突然、人生の目的を考えてみて無理矢理TechLIONの話に移行してみる。

こんにちは。AIITの上田です。前回の私の記事はあまりにも軽すぎたので今回は重たく。なかなか重くもなく軽くもなくという記事が書けないのですが、書けないので好きに書かせていただきたく。

研究の話をしてみる

私の研究テーマの一つに、制御と人工知能の中間あたりの「行動決定」というものがあります。別に難しくもなんともなく、こういう話です。

  • なにか「目的」がある。
  • 「目的」に対して「行動」を起こす。行動を何回か繰り返して目的に到達する。

例えば、「花に水をやる」という目的があれば、「布団から出る(寝てるんかい)」→「外の水場に行く」→「じょうろに水を入れる」→「花に水をかける」というように、いくつかの動作の連続で目的が達成されるわけです。もちろん、「花に水をやる」という目的には後ろに「なるべく短時間で、花壇にまんべんなく」などと条件がついており、じょうろを使うのがいいのかヤカンを使うのがいいのか、外の水場がいいのかキッチンがいいのか、いろんな選択肢に点数をつけます。一番点数の高いのが「最適な行動の組み立て」ということになります。

・・・ここまで書いて気づきましたが、鉄道路線の検索も一緒ですね。例えば「最短時間で行く」、「乗り換え回数最小で行く」、「一番安く行く」、などが「目的」となって、それに応じたそれぞれの経路が出てきます。

この話の背景にある理論は、経路検索だけでなくて何でも適用することができます。というより、我々はその理論から、逃れることができません。この理論によると、目的が明確でないことに対して何が良いとか悪いとかを論理的に議論することは不可能という、新橋の居酒屋でグダグダ議論しているオッサンたちを全否定する脅威の結末が導出されます。

「目的」ってなんだろ?

「目的」の定義というのは機械の世界では簡単なことが多いのですが、人間社会においては本当に難しいことです。人生というでかい枠組みで考えると、例えばこんな「目的」があります。

  • A: 金持ちになる。出世する。結婚する。子供を10人作る。利用者1億人のウェブサービスを作る。嫌な奴を社会から抹殺する。ブログの女王になる。国を支配する。世界征服する。

このような「目的」を達成するには、なんらかの努力が必要そうです。

一方、こんな目的も。こっちは拙速であると言えば拙速なのですが、自分の体や脳に対して直接作用する目的でもあります。

  • B: 食欲を満たす。性欲を満たす。睡眠欲を満たす。生きながらえる。(「いいね!」をたくさんもらう、というのもこっちのグループかもしれない)

「Aグループの目的が達成されるとBグループの目的が手に入る」というのがだいたいの常識と言えそうですが、おかしなことに、Aを得るがためにBを犠牲にする人がいたり、最初からBがある程度手に入っている人もいれば、Bばっかり求めてじり貧になったりする人もいて、まあ様々です。出典がよく分からずコピペが出回っている次の小咄が、ここらへんの難しさをよく表現できていると思います。(私もコピペで恐縮です)。

(ティモシー・フェリス (著), 田中じゅん (翻訳): 「週4時間」だけ働く。, 青志社, 2011. にこの文の引用があるみたいですが、著者が考えた小咄かどうかまだはっきりせず、日本語版も入荷未定らしいので、これから英語版をKindleで読みます・・・トホホ。)

メキシコの田舎町。海岸に小さなボートが停泊していた。

メキシコ人の漁師が小さな網に魚をとってきた。

その魚はなんとも生きがいい。

それを見たアメリカ人旅行者は、

「すばらしい魚だね。どれくらいの時間、漁をしていたの。」

と尋ねた。

すると漁師は

「そんなに長い時間じゃないよ。」

と答えた。

旅行者が

「もっと漁をしていたら、もっと魚が獲れたんだろうね。おしいなあ。」

と言うと、漁師は、自分と自分の家族が食べるにはこれで十分だと言った。

「それじゃあ、余った時間でいったい何をするの。」

と旅行者が聞くと、漁師は

「日が高くなるまでゆっくり寝て、それから漁に出る。戻ってきたら子供と遊んで、女房とシエスタして。夜になったら友達と一 杯やって、ギターを弾いて、歌をうたって…ああ、これでもう一日終わりだね。」

すると旅行者はまじめな顔で漁師に向かってこう言った。

「ハーバード・ビジネス・スクールでMBAを取得した人間として、きみにアドバイスしよう。いいかい、きみは毎日、もっと長い時間、漁をするべきだ。
それで余った魚は売る。お金が貯まったら大きな漁船を買う。
そうすると漁獲高は上がり、儲けも増える。
その儲けで漁船を2隻、3隻と増やしていくんだ。
やがて大漁船団ができるまでね。
そうしたら仲介人に魚を売るのはやめだ。
自前の水産品加工工場を建てて、そこに魚を入れる。
その頃にはきみはこのちっぽけな村を出てメキソコシティに引っ越し、ロサンゼルス、ニューヨークへと進出していくだろう。きみはマンハッタンのオフィスビルから企業の指揮をとるんだ。」

漁師は尋ねた。

「そうなるまでにどれくらいかかるのかね。」

「20年、いやおそらく25年でそこまでいくね。」

「それからどうなるの。」

「それから? そのときは本当にすごいことになるよ。」

と旅行者はにんまりと笑い、

「今度は株を売却して、きみは億万長者になるのさ。」

「それで?」

「そうしたら引退して、海岸近くの小さな村に住んで、日が高くなるまでゆっくり寝て、日中は釣りをしたり、子供と遊んだり、奥さんと昼寝して過ごして、夜になったら友達と一杯やって、ギターを弾いて、歌をうたって過ごすんだ。どうだい。すばらしいだろう。」

同じことをやるにしてもお金があった方がいいので私は旅行者の話もよくわかります。一方、私の出身の田舎町だと、漁師のような考え方の人間がいっぱいいます(地方交付税交付金は正しく使ってください・・・)。しかし、話の論点はそこには無く、だいたい目的というのは、自分の肉体と外の社会で行ったり来たりして、目的が次の目的を産み、そうやって何か業績を生む人もいればグダグダしている人もいて、そして最終的に全員死ぬということです。

そんな人生、人の生き方をとやかく言う方が野暮です。だって答えがないんですから。先日、光栄なことに、わたくしにケチをつけてきたさる有名人(猿有名人ではない)がいたので、まあそんなことを考えたわけです。ええ、この文章は「私怨」でお送りいたしました。文句あるかっつーの。

多様性を楽しむことが大切なんじゃないかと。

それはさておき、じゃあ私らは何のために生きるんでしょう。あまり人を心配させてもいけないのですが、20代のときにこのようなものの見方を身につけてしまった私には、はっきり言って人生なんてどうだってよいわけです。その割には上記のように気にしているわけですが。

あ、誤解されると困るので一応お断りしておきますが、私にも野心的なものはそれなりにあるので、仕事はがんばっております。

そんなフリースタイル人生な私ですが、一つ、自分に課していることがあります。それは、いろんな人の「目的」を理解し、よく尊重することです。目的も考え方も違う人について、私は様々な感想を持つのですが、目的自体には、なるべく否定的なことを言わないようにしています(たまに言っちゃいますが)。私がフリースタイルなんですから、当然ですよね(言っちゃうんだけど)。私個人的には、例えば面白いウェブサービスとか、ガジェットがどうとか、このサービスであの人が億万長者になったとか言われても、一消費者として、医療や衣食住以外のプロダクトのほとんどにはおもちゃ以上の意義は見いだせません。しかしそれでも、何か行動を起こす人々が自分自身の目的を持つことで世の中でいろんなものを見ることができるわけですし、そのような人たちの話は、聞く側にとっても想像力をかき立て、ものの考え方を広げ、目先のことだけが世の中の全てではない、と考えるヒントになります。多様な目的を許容できる社会は楽しい社会なんだろうな、と思う次第です。

以上、グダグダ書きたいままに書いてきましたが、結論を一言で述べると、いろんな人の話を「賞味」することをオススメしたく、わたくしの身の回りの手段としてはTechLIONに来てちょうだいということになります。仕事は年度末で忙しいでしょうが、あんまり自分の仕事ばっかりしていると、自分の目的にだけに対して成功したと自認して他人に説教をするタイプの老人になっちまいますよ(言い過ぎ)。

ということで、次回vol.16の告知。3月5日(水)。場所は六本木SuperDeluxeです。

TechLION vol.16

出演者、演題が続々決まっていますので、このサイトのvol.16のページも要チェック!

次回は高坂さんです。よろしくおねがいします!

もうすぐ年末。忘年会である。

どうも。AIIT上田です。相変わらずパッとしませんが、なんとか生きています。

今年ももうあと2ヶ月です。皆様はどのような1年だったでしょうか?・・・と書くとなんか気が早すぎやしないかと突っ込まれそうですが、そろそろ忘年会に呼んだり呼ばれたりというのがもう始まっております。

その中でも一番早いのがコレ!TechLION vol.15が、TechLIONの歴代出演者が集まる忘年会のテイで開催されます。11月30日。

11月中に忘年会というのは、4649年にわたる長い忘年会史において、初の試みではないでしょうか?(嘘をつけ。)

TechLION vol.15大感謝祭&大忘年会

もうキャンセル待ちなのが残念です。Vol.15に参加できる歴代出演者は、今も随時追加しておりますので、チケットを申し込んだ方はご確認を。直近では、村岡正和さん安田豊さんからご出席を快諾いただきました。

リレーブログ、次回は松浦さんですね。宜しくお願い致します。

さてノルマ終わったのだが・・・

なんかもう、最近は文章ばっかり書いているので、何も書きたくありません。

※画像はイメージです。(画像って英語にするとイメージだから、画像はイメージっておかしくね?)
※画像はイメージです。(「っていうか、画像って英語にするとイメージだから、画像はイメージって日本語おかしくね?」と、頭の中で妄想した女子高生が言っている。)

・・・プログラムを書きたいです。

ということで、出演者確認用のワンライナーでも書いておきます。

Mac/FreeBSD用

$ curl http://techlion.jp/vol15 2> /dev/null | grep -A 10 歴代出演者 | sed -n '1,/<\/p>/p' | tail -n +2 | head -n 1 | sed 's/<.*$//' | sed 's/、/ /g' | tr ' ' '\n' 

Linux用

$ curl http://techlion.jp/vol15 2> /dev/null | grep -A 10 歴代出演者 | sed -n '1,/<\/p>/p' | tail -n +2 | head -n 1 | sed 's/<.*$//' | sed 's/、/\n/g' 

おやすみなさい。

あれ、もうすぐ九月なんですか?

どうも。産業技術大学院大学の上田です。いや、USP友の会会長の上田です。

今月は職場が変わり、クソややこしい共済組合等の手続きあり、私の出産があり、ボンバイエ(=お盆休み)があり、月で繁殖した兎を間引きに遠征したり、遠洋漁業に出た友人が髭剃りを忘れていったので泳いで届けにいったり、そうこうしているうちに8月もあと10日となってしまいました。早すぎる・・・。

私の年代以上の方々は、同じように日々が過ぎることを早いと感じていることと思います。歳をとると時間の体感速度が速い速い。まるで日の入り間際に海に来た海水浴客のように、ただただ落日のスピードを恨めしく眺めることに気を取られ、なかなかやりたいことが手につかず、タイムオーバーを迎え・・・

TechLION vol.14@札幌

・・・ものすごく嫌な事を書いてからスッと告知に切り替えますが、TechLION vol.14もすでに開催まで1ヶ月を切ってしまいました。

参加申込はこちらから↓。定員36に対してあと16席!お早めに!演題もそろそろ全部出揃うそうですよ。

日時:2013年9月15日(日) 17:30開場、18:00開演、21:00終了予定
場所:HIPPIES SAPPORO
出演:村田賢太、益子貴寛、松井健太郎、三谷公美
MC:馮富久、法林浩之

  • 事前予約・会場支払 2,000円(1ドリンク付き)
    (当日受付にて現金をお支払いください)
  • 予約なし・会場支払 2,000円(1ドリンク付き)
    (※事前予約で満員となった場合、ご入場できなくなる可能性があります。あらかじめご了承ください)
  • 事前予約フォーム
    TechLION vol.14

んで、ちょっと待てと。

ちょっと待て。「札幌へどうぞ」などと気軽に言うなと。本州以南の人間には札幌など数万円払わないと行って帰って来れない土地じゃないかと。俺の知っているなかで、運賃をロクに払わずに札幌まで行ったことがある知り合いは伊能さんしかおらんわ。

伊能さん
伊能さん。北海道ではなく千葉を背景に。
wikipediaより)

ということで、残念TechLION(兼残念OSC札幌)ということで、札幌まで到達できない我々のために、前日の9/14にUSP友の会の定例会をぶつけました。東京湾納涼船(シェル工船)に乗ってLT大会やりますんで、どうぞこちらも宜しくお願い致します。SoftwareDesignのsed/AWK特集が弾みになって友の会は盛り上がっておりますので、きっと盛り上がりすぎて船がソ連に漂着することでしょう。

もちろん、シェル工船に乗って翌日札幌に行ける人は、両方出ていただければ満足度と疲労度が1.5倍かと思います。

・・・ということで、競合イベントの告知をお送りしました。たぶん、客層被らないと思いますんで、いいですよね?

次回のリレーブログ、担当は馮さんです。札幌行ってらっしゃ〜〜〜い!

田中さんと私のXYZな1978年

こんにちは。USP友の会の会長()こと上田でございます。

TechLION vol.13では、さくらインターネット社長の田中さんがご出演です。実は、・・・というほどのことでもありませんが、田中さんも私も1978年(昭和53年)の早生まれなんだそうで、そして田中さんも私もかつてロボット使いだったということです。共通項が多々あるじゃありませんか。

まあしかし、それはそうなんですけど、あまり共通項を掘り下げていくと「共通項が多い中、上田のほうは何でグータラしているんだ?」と破壊力の強いツッコミが入ってしまいます。致命的ツッコミを回避すべく、今回のブログでは1978年がどんな年だったか振り返る企画モノで全力で逃げようと思います。

もちろんまだ0歳だったので、分からん事が多いです。あしからず。

2013年、35歳になってもこの世の中、分からんことだらけですよ・・・。

BSD, YMO, and SAS

まず、コンピュータ関連はどんなだったかというと、ビル・ジョイがfirst Berkeley Software Distribution (1BSD) をリリースしたのが3月だそうです。このときのUnixのバージョンはVersion 6 Unixで、翌年Version 7 Unix がリリースされています。もちろん触った事はありません。

私の知っているコンピュータ関連は、法林GMも私も大好きYMOのデビューアルバム「イエロー・マジック・オーケストラ」が11月に発売されたことです。コンピュータ時代の到来を普通の人に知らしめたということで、私はYMOのデビューした1978年を日本のコンピュータ史における最重要年と、今、勝手に決めます。

他に音楽で言えば、サザンオールスターズがシングル「勝手にシンドバッド」でデビューしたのが6月です。これも1978年が最重要年であることを物語る(ry

余談ですが「Tong Poo」のPVを見ると、その当時のビデオゲームを見ることができます。違法なのか合法なのか知りませんが、YouTubeにアップされているようです。

サンシャイン60
サンシャイン60も1978年。取り壊しの日と私の命日、先に来るのはドッチ!?
出典

NPB

横浜スタジアムができた年だそうです。日本シリーズはなんとヤクルトと阪急がやってヤクルトが優勝しています(疑惑のホームラン事件のシリーズですな)。ヤクルトはこのとき初の日本一だそうで、その後の低迷はよく存じ上げております。阪神は1978年は最下位、か・・・。訂正です。1978年はプロ野球は1試合も行われなかったそうです。

そんな、1試合も試合が行われなかった残念な1978年ですが、さらに残念な事に、11月20日に江川の「空白の一日」がありました。私の少年時代は、テレビをつけると江川とか桑田とかが投げてましたね。私はテレビは適当に巨人負けろと呪いをかけて見ないようにして、富山でも夜になるとABCラジオ1008kHzがかすかに聞こえるので、それを聞いて血圧上げて阪神の応援をしていたものです。点数が、入らないんだ・・・。

NRT

成田空港が開港したのが1978年5月20日なんですが、その前の3月に過激派が管制塔を占拠するという事件が起こっています。5月5日にはスカイライナーが過激派に放火されています。開港当日には所沢の管制施設のケーブルが切断されたり空港近くで火炎瓶が飛び交ったり大変だったそうです。

・・・ということは、(デリケートな話ですが)この年からつい最近まで、羽田からは国際線が飛んでなかったということになります。兼高かおるは、この年から国内の移動時間が増えてしまったということですか。ところで兼高かおる、ご存知でございます?

ABS

暴れん坊将軍放送開始が1月です。ABSって何だって?Abaren Bow Syogunの頭文字に決まってます。

TLN

・・・ということで、1978年生まれが最低でも2人、いや、事務局の鎌ペも含めて最低3人いる TechLION vol.13の 開催概要はこちらっす:http://techlion.jp/vol13出演者がfixしたということで、要チェック。

  • 料金パターン1(事前予約・事前支払) 2,700円(1ドリンク700円分込)
  • 料金パターン2(事前予約・会場支払) 2,700円(1ドリンク700円分込)
    (当日受付にて現金をお支払いください)
  • 料金パターン3(予約なし・会場支払) 3,200円(1ドリンク700円分込)
    (※事前予約で満員となった場合、ご入場できなくなる可能性があります。あらかじめご了承ください)
  • 事前予約フォーム
    TechLION vol.13

次回のリレーブログは、えーっと誰だっけ?あ、かなり屋さん。かなり屋さん、シクヨロお願い致します。

夜会とかパーティーの話

USP友の会会長の上田です。vol. 12はまだまだ先なので、今回は少しエゴ強めで。

この原稿は、「USP友の会 第3回シェル芸爆破デスマッチ勉強会&第21回餃子爆破定例会」の翌日に書き始めたものです。勉強会は30人以上で脳みそをワンライナーで3時間刺激しまくり、ボケ防止にとても有意義な会になりました。定例会の餃子とビールの消化に少々疲れております。

定例会の幹事は法林GMで、会計は鎌田さんだったので、TechLIONのコアメンバーの2/3をお借りしました。お忙しいところどうもすいません。

そういうこともあり、今日は、勉強会なり夜の懇親会の役割について書いてみたいと思います。もっとも、自分がこんなことを書いているのも変な気分です。というのも、大学を辞めてふらふらとUSP研究所に入り、「こいつエキセントリックだから」という理由でUSP友の会の会長に据えられた当初、実は勉強会のことを「こやつら何やってんだ?」という程度にしか認識していなかったので・・・

夜の仕事をしっとるけ

仕事というものには「昼の部」と「夜の部」があります。

例えば、私は太古の昔、工学の研究者だったのですが、研究者というのは、やり過ぎなくらい学会というものを開きます。国内学会は大抵の場合、仲良しこよしで終わることが多いのですが、そこそこでかい国際学会だと、もっと政治的な動きが増えます。私も何回か巻き込まれて手伝いをしたことがありますが、主催者側は大変で、理論的な人たちの集まりとは思えないほど酒を準備します。偉い先生を招いて(2chではない)VIPパーティーをしたり、開催国の企業が参加費タダでパーティーを開いたり、はたまた国をあげて歓迎したり。

20代半ばでこんな招待状をもらい・・・
こんな接待を受けると、ふらふらとこの国で働こうかという気になってしまうものです・・・。

(ここで、IOCの話をすると面白いのですがやめときます。)

結局、なにか自分の国や大学、個別の活動、そして自分自身に利益をもたらしてもらうためには、視界に入って認知してもらわないと何も始まらないというリアリズムに従い、全員が動きます。若手もポストや留学先の確保を虎視眈々と狙います。Facebook疲れどころの話ではありません。

昼と夜でワンセットの仕事

一方、別に悪代官同士の談合ではないので、宴席が苦手でも普段の仕事の力で話を有利に持っていくこともできます。別に英語が話せなくても、なんとか英語で自分のやっていることを論文に書いて説明できれば、興味を持つ人は現れます。

結局、普段の仕事で自身の実績や能力を強化し、宴席での交渉力や魅力を増すことで、良いポスト・協業・アイデアがやって来るというように、昼と夜(あるいは仕事場とホテルのロビー)、ワンセットで仕事という考えになります。「欧米人はパーティーのために働いている」という言葉がありますが、それは仕事をしていないという意味ではありません。特に、会社よりも社会で働くという意識が強い国では、社交場に出ないということは、それなりに不利を被る事を覚悟しなければなりません。

あのアメリカのアホなドラマでアホそうな大学生やアホそうな高校生がパーティーを開いているのも、ある意味、職業訓練です。アホくさくて見ませんが。

勉強会と懇親会の関係

わたくしの周囲の平和な勉強会(そして懇親会)では、今のところ、そこまで生々しく動いている人の割合はそんなに多くはないようですが、会に出ていて知らないうちに仕事が舞い込んでいる人は多いはずです。結局、

  • 会社にこもって仕事をしても大きなお金を稼げない時代に入った
  • 日本にも人材の流動化(つまり会社でなく社会のために働く)の波が来た

という2点で、学者の学会と同様、エンジニアの世界にも「だいたい同じ興味を持った人の集まり」が必要となっているようです。

そして、もし自分が何かを欲しているのなら、夜の懇親会で話をつけたりアピールしたりすることが大事です。勉強会の質が高くないと懇親会にも誰も来ないので、主催側は勉強会に力を入れますから、別に参加する方は懇親会が目当てでも会は成立します。個人的には、わたくしは懇親会で自己顕示欲ギラギラの知らない人に長時間絡まれ、泣きながら家路につくことが多いので、ぜひ勉強会本体重視の人も、顔を出していただきたく・・・。つまりは、みんな懇親会はそういうものだと考えてないと悪い人が跋扈してしまうので、そういう意味でも、ちゃんと出席することが大事です。

アホな海外ドラマ風にTechLIONに参加する方法

さて、内輪から賛美して恐縮ですが、TechLIONは勉強会よりももう一歩踏み込んで、そのような夜の仕事文化の導入を推進するものだと、わたくしは考えています。参加自体は話を聞くだけなので、初めての人にも気軽にできます。


TechLION vol.12の申し込みはこちら。

  • 料金パターン1(事前予約・事前支払) 2,700円(1ドリンク700円分込)
  • 料金パターン2(事前予約・会場支払) 2,700円(1ドリンク700円分込)
    (当日受付にて現金をお支払いください)
  • 料金パターン3(予約なし・会場支払) 3,200円(1ドリンク700円分込)
    (※事前予約で満員となった場合、ご入場できなくなる可能性があります。あらかじめご了承ください)
  • 事前予約フォーム
    TechLION vol.12

そんな気軽な会ですが、常連の人はちょっとパーティー気分を味合うために、次の点を意識して練習してみてください。私は「キモッ!」と言って逃げますが。だってここ日本だもん・・・。あ、友の会の人は面白いのでやってください。USPヒルズ青春白書と題して・・・。

  • 初対面の人に目を合わせてニコッとしてみる。(もし次に一緒になったときに覚えていてもらえる。名前は絶対覚えてもらえないが、顔は覚えてもらえる。)これは普通にやるとキモいので、トイレとかで道を譲るときがチャンス!
  • 後日なにか一緒にやるという話にならない限りは、立ち話は1分まで。(マナーです。いろんな人と話をしなければならんのです。)
  • つまらない話をする人に絡まれたら、30秒くらいでニコニコしながら「では行きませんと」と言って逃げる。(いや、行くところなどトイレくらいしかないが・・・)
  • 登壇者に話しかけたいけど難しそうなときは、女性に頼んで後ろにくっついていく。

冗談のような、冗談でないお話でした。

えーっと、次はともちゃさんですか。エクストリームなお話、期待しております。

線を引くと漢になれる話

すっかり寒くなり、関節がバッキバキの今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。
USP研究所上田です。

・・・ぎっくり腰にはお気をつけください。

いよいよ今週金曜夜

さて、締まらない挨拶はこれまでにして、いよいよTechLION vol.10の金曜日が迫って来ました。今回はいつもの木曜ではなく金曜なので、普段は来られないよという人にも足を運んでいただけたら幸いと考えております。

(ついでに、どこで夜通し二次会をするかも考えています。)

今回のメインゲストは村井先生です。日本に最初にインターネットの線を引いた方です。

「線を引く」と言うと、我々はスタッフのTさんのように、いつもLANケーブルを伸ばして挿してとやっていますが、もっと長い線を引こうとするとパイオニア精神とか開拓者精神というものが必要になってきます。(いや、Tさんもかなりパイオニアだが・・・)

通信に限らず国内外の有名な長い線をちょっと調べますと、

* 1653年:玉川上水(43km)

* 1869年:アメリカ大陸横断鉄道(サクラメント-オマハ、3000km)

* 1904年:シベリア鉄道(モスクワ-ウラジオストック、9300km)

* 1906年:太平洋横断国際海底ケーブル(日本-グアム、2500km)

* 1915年:アメリカ大陸横断電話回線(ニューヨーク-サンフランシスコ、4000km)

とまあ、いろいろありますが、ここまで長いものを途切れないように引っ張るのは、尋常なことではありません。人もいっぱい巻き込みますし、お金もかかります。うまく行くと拍手喝采ですが、失敗すると恨みを買ってぶち殺されたりします。

ちなみにスタンフォード大を創設したリーランド・スタンフォードはアメリカ大陸横断鉄道に深く関わっています。長い線を引くと大学ができたりするわけです。みなさんもいいサービスを作るだとか、発明するだとかの出世の方法の候補に、「長い線を引く」を入れておくとよいかもしれません。

線を引くのに大事なこと

んで、調べていると分かるというか、私の年齢にもなると当然分かっていなければならないのですが、こういう事業を企画するときは、いろいろな所に行って交渉して許可を取ったりお金を集めたり、あるいは許可を待たずにコソコソと準備をしたり、スタッフにやりたいことを伝えたりと、単に技術以外のことが非常に重要になってきます。

vol.8 の砂原先生のときも、「電話局から『電話の先に、人じゃないものがいるようですが・・・』」と問い合わせが来たり大変だったという話がありましたが、今回もそういう話が聞けるのではないでしょうか?

・・・いや、村井先生自身、そういうことを苦労とも思わないような雰囲気なので、技術中心かもしれません。演題は、

「UNIXとインターネットだぁ!」

だそうです。さあ、どんな話が飛び出すでしょうか。
乞うご期待!

お申込みはこちらから!
TechLION vol.10

次回はvol.10の栄えあるレポート、松浦さん、よろしくお願いします。

BOØWY以後の研究開発とTechLION、そしてシェルスクリプト

USP研究所、上田です。こんにちは。

なんだかこのブログでBOØWYの一大ブームになってますが、これTechLIONのブログですよ!

・・・ところで、私もBOØWYはよく聞きました。と言いますか、この前CDを買いなおしました(お前もか)。

ご存知のとおりBOØWYは後の世代にかなり影響を与えましたが、後に続く方も大変だと思います。同じようなバンド構成でオリジナリティーを求めても、なかなか独自性というのは打ち出しにくいものです。単なる憧れとか真似を超える何かがないと、模造品のまま人生を食いつぶすことになりかねません。

BOOWY?
本当はここにBOØWY+タモリの合成写真をはりたかったが出典が分からんので断念。これも尊敬すべきオリジナリティーだと思う。

知っている人は知っていることですが、世の中の研究者と言われる人たちは「オリジナリティー」という言葉にとても強く反応します。世の中にないものを見せ続けないと、仕事が来なくなります。

ただ、これが非常に難しい。たとえ既存のものの派生であったとしても、世の中にないものを作るという作業にはショートカットがなく、何かをじっくり観察したり勉強したり弄ったりして、アイデアが降りてくるのを待つしかありません。あるいは人と違った考え方ができるかどうか。

私がTechLION で人の話を聞いているときは、漠然とそのようなことを考えて出演者を眺めていますが、なにかが降りて憑依している人が多い。(余計なことを言えば、司会の二人もなにか取り憑いているとしか思えません。正直なところ何を考えているのかさっぱり分かりません。)そういう憑依集団がガーッとしゃべっても、聞いている方は単なるフォロワーにならずにきっちり話を受け止めると、ためになるんじゃないかなと考えています。

壇上はキケン人物でいっぱいである。

私は私で、あることに気づいてシェルスクリプト道(sh道)を邁進しております。が、普段は頭をひねってもなにも降りてこないのが凡人の悲しいところ。目の前の仕事を淡々とこなしていくしかありません。

うなっても、出るのはおなら、ばかりなり。

 

・・・お粗末さまでした。

ということで、BOØWYから無理やり話を戻しましたんで、次はTechLIONに集中して執筆お願いします。次は・・・次は誰だっけ???とりあえず終わります。んでは。あ、ともちゃですか。夜露死苦おねがいします。

TechLIONに集うということ

こんにちは、USP研究所の上田です。

巷ではUSP友の会会長として、シェルプログラミングの普及+その他活動に勤しんでおります。今のところ、「その他活動」が9割を占めていますが・・・。

TechLIONも、「その他の活動」としてUSP友の会主催で始まりました。2011年3月31日が第一回 で、私はその準備ミーティングにいた3人のうちの1人です。ただ、vol. 1で主催団体のカシラとして一応壇上に立って以降は、当日の雑用をした後に、観客として参加しています。

だからということではないのですが、TechLIONでは、観客もイベントを構成する上で欠かせない要素です。イベントで観客の果たす役割で典型的な例と言えば、これこれが有名です。ウッドストックで誰が歌ったかというよりも、どんな奴らがどんな恰好でどんな感じで集まっていたのかの方が、私には印象に残っているわけです。そして、そういうことが時代を代表する「歴史」となって残っていくものだと考えています。

個人的には、この時代、エンジニアがこのような会に集うことになったことを、後から一つの歴史として捉えられるようになればよいと考えています。私を含め、観客が何を目的としてTechLIONに来るかはそれぞれ異なるのでしょうが、同じ時間に同じ空間に集っているわけです。そして、各個人は単に普段着で出演者の話を利いているという意識でしょうが、全体で格好イイ雰囲気を形成しています。これはシリコンバレーの働き方やTEDのフォーマットに憧れているエンジニアの考えている「格好いい」ともちょっと違う、日本発で、地に足のついたエンジニアが生み出す、唯一無二の格好良さだと感じています。

何回も言いますけど、自分の手でものを生み出す職人連中が夜に集まり、人の話を聞きながら静かにビールを飲んでる姿はやはり格好いい。友の会の集まりで雑談していて、「ちょっとTechLIONの雰囲気が良すぎて気後れするようになった」という話が出たことがあります。私自身もそう思っている部分は実はあるのですが、実際、良い雰囲気を出しているのは言っている本人たちなんじゃないかと思ったりします。

願わくは、この雰囲気を経験したことのある人がもっと増え、エンジニアの世界の外でも「TechLIONには何か時代のうねりを感じる」とまで言われるようになってほしいです。我々は集い、飲み、楽しみ、世間はカルチャーを感じる。愉快ではありませんか。

 

・・・と、大きく話を膨らませたまま、てっくんに交代します。

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