場ご提供のさくらインターネットさま、スタッフの皆さま、ありがとうございました。

今回のテーマは「Web 2.0からの20年」。開催準備と決定については法林さんのエントリをご覧いただくとして、今回はテーマ決定の背景と、実際のイベントの様子についてお届けします。

今年は国産SNS mixiが生まれて20年、そして、Web 2.0から20年

前回の法林さんのエントリでも書かれたように、法林さんと3月にTechLION再始動に向けたMTGをした際、今回のテーマが決まりました。

というのも、僕自身、そのときちょうどmixi20周年ユーザー同窓会に参加した直後で、このタイミングは何か立ち止まって、振り返りながらこれからについて考えるにはちょうど良い時期ではないかと考えたからです。そんなことを法林さんと一緒に、吉祥寺にあるP2B Hausで美味しいクラフトビールと八王子野菜の料理をつまみながら語って、ついに再始動が決まりました。

※このお店、TechLION vol.29のゲストでもある柄沢 聡太郎さん(@sotarokさん)のお店です。いつかここでもTechLIONを開催してみたいですね。

ちなみに、今から20年前の2004年。それは、日本のソーシャル・ネットワーキングの礎を築いたSNS mixiが誕生した年でもありました。また、すでに盛り上がりを見せていたブログ界隈で、今も多くのユーザーを抱えるアメブロが誕生した年でもあります。世界に目を向けてみると、Gmailがリリースされたのもこの年でした。

これらの動きは、それまではメディア(情報)としてのWebという考え方から、プラットフォームとしてのWebとしての考え方、使い方、そして、可能性が広がったターニングポイントだった年ではないかと思います。また、その先の未来を示唆していたTim O’Reilly氏の論文『What Is Web 2.0』が出たのは、その翌年2005年でした。

こんな背景もあって、今回の1人目のゲストにはmixi関係者をお呼びしたいと思い、もう20年来の付き合いのある村瀨さんにお声がけしました。そして、もう1名、いろいろと検討する中で、こちらも古い付き合いがあり、Web 2.0の最前線をエンジニアの立場で経験し、今もさまざまな取り組みに挑戦しているえふしんこと藤川真一さんをお呼びしました。
ちなみに、えふしんさんは過去2回(2013、2016年)に続き、今回で8年ぶり3回目のTechLIONです。

写真提供:三谷公美さん(以下の写真すべて)

では早速、それぞれのセッションの様子と、最後のトークセッションについてレポートします。

冒頭でWeb 2.0の復習を

冒頭、簡単にWeb 2.0の復習をしました。まずは先ほども紹介したTim O’Reilly氏の論文『What Is Web 2.0』を読み直すところからスタート。これを読むと考えがいろいろとまた深まりますね。

そして、それとともにこの20年、とくにWebを取り巻く状況でどんなことがあったかを簡単な表にして紹介し、本編に入りました。

コミュニケーションを大切にし続けているmixiの20年:村瀨さん

トップバッターは、株式会社MIXI 取締役 上級執行役員の村瀬龍馬さん。

今回のTechLION開催の2日前、2024年6月3日にSNS mixiの母体でもある、株式会社MIXIは設立25周年を迎えました。まずはこのお話から。

https://mixi.co.jp/25th-anniversary

当時の社名は有限会社イー・マーキュリー。求人サイト「Find Job!」を主事業として展開していました。そして、2004年に、今回のテーマの1つでもあるSNS mixiが誕生したのです。

村瀨さん自身は1999年に株式会社MIXIに入社、その後、1回の転職を経て25年のうちの17~18年所属していたとのこと。プログラマとして参加し、技術領域からmixiを含め、MIXIのさまざまなプロダクト・サービスを見続け、今に至ります。

今回のセッションでは、mixiの核となる「コミュニケーション」と、それを支える技術・技術者の関係、さらに、SNS mixi後の柱となった、スマホゲーム『モンスターストライク(モンスト)』や写真共有サービス『家族アルバム みてね』、さらには、現在のMIXIの中心領域であるエンタテイメントに関して、デジタル以外の、スポーツやライフスタイル領域の取り組み、さらに今かなり注力しているという、AIを活用した展開などについてお話しいただきました。

村瀨さんはmixiの歴史を振り返る際、技術の変化・進化だけではなく、社会情勢の変化がもたらしたコミュニケーションの形の変化と進化にも触れました。

たとえば、東日本大震災やコロナ禍、技術進化による生活スタイルの変化など、こういったコミュニケーションの変化に対して、つねに向き合うことがmixiの存在意義であり、それができたから今も続いているサービスだと、僕は考えます。

他にも村瀬さんのプレゼンで印象的だったのが、同社のプロダクト・サービスすべてに通ずる考え方として「ユーザーサプライズファースト」が根底にあるとコメントされていたのが、とても印象的でした。

わずか10分ではありましたが、SNS mixiが与えた、インターネットコミュニケーションへの影響、その後の在り方と未来についていろいろと考えることができたプレゼンテーションでした。

Web 2.0から20年経ったが、当時の課題はまだすべて解決されていない:えふしんさん

2番手は、BASE株式会社上級執行役員SVP of Development・PAY株式会社取締役の藤川真一さん。えふしんさんと表現したほうが伝わるかもしれませんね笑

えふしんさんのパートでは、ご自身のキャリアとともにWebとの付き合い方・向き合い方、その中でのWeb 2.0で受けた影響、考え方、さらには生き方の変化についてお話しいただきました。

えふしんさんはもともと大学新卒で製造業の制御設計のエンジニアとして社会人キャリアをスタート。その後、2000年にWeb業界へ転職、2006年にPaperboy&co.(現GMOペパボ)にてEC事業に従事した後、日本の最初のTwitterブームのタイミングで、2007年に個人向けTwitterクライアント「モバツイ」を開発、独立されました。

そして、独立した企業を譲渡し、2014年にBASE株式会社取締役CTOとしてジョインし、今に至っています。

えふしんさんのキャリアの中で、TechLIONとしてはぜひ紹介したいのが、2013年に初めてTechLIONに登壇した際、砂原先生とご一緒したのがきっかけで、慶應義塾大学大学院のメディアデザイン学博士号を取得されたこと。えふしんさん曰く「TechLIONでのあのときの砂原先生との出会いが自分のキャリアを変えるきっかけでした」とのことで、TechLIONスタッフサイドの立場としてはとても嬉しいエピソードでした。

さて、えふしんさん自身はペパボでのEC事業の経験やモバツイの開発・運用などで、まさに実体験としてのWeb 2.0時代を生き抜いたエンジニアだったのではないかと、話を伺って感じました。

Web 2.0の前段としてのブログ活用もえふしんさんにとっては大きなことだったとのことで、Webがあって、当時の発信者と検索側(Googleなど)との距離感が近かったことが、別の発信者との距離感を近づかせてくれ、それもまた新しい出会いや新しい挑戦につながったと言います。

そして、Web APIによる開発、いわゆるマッシュアップの考え方が、Web 2.0的な開発を促進したと考えている一方で、えふしんさんは発表の中で「Web 2.0の原理とされていた集合知やオープンといった部分は、その後のインターネット社会の変化でうまく言っていないことも多いのではないか?」という疑問も投げかけていたのが印象的です。

また、まだまだWebビジネスの成功事例が広告しかないというのも大きな問題とも取り上げていました。

このような課題提示で、後半のトークセッションにはいりました。

トークセッション:みんなでワイワイ、自由に放談するのがTechLIONの醍醐味。その魅力をWeb 2.0が伝えてくれる!

さて、続いてトークセッションの模様です。

今回は、いわゆるテレビ的なトークテーマの見せ方から、トークセッションを回しました。

過去、TechLIONをはじめ、いろいろなトークセッションのMCを努めさせていただく中で、テーマ自体をその場で選ぶというのが、実はライブならではの面白さでもあり、魅力が伝えられるのかな、と思ったのが背景にあります(2024年2月のYAPC::Hiroshima 2024で僕は初めてこのスタイル(見せ方)でトークセッションMCをしたのが楽しかったので踏襲しました)。

また、今回はゲストの村瀨さん、えふしんさん、そして、相方法林さんと、全員が20年来の付き合いのある方で、おそらくどんなテーマでも、盛り上がるだろうという勝手な目論見もありました(完全に余談ですみません笑)。

それでは実際のトークの模様をお届けします……と思ったのですが、今回、YouTubeで内容は公開されているので、ぜひそちらをご覧ください。開始から1時間16分ぐらいからがトークセッションです。

手抜き、と思われるかもしれませんが(実際それもあります苦笑)、こうやって、イベントの内容がしっかりと記録されていく、というのも、まさにWeb 2.0的なデータの価値でもありますし、さらにはコロナ禍を経た結果、オンラインイベントそのもの質も高まっているので、今回はWeb 2.0以降のさまざまな進化を活用させていただきます 🙂

TechLIONのバージョンはどうなるか

最後に締めくくりです。

前回から995日ぶり、リアルでは1,582日ぶりとなったTechLION vol.39、MC、そして、運営の立場として、とてもおもしろく、何より達成感のある時間となりました。

オンラインよりリアル(オフライン)が良い、ということよりも、ライブでできることの楽しさ、また、ライブだから存在する余白(雑談・出会い・想定外のことなどなど)を改めて実感できたことが大きいんじゃないかと思っています。

その意味でも、改めて、登壇者のお二人はもちろんなんですが、会場に足を運んでくださった参加者の力や、会場設営・運営を支えてくれたスタッフの方たちの力がすごく大きいなと感じました。ありがとうございました。

今回、「Web 2.0からの20年~Webのカレントバージョンを考えてみる」と題しましたが、結局のところ、Webの最新バージョンが何なのか(僕は)わかりませんでした笑

ただ、Webは楽しいですし、まだまだ未知の可能性を秘めていることだけはわかりました。

これは、冒頭でも紹介した前回のエントリにも書かれていた法林さんがTechLIONかける強い熱量にも通ずることだと思います。

ですから、またみんなでワイワイ話して、そこから生まれる熱量、TechLIONの醍醐味を満喫するためにも、ぜひまた次のTechLIONも開催できたらと思っていますし、関わっていきたいです。そして、たくさんの方とご一緒させていただきたいです。

ps良いテーマがありましたら、ぜひご提案ください(登壇希望者も募集中です!)

TechLION vol.31 with tech@サイボウズ式、大盛況のうちに閉幕!

TechLIONプロデューサーの馮です。こんにちは。

10月も中旬になり、冬の足音が聞こえ始めてきました。2017年も残り2ヵ月半となっています。

さて、先日9月26日に開催したTechLION vol.31 with tech@サイボウズ式、ご案内しているとおり過去最大となる140名のお申込み、当日もほぼキャンセルなく、満席となる状況での開催となりました。

今回の会場は、TechLIONとしては初めてとなる、サイボウズ株式会社 東京オフィスイベントスペース。イベントタイトルにもあるように、サイボウズさんのメディア『tech@サイボウズ式』との共催で実現しました。

サイボウズさんの東京オフィスイベントスペース。ジャングルをイメージした会場でTechLIONにもピッタリ!
撮影:Tetsuji Koyama(@koyhoge)

今回はいわゆる飲食店やライブハウスではない会場だったこともあり、飲食もこれまでとは異なるスタイル。今や、寿司や天ぷらと同じぐらい和食から世界食になりつつある弁当(BENTO)とドリンクとともに、参加者の皆さんをお迎えしました。

撮影:Tetsuji Koyama(@koyhoge)

「セキュリティエンジニアっておいしいの?」をテーマに、辻伸弘氏、根岸征史氏、piyokango氏の3名をお招きし、前半は2017年のセキュリティ事件簿、後半は3名のパーソナリティに踏み込みながら、セキュリティ業界&セキュリティ人材にまつわる内容でトークが繰り広げられました。

撮影:Tetsuji Koyama(@koyhoge)

インターネットが社会インフラとなった今、情報セキュリティ・インターネットセキュリティへの意識、それを遵守する体制がますます必要になっていきます。そのような中、3名がなぜ今、セキュリティ業界に関わっているのか、それぞれの経験や考え、本音を交えた、笑いあり、シリアスな内容ありで、あっという間の2時間となりました。

撮影:Tetsuji Koyama(@koyhoge)

詳しくは、YouTubeアーカイブやTogetterによるまとめをご覧ください。また、2017年11月刊行予定の『シェルスクリプトマガジン』Vol.51にて、当日の模様が掲載される予定です。

YouTubeアーカイブ


まとめ

 

 

TechLION、2017年の開催は今回が最後となります。ただいま、vol.32の開催に向けてスタッフ一同、鋭意企画中です。また来年、会場でお会いしましょう!(ちょっと早いけどw)

TechLION vol.29、2/22開催!エンジニアの生存戦略とは?

TechLIONプロデューサーの馮です。こんにちは。

僕たちTechLIONは、この3月で丸6年を迎えることになりました。今回、渋谷へ移転・リニューアルオープンした「東京カルチャーカルチャー」へ会場を移し、7年目へ突入します。

渋谷に移転した東京カルチャーカルチャー。次はここ!
(写真は内覧会時撮影のもの)

少し遡って振り返ってみると、1990年代からのインターネット黎明期、2000年前半のSNSブーム、そして、2007年のiPhone登場、さらには最近のIoTやAIなどの技術浸透などから、インターネット/Webが扱う分野は非常に幅広くなり、また、それらを技術的に支えるITエンジニアの存在がますます重要になってきています。

そこで、TechLION vol.29、新会場、最初のゲストには、株式会社一休CTOの伊藤直也氏と株式会社メルカリ執行役員CTO柄沢聡太郎氏の両名をお迎えし、これまでさまざまな企業での開発、最近はエンジニアを取りまとめるマネジメント経験を豊富に持つ両氏をゲストに、今の時代のエンジニアの生存戦略について伺います。前半はエンジニアとしての立場で、後半はマネージャから観たエンジニアについてトークを繰り広げる予定です。

今回も、前回に引き続き完全トークセッションのみで、TechLIONの醍醐味を体験できます。2月22日夜、奮ってご参加ください!

TechLION vol.29

もっと浮かれてみよう!IT/ネットの未来をすばらしいものにするために~TechLION vol.28報告

TechLIONプロデューサーの馮です。こんにちは。

早いもので2016年もあと2週間あまり。皆さんにとってどんな一年でしたか?

さて、TechLIONの2016年ラストバトルTechLION vol.28、去る12月7日に行われました。今回の開催にあたっては先日のブログでも書いたように、僕自身かなり思い入れのあるテーマ設定、そして、実際に、パネリスト3名、MCの法林GMとともに楽しい話で盛り上がることができました。

それでは当日の模様をお届けします。

2016年最後のTechLIONは「トーク」のみで勝負!
(撮影:小山哲志氏)

三者三様のバックグラウンド、テクノロジー・ビジネス・コミュニティ

今回、白石さん(テクノロジー)、小笠原さん(ビジネス)、田中さん(コミュニティ)というセグメントでお声がけさせていただきました(3名ともすべてのセグメントに精通しているのはもちろんのこと)。

まず最初にテクノロジーに関して、「テクノロジーの変化とユーザ体験」という切り口で白石さんに投げかけたところ、「そもそも今のHTML5でやっていることは、実はFlashでも実現できていたことです。つまり、テクノロジーが進化するというのはユーザが気が付かないうちに浸透することの結果でもあります」と、新しいテクノロジーかつ有用なテクノロジーというものは常にユーザが無意識に使っているという示唆に富んだコメントをいただきました。

また、最近はテクノロジーをコアに人が集まるケースが増え、その1つが勉強会であり、コワーキングスペースを運営する田中さんは「勉強会の目的はあくまで集まった人が勉強することで、運営者の負荷を高めることではありません。とくにテクノロジー系のイベントの場合、運営側に負荷がかかる場合があるのですが、私が運営するCo-Edoでは、主催者にお金の管理させず(負荷をかけず)、ユーザに負荷分散してもらう(参加費を払う)ことで、勉強会の本質を担保しています」と、昨今の勉強会ブームに対し、田中さんが考える「(本来の)勉強会」についておしえていただきました。

この点については、ハードウェアコワーキングスペースDMM.make Akibaを立ち上げ、運営する小笠原さんも同意していました。さらに小笠原さんは「DMM.make Akibaにあるさまざまな機材・工具はちょっとしたメーカのものよりもはるかにレベルの高いものを揃えています。その理由は、モノづくりをする環境を整えるときに、なるべく良いツールを使ったほうがアウトプット(モノ)にもつながるからです。また、秋葉原を選んだ理由は、これまでアキバ(秋葉原)と言えば工作好きの聖地。にもかかわらず、そういったコアな人間が集まれる場所がなかったからここ(アキバ)を選びました」とコメントしました。つまり、コワーキングを始め、コミュニティはその人たちが集まるための理由とともに、集まる場所にも大きな意味があるというわけです。このあたりは今後の技術系コミュニティにとって大変参考になる内容ではないかと思います。

もう1点、コミュニティあるいはイベントと言った観点で、日本の場合、無料での参加ができるものが多いのではという問いに対し「これはコミュニティやイベントだけにかかわらず、何か結果を求めるにはお金を使わないと回せないはず。とくに継続性を担保したいのであれば、強い思いとともにお金を回す意識も必要です。事業と同じですね」と、VCの立場でさまざまなスタートアップを観てきた小笠原さんならではのメッセージをいただきました。

もう1つ、そういったコミュニティやイベントを認知させる点に話が変わると、TECHFEEDを運営する白石さんが「とにかくタイトル重要・名前重要」と、イベントやコミュニティに加え、メディア運営者ならではのコメントが上がりました。結局、中身まで理解するには、まずタイトル(見た目)が大事ということです。

この点は「たとえば、今ならDeep Learningや人工知能のようにバズワードを入れるとイベント参加者の数が上がる」(田中さん)と同様の意見が上がりました。

一方で、「マイナーだったり、すぐに理解しづらいタイトルや名前は、認知された場合の価値はすごい高い」(小笠原さん)と、何かわからないものが定着したときのブランドとしての強さにも言及しました。僕たちのTechLIONも「よくわからないけど強そうだし(笑)。何より多くのエンジニアにここまでリーチできているがすごいですね」と、ご評価いただきました。

キーワードで読み解くIT/ネットの次に来るもの

第一部だけでもそのまま続きそうな中、第二部ではイベントのコンセプトにもなったケヴィン・ケリー著『〈インターネット〉の次に来るもの 未来を決める12の法則』の12のキーワードをもとにトークを展開しました。

シェアエコノミー、その先にある価値は?

その中からまず僕が最初に取り上げたのが「SHARING(シェア・共有する)」というキーワード。その理由は昨今のシェアエコノミーブームと実際、また、自分自身が関わる電子出版とも紐付けながら、皆さんの意見が聞きたかったからです。

まず、白石さんが開口一番「シェアは減らない。発信する側にとっては相対的価値が上がるのみ」と、昨今のシェアエコノミーに対し懸念される損得に対し、情報のシェアが持つ意味とそこから生まれる価値、インプットとアウトプットを例に説明しました。つまり、シェアとはみんなに何かを共有することであり、価値の提供をすること。逆の見方をすれば価値を提供できる価値を持っているという強みになり、それが結果として、相対的に価値を上げていくことにつながるというわけです。

また、田中さんから「セミナーと勉強会を例に言うと、セミナーはStudying/Learning/Teaching、勉強会はSharingと区別して考えています。つまり、座学なのかハンズオン(あるいは参加型)なのかとうことです。そして、いずれも回し続けた結果がコミュニティになります」と、まず、コワーキング運営の立場から見た、セミナーと勉強会について話されました。その上で「回し続けるという観点では、セミナーのような一方向だと限界に陥りやすいです。やはり、勉強会のように、(主催者・参加者という区別ではなく)全員が当事者で共有するという気持ちが生まれる場が、結果として継続しやすいように思います」と述べました。

小笠原さんはビジネスの観点からシェアについてお話されました。まず、最近ようやく導入が始まってきたスマートロックについて。これは、鍵をシェアするプロダクトであるわけですが、「スマートロックの価値は単に鍵を持ち運ぶ手間が減ることだけではありません。これもまた1つのシェアエコノミーなんです。スマートロックのID/Passを、場所や時間でシェアすることでさまざまな価値を作れます。たとえば、物流と合わせて使うことで再配達という無駄を減らせます。他にも民泊でも使えますね。つまり、シェアをすることで無駄を減らし合理化され、結果として、新たなビジネスが生まれ育つわけです。シェア・シェアエコノミーの本来の価値はそこに持っていくべきですね」と、ただシェア(共有)することで直接的な利益を得るだけではなく、その次につなげていける点こそが、シェアが持つ本当の価値ではないかと提示しました。一方で「とは言え、まだまだ物質的な価値だったり所有欲というのはなくなりません。おそらく東京と他の地域の差は皆さんが考えている以上のものでしょう」(小笠原さん)と、人の価値観は1つではないという点にも触れました。

ここでMCから「今までのシェアに対しては性善説が前提で成立するものがほとんどです。たとえば、それを悪意のある形で利用した場合、昨今のキュレーションメディアのような問題も出てくるのでは?」と質問を投げかけると「インターネットの成り立ち自体が性善説であり、ことネットの体験はまず性善説で考えたほうが良い」と、スタートに関しての性善説の重要性を小笠原さんは述べました。同じく白石さんも、「ネットサービスはもちろん、コミュニティも性善説ではじめないと成り立たないですね。ルールばかり作っていくと閉塞感しか残らない。改めて自生的秩序について考える時期なのかもしれません」と、ハイエクの言葉を引用しながら、同様に性善説の重要性に触れました。

新しい環境下におけるルールとは?

「ルールといえば、私は新しいことを始める際、まず、作ったものからルールを2つ削ることからはじめます」と、小笠原さんから非常にユニークなコメントもいただきました。
「コミュニティに関してはノイジーマイノリティが強くなりがち。(ルールに対して原理主義だったり)ネガティブなコメントをする人のほうが声が大きくなります。そこをどうつくっていくかもコミュニティにとって大切なポイントでしょう」と、コワーキングスペースから観たコミュニティへの印象と押さえどころを田中さんが教えてくれました。

さらに「何かをする場合、ポジティブアプローチとギャップアプローチを考えると、良いものを良くするポジティブアプローチは、価値が高く良いものが生まれやすいが、時間がかかります。一方、ギャップアプローチは悪いものを良くするので、課題解決に近づきやすいです。なので、ギャップアプローチが増えますが、自分の中で何がいいかとか、正解はわからないわけですから、ポジティブアプローチ(こうありたい)をつねに持っていることは、私は大切だと思います」と、多くの事業立ち上げ・投資の観点から成功につなげるヒントを小笠原さんがコメントされました。

「今の話の期待値という点で、ネットコミュニケーションの鍵もまさに期待値コントロールですね。コミュニティを円滑にする際、参加者の期待値をきちんとコントロールできるかどうかも、運営する立場には求められるように思います」と、HTML5Jなど、多くの参加者を抱えるコミュニティ経験から、白石さんも期待値の大切さを紹介しました。

2030年に向けて、2017年という1年は?

あっという間に時間が過ぎ、最後の第三部へと移ります。ここは会場からの質問を受け、パネリストに回答してもらうスタイルで進行しました。今回はその中から「みなさまの来てほしい遠い未来(2030年くらいとしましょうか)と、そこに向けての来年一年はどうなるか」という質問とその回答を紹介します。

これについて、僕は「未来を考えるとき、そのタイミングと同じ時間の過去を振り返る」アプローチを取ることがあります。たとえば、2030年であれば今から14年後、つまり、14年前の2002年と今を比較するわけです。そうすると、FacebookやTwitterなどのソーシャルネットはもちろん、(今のような)スマートフォンがまったくない世界、一方で、携帯電話(ガラケー)全盛の時代だったのが、2016年こうなっているのです。

この事実に基づく経験比較を投げかけたところ、「たとえば10年前にコワーキングをこのように運営するなんてまったく考えていなかった」(田中さん)というコメントや、「はやく世界に対して日本がプラットフォーム植民地から脱却したい」(小笠原さん)など、まったく想像できない世界、一方で、現状での問題点からの脱却など、未来に対しては非常に振り幅のある回答が出てきました。

その中で近い将来という点で、「AIなどの普及から、来年あたりはテクノロジーに対して倫理の壁をどうするかを本格的に議論する年になるのでは」(小笠原さん)や「人の倫理とテクノロジーのざらつきをどう扱うか」(白石さん)など、単に便利なだけではなく、人が使うテクノロジーを、きちんと人間が考えていく、その始まりとなる年になると予想しました。

そして最後に小笠原さんから「2030年はちょっと先ですが、その10年前の2020年、日本は東京オリンピックという非常に重要で、大事な出来事を抱えています。さまざまな問題はありますが、ここは視点を変えて、うまく利用してとにかく“浮かれる”、その気持ちを持って、モノづくり、サービスづくり、仕事など、未来につなげていくのが良いと考えます」と、未来に向けて、“浮かれる”ことの大切さを持って、フリートークを締めくくってもらいました。

2017年のTechLION、新たなるフィールドへ

今回、イベント終了後に改めてこの回を設定して良かったと感じました。とくに最後の「浮かれる」というキーワード、これは、ネット/ITの世界で上手に使うことが大事になっていくように思います。TechLIONも良い意味で浮かれていきます。

ということで。次回、2017年のTechLION vol.29は2月22日、ゲストに現在は株式会社一休CTOを務める伊藤直也氏をお迎えして開催します。

さらに5年間ホームグラウンドとしてお世話になった六本木SuperDeluxeさんから、新たな戦場として、ちょうどvol.28の開催日である12月7日から新規オープンした渋谷の東京カルチャーカルチャーさんにて開催。

渋谷に移転した東京カルチャーカルチャー。次はここ!
(写真は内覧会時撮影のもの)

どんなTechLIONになるのか?どのぐらい浮かれるのか?皆さま、お楽しみに。

開催概要

 

最後に。少し早いですが、今年も多くの方々に大変お世話になりました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。

良いお年を。

いよいよ来週!TechLION vol.28、企画背景と見どころに迫る~IT/ネットの未来はどうなる?!

TechLIONプロデューサーの馮です。こんにちは。

2016年も今日で11月が終わり。あと1ヵ月となりました。そして、TechLIONもいよいよ2016年最後のステージが1週間後に迫りました。

ということで。

今回は開催直前、TechLION vol.28(2016年12月7日)の企画背景と当日の見どころをご説明します。

そもそもこのテーマにしたのは?

vol.28のテーマ「IT/ネットの次に来るもの」を聞いて、おや?と思った方もいらっしゃるかもしれません。そうです、このテーマは,ケヴィン・ケリー著『〈インターネット〉の次に来るもの 未来を決める12の法則』からインスパイアされています。

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そもそもは今年の7月23日に同書籍の刊行記念イベントに参加し、自分自身、予想以上にその内容に興奮したのがきっかけでした。

そして、書籍を購入しFacebookでシェアしたところ、僕が参加しているもう1つのコミュニティWebSig24/7(代表はTechLION vol.25にご登壇いただいた和田さんです)の現・元モデレーターたちの反応がとても良く(詳しくはこの投稿のコメント欄を参照)、そこから派生して、WebSig24/7内で読書会を2回開催するに至り、さらにその延長として翻訳者の服部桂氏を招いてのイベント開催にまで至ったという経緯があります。

12/3開催 WebSig会議Vol35
インターネットの次に来る「不可避」な12のキーワードを読み解く&忘年会
http://websig247.jp/meeting/35/000927.html

IT/ネットの未来をビジネス・テクノロジー・コミュニティの視点から切り込む

この流れを受け、WebSig24/7的な観点はもちろん、TechLIONの観点でこのテーマを扱ったら面白いのでは、TechLIONで語るなら、テクノロジーはもちろん、ビジネス、コミュニティ、それぞれの視点で話せる人に集まっていただき、TechLIONの本懐である「トーク」で盛り上げられるのではないか、と、今回の開催が決まったわけです。

改めてスピーカーをご紹介すると、まず、株式会社ABBALab 代表取締役、さくらインターネット株式会社 フェロー、DMM.make エヴァンジェリストの小笠原治さん。VCの立場として新しいテクノロジーとビジネスを掛け合わせた日本の未来のスタートアップ、ビジネスについてご意見いただければと考えております。

続いて、HTML5 Experts.jp編集長でもあり、株式会社オープンウェブ・テクノロジー代表取締役として、ITエンジニア向けニュースキュレーションサービスTechFeedの開発と運用を行う白石俊平さん。日本最大のHTML5開発者コミュニティ「html5j」ファウンダーの立場から、Web/ネットの最先端のテクノロジーについて取り上げていただき、未来への展望を教えてもらいたいと思います。

最後にコミュニティの立場からは、コワーキングスペース茅場町 Co-Edo 運営責任者 / 株式会社ダイレクトサーチジャパン 代表取締役の田中弘治さん。IT系開発者が多数集まるスペースとして多くの勉強会やイベントが行われているコワーキングスペースをこれまで約4年間運営してきた目線で、IT/ネットのテクノロジー・ビジネスにおいてコミュニティの存在はどれほど大切なのか、実体験からコメントいただく予定です。

当日は大きく三部構成を予定しています。


<第一部>:『パネリストのバックグラウンドから見たIT/ネットの未来』
<第二部>:『キーワードから見るIT/ネットの未来』
<第三部>:『2017年の未来。これから』

年末というと気持ち的に1年の振り返りをしたくなるところではあります。実際、過去のTechLIONでもそういった回を多数開催してきました。でも、今回はせっかくなので振り返りより未来を、というわけです。しかも、未来なので、どうなるかは自分たち次第。好き勝手に放談できる(かもしれない)。まさに、トークイベントならではの面白味が伝えられる、と僕自身思っています。

以上、今回は僕の想いもかなり強く反映させていただいた回です。そして、2016年11月30日現在での参加者リストを見ると、過去のTechLIONスピーカーたちの顔ぶれもチラホラ。せっかくなのでMCの立場を利用して(笑)、みんなを巻き込んで、IT/ネットの未来について放談できる場にしちゃおうかな、なんて企んだりしています。

今年最後となるTechLION vol.28は来週12月7日、場所は六本木SuperDeluxeです。師走のこの時期、1年の振り返りはもちろん、一緒にIT/ネットの未来を考えてみませんか?

参加申し込み方法

  • 料金パターン1(事前予約・事前支払) 2,700円(1ドリンク700円分込)
  • 料金パターン2(事前予約・会場支払) 2,700円(1ドリンク700円分込)
    (当日受付にて現金をお支払いください)
  • 料金パターン3(予約なし・会場支払) 3,200円(1ドリンク700円分込)
    (事前予約で満員となった場合、ご入場できなくなる可能性があります。あらかじめご了承ください)
  • 事前予約フォーム
    TechLION vol.28

 

みちのくTechLION、東北初開催となる宮城・仙台でアツいトークが繰り広げられた!

TechLIONプロデューサーの馮です。こんにちは。

早いもので2016年もあと3ヵ月ほど。秋風も漂い始めたこの季節、僕たちTechLIONは初めて東北の地へ足を踏み入れました。場所は東北最大の都市、別名「杜の都」と呼ばれる宮城県仙台市。東北や仙台と言って思い浮かべることはいろいろある中、日本に住んでいる人にとって忘れることが出来事の1つは2011年3月11日に起きた東日本大震災。今回の開催地仙台も大きな被害を受けました。

そして。TechLIONの旗揚げも同じく2011年3月。あれから5年が経ち、どうなっているのか。実は僕個人としてはそのあたりについても知りたく、今回の候補地として仙台を挙げさせていただき、開催に至りました。

前置きが長くなりましたが、初めての東北の地、とは言え、実は東京から新幹線で1時間半ほどで着くというとても立地の良い場所の仙台で、仙台に縁のある4名をゲストにお迎えして、TechLION vol.27として法林GMと2人でアツいトークバトルを繰り広げたので、その模様をお届けします。

会場となったのは、仙台駅から徒歩10分ほどにあるLive Dome「スターダスト」さん。めっちゃカッコイイスペースでした。

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なお、本記事で使用している写真はすべて、TechLION vol.17でスピーカーとしてご出演いただき、また、毎回参加してくださっている小山哲志さん撮影によるものです。この場を借りて御礼申し上げます。

 

仙台のWeb業界事情 / 佐藤 裕

トップバッターを務めるのは、仙台でWeb制作受託を中心に業務を行う、株式会社メキメキ代表取締役 / クリエイティブ・ディレクターの佐藤裕さん。ご自身が15年続けてきた「Webの仕事」を通じて見えたこと・感じたことから、仙台のWeb業界事情や課題についてお話いただきました。

佐藤さんご自身、Webの仕事を始めてすぐに持った葛藤、それは(同業者との)つながりが皆無であるということ。そして、表に出てみよう!とCSS Niteに参加したことが、今の自分を作ったきっかけになったと言います。sato

最初は参加者だった佐藤さんが、CSS Nite in SENDAIの主催者側に周り、積極的にイベントを開催し、交流の場を広げていったそう。それもご自身が感じていた葛藤や課題を解決するために取った行動の1つなのです。

また、メキメキを立ち上げたターニングポイントの1つとして3.11を挙げました。とくに1人でできることの限界を感じ、複数人で行うことの可能性を求め、2012年に3人で立ち上げ、2016年となった今年には新人も採用したとのこと。この点について、「新人を採用することは1つのチャレンジですが、これもまた自分の葛藤だったことを解決することの1つでもあります」と、その想いを述べました。

こうしてご自身の経歴を振り返り、最後に、仙台だけでの人的交流には限界があること、またそもそもとしての人材不足を痛感しているのが現状で、とくに「仙台で限って言えば“スター不足”が大きな問題である」と、問題提起をし、仙台に今いる若手や新しい人材のさらなる活躍に期待し、トークを締め括りました。

 

しあわせに、くらしたい。―地方都市における技術者文化に関する一考察および提案 / 澤田 周

続いて登場したのは、一般社団法人LOCAL代表理事を務め、この4月に設立した株式会社インフィニットループ仙台支社の代表でもある澤田周さん。

冒頭から「やばい、自分が話すことの8割同じことを佐藤さんに話されてしまった(苦笑)
」と、トーク内容が被るというハプニングからスタートしました。

同じとは表現していたものの、元々札幌で活動していた澤田さんが仙台に来た背景、また、北海道という日本の中でもサイズ的にも立地的にも特殊な場所でコミュニティを立ち上げ運営してきた経験を元に、「地方で“幸せに”暮らすには」というテーマでお話いただきました。sawada

澤田さんご自身が北海道、そして現在は仙台で暮らす中、共通して感じる「地方都市」のメリットとして「食べ物がおいしい」「家が広い」「遊ぶところがたくさんある」「家族両親がいる」「東京より幸せに暮らせる(という価値観もある)」を挙げ、一方で、「支店経済」であることや「面白味のある仕事が地場から発生しづらい」「IT系イベントが少ない」などのデメリットについても取り上げました。

その上で、なぜLOCALという社団法人を立ち上げたのか、そこについては同団体の合意点である「地元が大好き」「地元で技術者が幸せに暮らせる環境を作りたい」「面白いことをやりたい」「学生さんにもできれば残ってもらいたい」という理念を紹介しながら説明してくださいました。

MCの立場で聞いている中で、僕が感じたのは、結局楽しいの定義は自分自身の中にあるということ。その上で、“より”楽しむために周りがサポートする、LOCALは北海道という土地の団体でそれを実現するための団体として“必然的に”生まれた団体のように思いました。押し付けではなく、選択肢を増やすこと。澤田さんが目指しているコミュニティ像はそのあたりにあるんじゃないかと想像します。

トークの最後には、冒頭でも引用されていた澤田さんの大学時代の恩師の言葉「澤田よぉ。楽しいってのはよぉ、楽ってことじゃねえんだよ」を改めて引用することで、楽しさが持つさまざまな意味、そして、それを掴むためには当事者意識が大事であることを伝えてくれたように感じました。

 

仙台から世界に発信 -グレープシティを探る- / 福地 雅之

第二部は、仙台から世界を舞台に活躍する大手ITソフトウェアベンダ、グレープシティ株式会社にて第2ツール開発事業部に所属し、現在は同社のモバイルアプリ用コンポーネントツール「Xuni」のプロダクトマネージャとして活躍するエンジニアです。

最初のお2人とは異なり、企業に属するいわゆる“サラリーマン”の立場として長年経験してきたこと、そして、前職を含めずっと東北・仙台で働いてきた立場からの話が進みました。fukuchi

まず、グレープシティという会社について。元々は文化オリエントという名前で、Microsoft関連のツールを扱い、その後、Javaなどのオープン技術、そして現在は、クライアントコンピュータ以外のスマートデバイスやクラウド環境まで、非常に多種多様なプラットフォームに対応した製品を扱っています。この変化については福地さん自身、よく質問されるとのこと。

それについては「たしかに扱う製品の幅は広がったかもしれませんが、軸は同じです」と、福地さんは力強くコメントしました。というのも、グレープシティで扱っているのはすべてエンジニアの「開発支援ツール」だからです。つまり、企業としての軸は変わらず、周辺環境が変化していることが現状(の製品体系)になっているというわけです。

そして、福地さん自身、もう何度も耳にしている「なぜ?仙台に本社があるのですか?」という質問について。これについは冒頭では、地方特有のメリットを紹介しながら、最後に福地さんが関わっている「Xuni」の開発体制をもとに説明しました。

Xuniは現在、日本を中心に、アメリカ、中国、ロシア、インド、ミャンマー、ウルグアイの計7ヵ国で開発が進んでいるとのこと。ここまで多様な国・地域での開発を行うと、さまざまな問題があるそうで、たとえば、時差だったり、国ごとの生活風習や政治・宗教的背景だったり。

とは言え、コミュニケーションについては「英語」を軸とし、あとはプロダクト自体がコミュニケーションツールにもなるそうで、福地さんいわく「結局、自分たちができるのはベストなものを提供すること。だから会社がどこにあるかはあまり関係なく、与えられた環境の中で活動するだけで、それこそ、なぜ本社が仙台にあるのか?というのも無駄な質問なんです」と、ある意味悟りの境地のような、それでいて含蓄のあるメッセージでプレゼンテーションを締め括りました。

 

未経験ビジネスに踏み込んでいくレバレッジの利かせ方 / 小泉 勝志郎

個別プレゼンのトリを務めたのは、株式会社テセラクト代表取締役の小泉 勝志郎さん。さまざまな事業や企画に取り組む小泉さんは「仕事何してるんですか?」より「仕事してるんですか?」と聞かれるぐらい多様なスキルをお持ちです。ご自身は「永遠の18歳」として、業務であるかないかにかかわらず、ITを軸にさまざまなことに取り組むことをポリシーとされています。

そんな小泉さんがテーマに上げたのは「レバレッジの利かせ方」。

いきなり小泉さんが関わっている萌えキャラ「渚の養成 ぎばさちゃん」の紹介からスタート。ちなみに現在萌えキャラグランプリ2016にエントリ中とのことで、まず参加者への投票のお願いからプレゼンがスタートしました。koizumi

続いて、1人目の佐藤さんの話にも通ずる横のつながりの話題として、小泉さんが中心の1人となって動いている東北デベロッパーズコミュニティの紹介があり、そこで法林さんと出会ったことも話されました。ちなみに僕は2012年に開催した察知人間コンテストというARアプリ開発イベントが小泉さんとの出会いの場でした。

このように、ITやプログラミングに関わるイベントが人と人との出会いのきっかけとなったほか、3.11で被災した宮城県松島湾にある浦戸諸島の再生プロジェクト「うらと海の子再生プロジェクト」で、日本でのクラウドファンディングの概念が一般化する前から、ネットを使った支援プラットフォームを開発するなど、ITが持つチカラをつながりに変え、そこから東北ファンの獲得、復興を目的とした集まりを大きくできたとのこと。

さらに最初に紹介したぎばさちゃんもこの復興というアプローチから生まれたもの。というのも、ぎばさというのは海藻である「アカモク」の別称。アカモクも震災の影響で減少したものを、コスプレや萌えキャラを使うことで宣伝し、支援につなげているそうです。
こうして、IT→コミュニティ→復興→地域というように、ITからスタートしてさまざまな領域へ展開が広がっているのです。その他にも、GIFアニメ作成アプリFlip Animeがきっかけで漫画家デビューをしたり、最近では大学で教鞭を取るなど、一エンジニアの枠では収まらない活動をされるようになりました。

これこそが今回小泉さんが発表のテーマにもした「未経験ビジネスに踏み込んでいくレバレッジの利かせ方」の実践です。

最後に小泉さんは、(おもにプロレスファンの法林さん向けw)の締め括りとして「総合格闘技ではなく異種格闘技を目指しましょう」と会場とネット越しの聴講者へアドバイスを伝え、プレゼンの幕を閉じました。

(資料は準備でき次第公開いたします)

 

フリートーク:地方都市とITとコミュニティ

フリートークの中心は、4名のトークでさまざまな角度から取り上げられた「地方都市」と「コミュニティ」、そして、それをつなぐITについて。

今回改めて感じたのは、ITが持つの可能性は無限に大きい一方で、たとえば佐藤さんが言っていた「横のつながりのさらなる拡張」であったり、また、Twitterからの質問に上がった「ITコミュニティ(勉強会)の知名度の低さ」といった問題点はまだまだ顕在化しているということ。

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さまざまな見解があるとは思いますが、こうした問題解決には各自が取り組む以外に解決策はなく、こうしたイベントをはじめ、1つのきっかけをどのように広げられるかが大事ということもわかりました。ですから、福地さんがおっしゃったように「どこが大事かではなく、(エンジニアとして)大事なのはベストなものを提供すること」だったり、小泉さんが実践しているように、ITを含め自分が得たスキルを未知の領域で適用させていく意識と行動というのは、地方に限らず、日本・世界で働く上で非常に重要だと感じます。

また、澤田さんがLOCALの理念にもしている、新しいことをやりたい人を応援する環境というのは、IT/ネットコミュニティの特長の1つでもあります。ぜひその状況を、周囲はもちろん、次の世代にもつなげていくことが、さらなる業界の活性化につながるのではないでしょうか。

今回、東北初となる仙台で開催し、地方という観点を皮切りに、今、IT/ネット業界で浮き彫りになってきた課題の解決策が見えたように思いました。改まして、4名のスピーカー、そして、参加してくださった皆さまありがとうございました。

今回のまとめ→TechLION vol.27 #techlion

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次回TechLION vol.28は12月7日!

最後に。次回TechLION vol.28の開催は2016年12月7日、ホームグラウンドの六本木SuperDeluxeです。さくらインターネット株式会社 フェロー、株式会社ABBALab 代表取締役の小笠原治さん、TechFeed、株式会社オープンウェブ・テクノロジーCEO、HTML5 Experts.jp編集長の白石俊平さんほかのゲストとともに「IT/ネットの次に来るもの ~テクノロジー・コミュニティ・ビジネスの視点から」をテーマにお届けします。お楽しみに!

 

TechLION vol.25、スピーカー4名確定!5周年を迎えるTechLIONではIT/Webのこれまでの5年、この先5年を語ります!

TechLIONプロデューサーの馮です。こんにちは。

3月です。これから三寒四温を経て春がやってきますね。先日横浜を散策していたら、一足早く咲いていた桜を見かけました。

2016年2月下旬、横浜みなとみらいの桜は咲き始めていました。
2016年2月下旬、横浜みなとみらいの桜は咲き始めていました。

今年の東京都の公式の開花予想は3月24日(株式会社ウェザーマップ発表・2016年3月1日現在)。ちなみに、この冬は暖冬だったので早いかなとおもいきや昨年と同水準(2015年は3月23日でした)。

そして、春といえばプロ野球オープン戦!各チーム戦力補強をし、充実したキャンプを過ごして、2016年シーズンに向けた準備をしている最中です。とくに今年のセ・リーグは新人3人を含め、監督全員が若い!DeNAのラミレスは僕と同い年、巨人の高橋由伸にいたっては僕の一学年下です。ついにプロ野球監督にも年下が登場するようになったのか~などと、自分の年齢を再確認しているところです。

5周年を迎えるTechLION、最新のvol.25は4月13日!
前置きが長くなりました。

この3月、31日をもってTechLIONは5周年を迎えます。あっという間の5年でもあり、本当にさまざまな出来事があり、TechLIONでも毎回記憶に残るイベントを開催してきました(余談ですがvol.1~vol.4までは僕は参加していませんでした)。

この5周年を迎えるにあたり、さらに記念すべき出来事が!それはご登壇いただくスピーカーが次回vol.25でちょうど100人となるのです。発起人である法林GMとUSP友の会の想いでもある「IT文化の振興と、UNIX/Linux文化の楽しさを広く伝え、エンジニア同士の連帯を図ること」をまさに体現し続けてきた5年間、24回の開催でした。

そして――100人目の登壇者となるのは、これまでTechLIONをメディアの立場から追い続け、そして、さまざまなサポートをしてくださってきたオンラインメディア『エンジニアtype』編集長の伊藤健吾さん。ヒト・技術を追ってきたメディアの視点で、TechLIONがどのように映るのか、そして、TechLIONには欠かせない日本のIT/Webエンジニアのこれからがどうなるのか、最前線の立場の声を伺いたいと思います。

ということで、改めてvol.25の4名をご紹介すると――

  • 和田 嘉弘さん
  • 林 真理子さん
  • 鈴木 嘉平さん
  • 伊藤 健吾さん

サイトの情報をご覧いただくとわかるとおり、今回はスピーカーにバリバリのエンジニアがいない布陣です。意外かもしれませんが、この多様性もまたTechLIONならではの魅力。4者4様、それぞれの立場から見たIT/Web業界について考察していただくとともに、MC2人とともにアツいトークを繰り広げます。個人的にも、今回の4人は立場的には近しいところもあるので、中からではなく外から見た「IT/Web業界」「エンジニア像」に迫りながら、この先5年、10年の日本を支えていくエンジニアについて考えてみたいところです。

改めまして、TechLION vol.25の開催は4月13日。場所は僕たちのホームグラウンド、六本木SuperDeluxeです。新年度を迎え、新たな気持ちで奮ってご参加ください!これまでご参加くださっている方たちはもちろん、初めてTechLIONに来る方、新社会人の方たちのご来場もお待ちしております。

次回エントリは高坂さんです。お楽しみに~
 

■参加申し込み方法

  • 料金パターン1(事前予約・事前支払) 2,700円(1ドリンク700円分込)
  • 料金パターン2(事前予約・会場支払) 2,700円(1ドリンク700円分込)
    (当日受付にて現金をお支払いください)
  • 料金パターン3(予約なし・会場支払) 3,200円(1ドリンク700円分込)
    (事前予約で満員となった場合、ご入場できなくなる可能性があります。あらかじめご了承ください)

 

事前予約フォーム

TechLION vol.25

 

TechLION vol.24(2016年1月14日開催)~未来のECを取り巻くあれこれを語ろう。その前に12月19日は大阪へ遠征します!

TechLIONプロデューサーの馮です。こんにちは。

2015年もあと3週間ほど

気がついてみたら今年もあと3週間ほど。皆さんにとって2015年はどんな年でしたか?

TechLIONは,3月に開催したvol.20で「20年のITの歴史を振り返る」と題し,これまでのITを振り返るテーマでシーズンイン。今から遡ること20年前,Windows 95が登場した衝撃,その後の革命を起こしたJava,そしてインターネットの普及。今の時代を築き上げたさまざまな技術が産声を上げた年でもありました。濃厚な20年の振り返りから,2015年の幕を開けました。

続いて5月のvol.21。テーマは「ITとゲーム」。ファミコンが登場した32年前と比較して,今はハードもソフトも,そしてインフラも大きく進化し,ユーザの体験が変わりました。この日はさまざまな視点で,21世紀のITとゲームについて語り,盛り上がりました。

さらに8月には2年ぶりとなる地方遠征をしたvol.22を開催。京都ゆかりの4名による4者4様のトークバトル。夏の暑さに負けないぐらいのアツい時間を過ごせました。

そして10月に行われたvol.23は「10年後の生活を支える最新IT動向」と題して,最新のITとネットを切り口に,10年後の僕たちの生活がどう変わっているのかを考察し,明るい未来への展望について,とても興味深い事例とともに紹介することができました。

ざっと振り返るだけでも20年前のIT~10年後のITと,過去・現在・未来を渡り歩いた2015年のTechLION。MCとして参加しながらも,僕自身,一聴講者のように楽しく,そして勉強のできる一年でした。

TechLIONの2015年を一気に振り返り。総勢15名のゲストにご出演いただきました。さらにもう1回あります!
TechLIONの2015年を一気に振り返り。総勢15名のゲストにご出演いただきました。
さらにもう1回あります!

2015年最後のTechLION!12月19日,大阪で出張版開催

2015年は4回で終わり……ではありません。最終決戦が控えています。来週末12月19日,大阪産業創造館で開催される「まにまにフェスティバル(まにフェス)P4」に,出張版として参戦します。こちらは,vol.22にご登壇いただいた,かぷっと川合さんとイベント中に出たトークがきっかけて実現したもの。トーク中にイベントが決まる。これもトークライブならではの醍醐味です。

法林GM・馮の両名に加え,大阪で電子部品アクセサリーの制作・販売を行う注目クリエイター,さのもの石田幸子さんをゲストに迎えて,楽しい話を繰り広げます。タイムテーブルはイベントの最後。ですので,まにフェスにご参加の皆さんもゆっくり参加できます。
 
安心してください。(他のセッションと)かぶってませんよ。

まにまにフェスティバルP4
http://m2college.net/fes4/
 

2016年最初のTechLIONは1/14,テーマは「未来のEC」

さて,最後に2016年最初のTechLIONのご案内です。すでに告知しているとおり,2016年一発目,TechLION vol.24のテーマは「未来のEC」。

2015年は従来のECに加えて,さまざまなECサービス,とくに個人向け,CtoCのECや,ECのインフラとも言える各種決済サービスが拡充し,EC戦国時代となった年でした。さらにただ売るだけではなく,売上を伸ばすという観点で,注目技術の機械学習を取り込むサービスなども生まれています。

こうした状況を踏まえて,以下の3組のスピーカをお招きします。

一組目は,えふしんこと藤川真一さん。TechLIONには,過去vol.8にご出演いただきました。今回は,注目ECサービスBASE,そして,新決済サービスPAY.JPを支えるBASE株式会社CTOとして,自身が考えるECの未来とエンジニアリングについてお話いただきます。

二組目は,安心してECを使うためにはどうするか?より良いECライフを支えるサービスを提供するかっこ株式会社から,亀山誠さん・稲数裕之さんにお二人にご登場いただきます。「ECのダークサイド」と呼ばれる不正クレジットカードの利用実態とその手口を紹介いただきながら,エンジニアリングで解決できる方法,方針について教えてもらいます。

三組目は,株式会社アクト・ツー代表/Humming Headsアメリカ法人代表の加藤幹也さんです。加藤さんが所属するアクト・ツーでは,今,注目を集めるソフトウェア専用の越境ECサービス「MyCommerce」を活用し,日本から世界に向けたソフトウェア販売展開を広げています。豊富な実績に基づくノウハウを交えながら,ソフトウェアエンジニアが知っておきたい世界に出るためのヒントに迫ります。

開催日は2016年1月14日。場所はTechLIONのホームグラウンドのSuperDeluxe(東京・六本木)です。

新年の幕開け,ぜひみんなで楽しく語り,お酒を呑みましょう!
 
TechLION vol.24 ~EC・決済最新動向~

 

次回は田中さんです。よろしくお願いいたしますー

TechLION vol.23スピーカー変更のご案内

techlion23

TechLION vol.23開催まで10日ほどとなりました。

さて、ここで当日のスピーカー変更のご案内です。

都合によりまして、当初予定しておりました株式会社HEART CATCH 代表取締役を務める西村真里子さんに代わり、株式会社Cerevo 広報、コミュニケーションデザイナーあくやん(Yuka Tanaka)さんが登壇いたします。akuyan

イベント直前での変更となり恐縮ですが、ご了承ください。

あくやん氏は14歳からWeb制作にのめり込んでいるというネイティブWeb人間。どんな未来志向の話が聞けるのか、今から楽しみです。

 

■参加申し込み方法

  • 料金パターン1(事前予約・事前支払) 2,700円(1ドリンク700円分込)
  • 料金パターン2(事前予約・会場支払) 2,700円(1ドリンク700円分込)
    (当日受付にて現金をお支払いください)
  • 料金パターン3(予約なし・会場支払) 3,200円(1ドリンク700円分込)
    (事前予約で満員となった場合、ご入場できなくなる可能性があります。あらかじめご了承ください)
  • 事前予約フォーム
    TechLION vol.23

 

10年後を語る前に14年前を振り返ってみよう~TechLION vol.23に向けて

10月に入りました。2015年も3ヵ月を切ったところです。

そして、TechLION vol.23も開催まで2週間を切りました。

10年後の生活を支える最新IT動向を予測する4名が登場!TechLION vol.23は10月20日開催」でご紹介しましたとおり、魅力的な4名にお話をいただきます。でも10年後ってどのぐらい先なの?と思われる方がいらっしゃるかもしれません。そこで、今回は14年前を振り返えることで、10年がどのぐらいの時間なのかを感覚的に感じ取ってみようと思います。

はて?なぜ14年前?10年前じゃないの?

皆さん、そんな疑問が頭に浮かんだかもしれません。なぜ14年前なのか――それは、そう。我がジャイアンツがV4を逃し、そして東京ヤクルトスワローズが14年ぶりにセ・リーグ制覇を達成したからです。くーーーーーー!悔しいです!ヤクルトファンの皆さん、おめでとうございます。CSでリベンジするぞ!

ちなみにこの「リベンジ」という言葉は、現ソフトバンクホークスの松坂が1999年に、当時のロッテのエース黒木と投げ合って負けたときに発した言葉。1999年の新語・流行語大賞となってますね。そういえば、ロッテは逆転でCS進出。5の倍数年の法則(2005、2010年と3位からCSで下克上して日本一達成)が成立するかどうか。

今シーズン1回だけ観戦した神宮球場で見かけた山田哲人ハイボール。 今年は本当にやられました。トリプルスリー、あっぱれ!
今シーズン1回だけ観戦した神宮球場で見かけた山田哲人ハイボール。
今年は本当にやられました。トリプルスリー、あっぱれ!

 

野球ネタ満載で前置きが長くなりましたが、さっそく14年前(2001年)がどんな年だったのかを振り返ってみます。

21世紀の始まり

まずは21世紀の始まりの年。「2000年12月31日は世紀末だー」「何かが起きるぞー」なんていうことで盛り上がったのも今は昔。IT関係であれば2001年よりも2000年の年明けのほうが印象的かもしれませんね(2000年問題)。ちなみに僕はNYのタイムズ・スクエア前で21世紀を迎えました。

ブロードバンド時代到来

まず、日本にとって大きな出来事はブロードバンド時代が到来したことでしょう。1999年のiモード誕生以降、モバイルインターネットが主流で、家庭でのインターネットは電話回線が一般的でした。しかし、2000年後半からの各種インターネットサービスの多様化、そして、2001年に入り、NTT東西が光ファイバーを有料で開放したり、「フレッツ・ADSL」のエリア拡大を行ったことで、家庭でのブロードバンド利用への意識が高まりました。そして、何と言ってもYahoo! BBのサービスインが、その動きに拍車をかけました。
インターネットインフラが整備されたことにより、ネット上でのコミュニケーション、そして表現の多様化につながりました。ネット社会基盤が整った年と言えるでしょう。

iPod誕生~ガジェット新時代突入へ

この年、後にさまざまなデバイス、さらにはUIやUXにも多大な影響を与えた1つのガジェットも誕生しました。「iPod」です。当時はまだApple Computer, Inc.とコンピュータメーカーとしての社名だったAppleが、コンピュータとは違う形での、ライフスタイルを豊かにするためのガジェット(音楽プレーヤー)を発表したのです。iPodがとくに注目されたのは、そのインターフェースでしょう。それまではボタンやスイッチを「押して」操作するのが一般的だったガジェットに、スクロールホイールというインターフェースを用意し、さらに階層構造を取り込むことで情報(楽曲)へのアクセスを容易に行えるようにしました。その後はタッチパネル型のUIを用意するなど、Appleが生み出したこのガジェットは、その後のデバイスへの影響はもちろん、さまざまな生活シーンに刷り込まれていると感じています。

Mac OS X誕生

もう一つAppleの話題を。iPodよりも約半年前にリリースされたのが、Mac OS X 10.0.0です。BSD UNIX由来のOSとして大変大きなインパクトを与えました。それまではCGやDTPといったデザイナー向けのコンピュータのイメージが強かったMacintoshが、UNIXベースに変わることでプログラマー向けのコンピュータとしての存在感を醸し出すようになったのです。2015年の今、TechLIONはもとより、多くの技術系イベントに行くとMac利用率が高いように思います。

Wikipedia誕生

こちらは米国での話題ですが、いわゆる「インターネットの集合知」「Web 2.0の先駆け」の1つでもあるWikipedia(英語版)が誕生したのもこの年でした。みんなが持っている知識・情報をアーカイブし、未来に役立てる。ソーシャルネットが登場してからはあたりまえになったこの考え方も、実はもう14年前に誕生していたんですね。

 

以上、簡単ではありますが、2001年(14年前)に起きたITやインターネット関連の出来事を振り返ってみました。通信インフラのように私たちの生活に直接的に役立つものから、iPodのように登場直後は変わり種として少し抵抗感を持たれたものまで、本当にさまざまな技術が生まれました。いずれも、2015年の今、その面影、その影響を受けた技術につながっているものばかりです。

最近はIoT(Internet of Things)という言葉が流行っています。IoTを取り上げる場合、よく、ハードウェア側のことばかりに注目が集まりがちですが、Thingsという言葉が意味するように、ハードウェアを含めたすべてのコトが、IoTの本質だと考えられます。今回TechLION vol.23にご登壇いただく4名は、まさに最前線でIoTのエッジの部分であり、裏側となる部分を観て、作って、広げている方たちばかりです。

10年後のTechLIONで今回を振り返ったとき、「あそこで取り上げられた技術って今、本当に役立っているよね」、そんな場にしたいと思っています。技術が広げる未来の世界を知りたい方、ぜひ10月20日、六本木SuperDeluxeへ足をお運びください!

 

■参加申し込み方法

  • 料金パターン1(事前予約・事前支払) 2,700円(1ドリンク700円分込)
  • 料金パターン2(事前予約・会場支払) 2,700円(1ドリンク700円分込)
    (当日受付にて現金をお支払いください)
  • 料金パターン3(予約なし・会場支払) 3,200円(1ドリンク700円分込)
    (事前予約で満員となった場合、ご入場できなくなる可能性があります。あらかじめご了承ください)
  • 事前予約フォーム
    TechLION vol.23

 

次回担当は上田さんです。よろしくお願いします!