vol.20報告(2/2)―人類は、進歩した技術で20年後も掲示板を作るのか!?

20年後のITはどれくらい変わっているのか?
20年後のITはどれくらい変わっているのか?

TechLION取材班のまつうらです。先週に続き、3/24に開催しましたTechLION vol.20のレポートをお届けします。(当日の模様を収録した動画も準備できましたので是非一緒にご覧ください)

前半戦では今回の3人のゲストそれぞれの方に「20年」をテーマに語っていただきましたが、後半戦はゲストも司会者も全員参加のパネルディスカッションを行いました。

ITにとっての20年はあまりにも長い年月で、殆ど何もかもが変わったように思えます。しかしいざ議論が始まると、変わったものばかりでなく、殆ど変わらないこと、ずっとそのままなものなどが意外に多くあることに気付かされました。

■第3部 ジャングルバス.com

本日のディスカッションではいずれも『20』にちなんだサブテーマに基づくトークが繰り広げられました。ここではその中から興味深かったものをいくつかレポートしたいと思います。

エンジニアとして20年前と変わったこと

エンジニアとして20年前と変わったこと馮P:エンジニアをやってきて、この20年間で変わったこと変わってないことについて聞いていきたいと思います。
松本:私、研究者なのでエンジニアではないんですが(笑)……。根本的に変わってないと思います。何かやらなきゃいけない時の考え方ってあまり変わってないな、と。特にネットワークなんて、IP以上のものって何も出てきてないし。
堂前:私は20年前から、学生バイトながらプロバイダーやってて、その意味では20年間ずっと変わってなくて……。でも世間の見方が全然変わったなとは思いますね。
桜庭:私も研究職なんですけども、変わってないですねあんまり。
法林GM:使っているテクノロジーが変わったりは?
桜庭:それはまぁ……、Javaですねぇ(笑)
馮P:20年前ってまだここまでネットワークを意識してなかったと思うんですが、そのあたり皆さんいかがですか?
松本:私はパソコン通信の時代から始めてるので30年前から繋いでましたけど、変わったなーと思うところと言えば、昔は無手順接続だったものが今はIPになったことですね。でもやってることは掲示板なんですよね。
法林GM:繋がった上でやってることは実は変わってないと。
松本:ただ、やっぱ劇的に変わったなーというのは、サーチエンジン登場後ですね。今では「ググレカス」が普通の言葉になったように、調べるとなったらまずネット検索ができるようになった。これはスゴいことだなと。
馮P:コンピューターの性能は20年前とはがらっと変わり、できることが大きく変わったんじゃないかなぁと思うんですが。
堂前:でも結局掲示板ですよね、絵文字とか使えるようになって超リッチな掲示板になったりはしてますけど。でも一つ違うことがあって、以前はコンピューターのことわかってる人間だけが参加してましたけど、今はその文化を持たない人がやってきて炎上するみたいな……。やってることは変わらないけど、参加者のメンタリティーが違うってのが大きな違いだと思います。
馮P:昔は作り手と使い手が被ってましたが、今は殆ど別になってきましたからね。

馮P:少し話替わるんですけど桜庭さん、Javaのコミュニティーを20年見てきてどうですか?
桜庭:ぶっちゃけ、年取ったなぁと(笑) Javaに限った話じゃないですけど、中の人達の年齢がそのまま上がっていくという……。
馮P:離脱する人もいるんですか?
桜庭:います。コミュニティーって「余暇」なんですよ。なのでマネージャーになったりして仕事が忙しくなるとコミュニティーには出られなくなっちゃうとかあるんですね。最近再びJavaが注目されたおかげでまた若い人が入ってきてはいるんですけど中間層がいなかったり。
馮P:20年ともなると、親子関係ができてもおかしくない年月ですよね。
堂前:IIJの古参のメンバーもこども達がユーザーとして普通にインターネット使ってたりしますしね。
法林GM:もうすぐ入社してくるかも……

この20年で、最もインパクトのあったテクノロジーは?

この20年で最もインパクトのあったテクノロジーは?馮P:この20年で最もインパクトのあったテクノロジー。いろいろあったと思うんですけど皆さん何を思いつきますか?
桜庭:そりゃあJavaです! Javaが出てきた時って物凄いインパクトがあって、最近AppleがSwiftを出して一応話題になりましたけど、あんなもんじゃなかった。
法林GM:プログラミングが変わるくらいの言われようだったですものね。
馮P:言語で雑誌ができちゃうのって今考えるとすごいですよね。桜庭さん以外の方はどうですか?
堂前:一番大きいのはインターネットへの繋ぎ方ですよ。昔ダイヤルアップだった頃は回線交換網の上にパケット交換網がありましたけど、今は逆にIP電話で、つまりパケット交換網の上に回線交換が実現される時代なんですよ。これがこの20年で実は一番大きかったんじゃないかと。
法林GM:松本さんどうですか?
松本:今思い出したんですけど、Netscapeですね。あの頃は学生だったか社会人なりたてだったかくらいでしたけど、やっぱりすっごくインパクトありましたね。
法林GM:20年選手の人にとってはあれが一番大きかったんでしょうね。
馮P:法林さんはどうですか?
法林GM:かなり広い括りですけどやっぱWebかなぁ。それまでインターネットには色々なプロトコルがあったのにWebが普及したらみんなHTTPになってしまい……。昔このイベントに砂原先生村井先生が出てくださって、次世代が前世代の技術の上に新しい技術を作ってどんどん積み重なっていくみたいな簀子(すのこ)理論をおっしゃってましたけど。Webは大きなインパクトのある技術だと思います。
馮P:僕も喋らせてもらうと、位置情報がすごく変わったなぁと思います。2008年にリトアニアに行って道に迷ったことがあってそのことをSNSに書いたら「今どこにいるの?」って返されて、「いや、それがわからなくて」みたいなやりとりしましたけど、今ならもうわかるじゃないですか。

次に来る注目テクノロジー・トレンドは何?

次に来る注目テクノロジー・トレンドは何?馮P:ここまでは昔話でしたけど「そろそろ、これくるんじゃないかな」みたいに感じるものはありませんか?
松本:こういう話をするときって「あぁ昔それあったね」っていうものが名前を代えて再来するというケースが結構あります。直近だとキュレーションとかキュレーター。言ってしまえば人力検索じゃないですか。spamや氾濫した情報で今、データが汚れてしまった状態なので、もう一回まとめなおす必要性が感じられます。なのでキュレーションやキュレーターっていうのは非常にまっとうなやり方だと思います。
桜庭:私は大学時代にニューラルネットワークというのを研究してまして、何故か今、ディープラーニングという名で再びのブームが来ているという……。焼き直しと言えるかもしれないですけど、昔はできなかったことがコンピューターの性能向上によってできるようになってきて現実的になってきたということなんだろうなと。
堂前:焼き直し論に近いところがあるんですけど、通信屋としては課金制度の見直しが来るんじゃないのかと。リッチな情報をやりとりをするスマホなどの端末がある一方で、IoTの時代では単純で細かいデータをやりとりするデバイスが無数の回線に繋がれるようになって、今の回線単位の課金制度じゃ「そんなにお金掛けられないよ」という話になってくると思いますので。
馮P:IoTに関してもう少し伺いたいんですけども、IoTの先に見えるものとか考えるものとかありましたら是非。
松本:失礼な言い方かもしれないですけどIoTは昔、M2M(マシン to マシン)だったんですね。携帯電話を犬や猫につければもっと売れるはずだなんて言われていた時代とやってる事は同じなんですよね。今は車のエンジンを携帯電話で始動したりとか言ってますが、でもこれからはその後を考えなきゃいけないです。
実際に先日あったインシデントなんですが、とあるメーカーの車に走行中でもドアが開くという脆弱性が露呈し、パッチ当てて直しましたということがありまして、「自分が生きている間に機械に悪さをされる時代が来たか」と思いました。機械が敵になるっていうケースがこれからリアルに出てくると思います。
馮P:一番安全なのは「何も使わない」みたいな。
法林GM:(vol.19に続き)またそういう話が出ちゃうのか……

2035年、ITやインターネットはどうなっている?

馮P:それでは20年後はどうなっていると思いますか?
松本:そろそろ空間をいじれるようになりたいです。例えば手で空間をなぞると、そこにコマンドが表示されるようになったり……。スクリーンとしての空間を目で見られて手足を使って操れるようになってるといいな、と。傍から見ると太極拳みたいな動きをしているような……。
法林GM:桜庭さんにはやっぱり20年後Javaはどうなっているか聞いてみたいですよね。
馮P:Javaは20年後にありますかねぇ?
桜庭:Javaが10周年の時に、Bill Joyが「次の10年でJavaは消えるかもしれない」と言ってたんですけど、残ったんです。それで思うんですけど Fortranって結構残ってますよね。COBOLも残ってますしLISPも残ってますよね。そんな感じで次の20年もJavaは残ってるんじゃないかと。ただ今の形のJavaがそのまま残るってのはあり得なくて、残るんだったらそれなりに何か進化してて違う形のJavaになっているだろうとは思います。
堂前:私もちょっと考えたんですけど、20年経っても世の中ってあんま変わんないんじゃないのかなって気がします。昔の科学雑誌を見ると21世紀は車がチューブを走ったり空を飛んだりする様子が描かれていましたけど、僕らは相変わらずキーボード叩いててますからね。
一つ希望的なことを言えば、電話が普通に浸透しているように、ネットやITも普通に浸透してほしいなと今でも思います。例えば脅迫電話とかあっても「NTT何やってるんだ」なんて今どき言わないですが、ネット上で事件が発生すると「プロバイダ何やってるんだ」って未だに言いますよね。法律的には整理が試みられたんですけども人間の意識っていうのがまだついてきてないということですね。
馮P:TechLIONは2035年、どうなってるんでしょう?
法林GM:これはどーだろう……。僕イベントでよく司会やってるんですけど「いつまでちゃんと舌が回るんだろう」っていつも気になってます。舌がまわっなくたったら引退だと思ってるんですけど。あ!今、回らなくなってる! ……引退かも(笑)

劇的な変化があってもやっぱり掲示板!?

馮P:会場の皆さんからも質問や意見などありますか?
観戦者:今の進化ってコンピューターやネットワークのスピードが速くなるといった連続的な変化ですけど、量子コンピューターの登場のような劇的な変化があった場合にはどう変わるでしょうか?
松本:やっぱりコンピューターの使い方、例えば計算のやり方であったり、アルゴリズムや設計といったものが根本的に変わると思います。私のところでも量子コンピューターの話題が最近普通に出るようになりました。ただ、普通の人がiPhoneと同じように量子コンピューターを使うというのはあり得ないと思っていて、専門家がそこで新しいサービスを生み出すんじゃないかなと思ってます。
桜庭:量子コンピューターに限らないんですけど、ハードウェアが良くなればソフトウェアが良くなってソフトウェアが良くなればハードウェアが……っていう流れがずっと続いていくんだろうなと。だから量子コンピューターが出てくればそこでまた破壊的イノベーションが作り出されるだろうと思います。
堂前:そのうえで、我々はやっぱり掲示板を作ろうかなと思うわけですね(笑) 茶化してるわけじゃないんですけど、最後はそこで人間が何をするかっていうところですよね。きっと、量子コンピューターでないと実現できないような何か破壊的な掲示板でしょうね。

◇ ◇ ◇

終始掲示板という話が出てきて可笑しかったのですが、どんなに技術が進歩しようが、10年そして20年経とうが、ITを他人とのコミュニケーションに活用したいという欲求は変わらないということですね。同様に、昔も今も変わらない人間の欲求が多数あり、それらを実現すべく各時代の能力に応じて様々な名前で同種の技術が登場する……。そういうことなのかなと、今回のディスカッションを聞いて思いました。ゲストの皆様、ありがとうございました。
(下の写真は、毎回恒例の出場者記念撮影。写真にマウスを重ねると……)

■次回5/25(月)は、ゲームに関係の深い方々を招待

次回vol.21予告さて次回のTechLION vol.21は、もう来月ですが5/25(月)に開催が決定しております。お招きするゲストは伊勢幸一@テコラスさん、清水勲@ミクシィさん、伊藤学@STUDIO Freesiaさん、と既に3人決まっていて、いずれもゲーム業界に関係のあるエンジニアやディレクターの方々です。

コンピューターの歴史を語る上では欠かすことのできないゲームというテーマに、TechLIONもついに踏み込みます! 既に予約受付中ですので、是非ともご参加ください。

vol.20報告(1/2)―IT業界の20年、考えさせられることがたくさんあった

TechLION取材班まつうらです。今週そして来週のブログでは、3/24に開催したTechLION vol.20のレポートをお届けします。

20年をテーマに開催します!
本日は「20年」をテーマに開催します!

TechLIONは2011/03/31に旗揚げしてから今回で5年目を迎えることになりました。これまでに開催してきた試合は19試合、そして今回20回目が行われます。そこで本日はこの20という数字から、「20年」をテーマに開催しようということになりました。

今から20年前といえば1995年。阪神大震災や地下鉄サリン事件の年として印象深いですが、流行語トップテンに「インターネット」が選ばれたり、Windows95発売、Java誕生、PHSやテレホーダイ開始など、IT分野でも大きな出来事のあった年でした。これらの用語を聞くだけでもだいぶ時代を感じますが、IT業界に生きる獅子達はこの20年に何を感じてきたのでしょうか。Javaと通信の分野から3人のゲストを招いて語ってもらいました。(当日の模様を収録した動画も公開いたしました)

■第1部・第2部 ITサファリパーク

#1 櫻庭祐一さん―Javaの20年

桜庭さん先程も紹介したように20年前といえばJavaが登場した年。この言語は一体どういう歴史を辿ってきたのでしょうか。Java歴=Javaの年齢(20年)にして、日本唯一の公式Javaチャンピオン認定者、桜庭祐一@Java in the Boxさんに語ってもらいました。

Java年表

桜庭さんのトークから主な出来事を年表にまとめてみました。たくさんあるJavaの用語を整理するにも大変参考になりました。(→当日のスライドはこちらです)

1991年~(前史)

  • GreenTeam発足。Bill Joy(vi開発者)とJames Gosling(Emacs開発者)がOakという名の言語を制作。これがJavaの前身となる。
  • Dukeというマスコットも制作。(言語のマスコットは恐らく初)
  • 当初STBを意識していたが、ブラウザーアプレットとしての道へ。
  • Oakという名は既に商標登録されていたため、後にJavaと改名することに。

1995年

  • 5月、SunWorldにてJava(JDK 1.0α2)発表。(桜庭さん。翌日DLし、Java歴開始)
  • NetscapeがJavaをバンドルすることも併せて発表。この影響でNetscapeに元々あったLiveScriptという言語も、JavaScriptに改名。混乱という悲劇を生むことに……
  • 日本で高木浩光氏により、JavaHouse ML開始。(過去レスをよく見ずに質問すると怒られるというとても厳しいMLだった)

1996年(拡大期~)

  • Java 1.0リリース。この頃既にJava VMGC、Thread、NetworkといったC言語では実装の大変だった機能がサポートされていた。
  • JavaOneカンファレンス初開催。現在に至るまで続いている。
  • ServletJDBCJavaCardはこの頃から実装される。

1997年

  • Java 1.1リリース(風間一洋氏らによる日本語入力機能なども取り込まれた)
Javaロゴの変化
Javaロゴの変化。NTTドコモから「携帯では線が小さくて見えない」と苦情が来たのだとか

1998年

  • Javaコンソーシアム設立(IBMを中心としたベンダー系コミュニティー)
  • JAVA PRESS創刊
  • Java2リリース(2なのにJDKとしては1.2。J2SE、J2EE、J2MEに分かれた)
  • ロゴが変わった(J2MEをサポートするNTTドコモからロゴの細線が描けないという苦情が原因か?)
  • ユーザー参加型の標準化機構JCP設立

1999年

2000年

  • J2SE 1.3リリース(HotSpot VM、新GCなど)

2001年

2002年

  • J2SE 1.4リリース
  • エンタープライズ向け端末が出始める。

2003年

2004年

  • J2SE 5.0リリース。(Ease of Developmentと呼ばれる言語仕様変更により、置いてけぼりになった人多数)

2005年(暗黒期~)

2006年

  • JavaSE 6リリース(6以降ではJ2SEと呼ばなくなった)
  • JAVA PRESS休刊(3月)、JavaWorld休刊(12月)
  • OpenJDKリリース。
  • JJUG発足。

2008年

  • JavaFXリリース(これが発端で従来の開発チームが分裂するなど悪いニュースが……)
  • この頃Android端末が登場する。

 

2010年

  • Sun Microsystems、Oracleに買収される(1月)。

2011年(再生期~)

  • JavaSE 7リリース。(リリーススケジュールとしてプランBが採用された)

2014年

  • JavaSE 8リリース。(関数型っぽいものが入り、クロージャ―論争に決着が付いた)

そして未来……

  • パフォーマンス向上の取り組み(CPU Cacheとの親和性や巨大メモリなど)
  • 新しいPackaging(もう一つの大論争テーマ)に決着が付く?
  • コミュニティーが影響力増大?
  • JJUG CCC 2015 Springやります!(2015/4/11(土)、ベルサール新宿グランド

⇒イノベーションが続く限り、発展も続くでしょう!

#2 堂前清隆さん―20年前のバックアップテープと格闘して思ったこと

堂前さん続いては堂前清隆@IIJさん。日本のインターネット黎明期に誕生したIIJならではの少し考えされられる話です。(→当日のスライドはこちらです)

唐突に渡された8mmビデオテープ

堂前さん、ある日会社の先輩に呼び出され、唐突に8mmビデオテープを渡されました。テープの裏には「All dump@ftp.iij.ad.jp 93/06/05」の文字が……。その中身の正体は、IIJが発足して約1年、IP接続サービスを開始する頃の公開FTPサーバーのデータだったそうです。

それを何とかして取り出すように指示され、社内のジャンク好きに「テープドライブ持ってませんか?」と尋ねたら、なんと所有していて、なんやかんや(後述)やって取り出すのに成功したそうです。

中身のデータが時代を感じさせた

フルバックアップだったためsyslogなんかも出てきました。それによれば、そのマシンのスペックは、SUN SPARCstation2、メモリ64MB、システム用HDDは1GB×2、FTP用HDDは2GBを4台(93年としては超大容量ストレージ!!!)。OSはSunOS 4.1.3でした。

FTPの/pubの中身も懐かしい。今なら/pub/linuxの直下には主要ディストリビューションが並びますが当時はGCCへのリンクがあったり、/pub/GNUの中にはEmacs 19.9やgcc 2.4.3が……。しかも殆どがディスク容量節約のために差分圧縮の“.diff.gz”になっているのです。

そして/pub/miscというディレクトリーを覗いてみると、そこにはxmosaic-sun.Zというファイルがぽつんと1つありました。調べてみるとこれはあのNCSA Mosaicのなんと1.0でした(今公開されている最古のバージョンよりも古い)。これも動かしてみようということになり、さっきのジャンク好きに聞きながらSPARCstation IPXを用意し、いろいろ試行錯誤しながら(後述)動かすことに成功したのです。

IT発掘考古学

動かすのに成功したと一言で書きましたがそこには色々な「IT考古学」ともいうべき発掘技術が必要だったそうです。

HDDの直し方
グリスの劣化したHDDの直し方。モーター始動に合わせて掌をクックッと回すのがコツらしい。

まずはハードウェア。ドライブやインターフェース(パラレルポート、Narrow SCSI、IDE、…)等が現存しなければ始まりません。また、現存していても機械的な問題が立ち塞がります。例えばプラスチックは割れ、グリスは固まり、ゴムベルトは溶け、これらは劣化三兄弟と呼ばれています(堂前さん談)。動かなければ直すわけですが、例えばモーターの動かないHDDの直し方にもコツがあります。写真のように、手のひらをスピンドルモーターの軸の直上に宛がい、通電後にクックックッと手を小刻みに回すのだそうです。その際、モーターのうなりを感じることが重要らしいです。

そうして動き出したら次はソフトウェアです。デバイスドライバーはあるか、古いファイルフォーマットは読めるかといった関門を突破しなければなりません。特にデバイスドライバーはホストに繋がるものですので仮想マシンでどうにかなるとは限りません。関門はまだあります。ユーザーの記憶です。古いコマンドともなれば使い方を忘れがち。例えばtarコマンドはもともとテープドライブを操作するものですが、巻き戻しのやり方を覚えていますか? ……そんな時に役立つのは古いmanだそうです。

ソフトウェアはローカルだけの問題ではありません。ネットワークアプリケーションではまたプロトコルの後方互換性も重要です。この当時の端末にはDHCPが無かったのです。ネットマスクは/16(クラスB)や/24(クラスC)などに固定されておりCIDRなどという概念が無かったからです。これには少し悩んだそうです。そして、次はHTTPリクエスト。Mosaic 1.0のHTTPリクエストはなんと、
“GET /”
という1行どころかたった5文字。HTTPのバージョンすら通知しません。これだとさすがに名前ベースの仮想ホストには対応できないものの、それでも今どきのApache 2.4はちゃんと応答を返してくれたそうです。

未来に向けた心配

Mosaic 1.0のたった5文字のリクエストが今のホストにも通用したというのはさすが柔軟な解釈のできるテキストプロトコル(HTTP/1.1まで)ならではだと思ったそうです。ところが、昨年発表されたHTTP/2はバイナリープロトコルです。果たしてHTTP/1.1までが兼ね備えていた柔軟さは残るのでしょうか? HTTP/2によって、我々は何を得て何を失うのか、考えていかねばならないと感じたそうです。

今回偶然見つけた8mmテープからMosaic 1.0環境を復元したように、もし20年後の2035年に、2015年の遺物を見つけたら、果たして彼らは中身を発掘できるのでしょうか?

#3 松本直人さん―災害コミュニケーション~災害時におけるIT活用とその課題

松本さん20年前の1995年といえば阪神大震災の年で、これは大災害に対して初めてインターネットが活用された事例だったそうです。そこで次は災害に対するITの活用に関する状況や課題について松本直人@さくらインターネット研究所さんに紹介してもらいます。(→当日のスライドはこちらです)

災害発生時における情報収集の限界

最初は、東日本大震災発生当時に起きた通信インフラへの影響に関する話です。

スライド(【情報通信空白地帯】)は、東日本大震災が発生した当初の携帯電話および固定電話の不通地域を図示したものです。しかもこの状況を把握できるまでに半年かかったという点が被害の甚大さを物語っています。

情報通信空白地帯
【情報通信空白地帯】 赤色が携帯電話不通エリア、薄緑が固定電話不通エリア(震災2か月後)

通信事業者である松本さんの友人が、移動基地局を車載し、震災発生の翌日から被災地に通ったそうです。道路は波打ち、雨が降ればさらに悪路になり、電灯が無いので夜になれば暗闇になり……。何度も通っていたがゆえに、現地がどういうことになっていたかよく知っていたそうです。

今回の震災では、スライドに示した状態が震災発生から2か月余り続き、完全復旧には1年ほどを要したそうです。ここで松本さんが訴えるのは、まずITでできることというのは通信網がある場所でしかできないということであり、そしてこういう事態は恐らく今後我々が生きている間にも起こり得ることだということです。

地方自治体が依存するAS(自律システム)

このように通信網が使えなくなってしまってはIT設備は何の役にも立たなくなってしまいます。では公共機関である地方自治体はどういう対策をとっているでしょうか。

地方自治体がITを使って果たす役割の一つにWebを使った情報発信がありますが、それぞれがどの通信事業者のAS(自律システムと呼ばれるネットワーク)に接続しているかを調べると興味深いことがわかります。日本に1700以上ある地方自治体が利用しているASは現在166あり、利用しているASの上位およそ3割は4つの通信事業者のASですが、その他のASがロングテール的に使われています。

例えば地方自治体数の少ない香川県のAS利用状況を見ると、やはり上位は見慣れた大手通信事業者のASなのですが、一部に静岡の通信事業者のASを使っている自治体が存在しています。また、東日本大震災で甚大な被害を受けた福島県の状況を見てみると、一つの自治体で複数のASに接続しているところがあります。ただこれは単純なDNSラウンドロビンでミラーリングしていて、障害の起こったASを避けるわけではありません。従ってどれかのASで障害が起これば繋がりにくくなりますが、それでも完全に不通になってしまうよりはいいということを、SIerさんが提案したのではないかと。震災以後意識が変わったんでしょうね、と松本さんは言います。

一般市民レベルでの災害把握

例年8月頃は岩手地方は豪雨に見舞われるため、その時期に岩手で豪雨を例にとって災害にどう対応できるかを体験するワークショップが催されたそうです。

視覚情報による災害把握
視覚情報による災害把握。近年はスマートフォンとWebサービスがあるだけで、だいぶ把握ができるようになってきた。

その結果わかったことは、近年の技術なら特に特別な装置がなくても、概況を把握するところまではうまくできるようになっていたそうです。例えば、検索エンジンで映像も含めた状況を調べたり、逆にカメラで撮影した状況を発信したり、避難勧告のアラートを受信したり、GPSで位置情報を確認することも。それらをたった一台のiPhoneでもこなすことができます。

さらに最近では、全天球カメラ(THETAなど)で360°の光景を撮影し送信することもできます。一度に伝えたい映像はたくさんあったりするのでそういった場合に貴重です。これにGoogleの画像検索を組み合わせれば、サイトや日時での絞り込みを併用して、災害時の履歴を追うことも可能です。

松本さんは、トークの合間でも災害時は助け合いが大切だと言い、最後にも「災害対応を他人任せにしない、自分で行動しましょう」と言いました。情報端末も通信網も、受信する情報がなければ意味をなしませんので確かにその通りだと思います。危険を冒して、あるいは不確かな情報を、無理に発信する必要はないと思いますが、必要な情報は自らも発信することでITを活かすべきだと私も思います。

◇ ◇ ◇

三人ともとても興味深い、そして時の積み重ねを感じさせるトークでした。ありがとうございました。というわけで次週のレポート後半に続きます。

vol.20 ご来場ありがとうございました!そしてvol.21のお知らせ

本日はTechLION vol.20にご来場ご観覧いただき、誠にありがとうございました。
ITの20年間について振り返り、新しい技術に思いを馳せる楽しい時間でしたね♪
Ustがあまりつながらなかったみなさま、ごめんなさい。

Togetterのまとめはこちら☆
http://togetter.com/li/799228

早速、次回のTechLION vol.21 の予告です!

伊勢幸一さん、清水 勲さん、伊藤 学さん 参戦決定!
随時情報を更新しますので、当ブログをぜひチェックしてくださいね♪

■次回開催概要
名称:TechLION vol.21
主催:USP研究所
協賛:技術評論社、@IT、オライリー・ジャパン、Mozilla Japan、エルピーアイジャパン、ハートビーツ
後援:EM ZERO、キャリアデザインセンター『エンジニアtype』、日本UNIXユーザ会
日時:日時:2015年5月25日(月) 19:00開場、19:30開演、22:30終了予定
場所:SuperDeluxe
料金:事前支払 2,200円、会場支払 2,700円、当日(予約なし) 3,200円 (1ドリンク付き)【予定】

出演:伊勢幸一、清水 勲、伊藤 学ほか交渉中
MC:法林浩之、馮富久

事前予約フォーム
TechLION vol.21

TechLION vol.20 開催間近 & Ust のご案内

桜がちらほら咲き始めているようですが、我らがTechLION vol.20も開催間近となりました。
 
当日券もご用意しておりますよ〜
みなさまのご来場をお待ちしております♪♪
 
そしてTechLION vol.20はUstreamでも配信します。

Ustream参戦のかたも、ぜひ #techlion つけて発言してくださいね!

明日はいよいよTechLION!記念すべき第20回です!

こんにちは、星です。
明日はいよいよTechLION vol.20です!
20です!20回記念です!めでたいですね!

さて、早速協賛品のご紹介です!

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協!

 

 

 

kome_20

賛!

 

 

 

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品!!!

なんとなくお久しぶりなUSP米をUSP研究所からお送りします~!
抽選会やアンケートでゲットしてくださいね!

 

 

それからそれから

写真 2015-03-19 8 37 49

じゃじゃじゃじゃじゃん!!!
技術評論社さまより豪華な書籍の数々をご提供いただきました!
ありがとうございます!

 

詳細はこちらです。
φ(.. )[データベースの気持ちがわかる]SQLはじめの一歩

φ(.. )【図解】コレ1枚でわかる最新ITトレンド

φ(.. )事例から学ぶ情報セキュリティ 基礎と対策と脅威のしくみ

φ(.. )スクラム実践入門 成果を生み出すアジャイルな開発プロセス

φ(.. )Software Design 2015年4月号

 

この他にもまだまだございます!
当日は皆様是非是非抽選会にご参加くださいませ!
アンケートのご協力もよろしくお願いいたします!

 

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(σ・ω・)σお願いしたいこと
当日は、19:00開場でございます!
これより早くお越しいただいても、外でお待ちいただくことになってしまいますので、
どうぞ19:00以降にお越しくださいませ。

前売り券は本日18時まで販売しております!
★事前予約ありお支払い★(2,700円を事前または会場払い、1ドリンク700円分込)

TechLION vol.20

★予約なしお支払い★(3,200円を会場支払、1ドリンク700円分込)
(事前予約で満員となった場合、ご入場できなくなる可能性があります。あらかじめご了承ください)

 

お申し込みがまだの方は、是非!お急ぎください!
たくさんの方のご参加お待ちしております。

ではでは、明日みなさまにお会いできるのを、スタッフ一同楽しみにしております!
( ´ ▽ ` )( ´ ▽ ` )( ´ ▽ ` )

TechLION vol.20,来週24日いよいよ開催!~ITの20年―過去・現在・未来―を語る

TechLIONプロデューサーの馮です。こんにちは。

早いもので3月も中盤を過ぎました。皆さん,スギ花粉,大丈夫ですか? 僕はかなりやられています苦笑
(それ以上にオープン戦の巨人の戦い方がモヤモヤしすぎてフラストレーションが溜まっていますw)

それはさておき,2015年最初のTechLION vol.20,いよいよ来週3月24日に開催です。

すでにご案内しているとおり,今回は20回目の記念開催,そこで20という数字にちなんで,20年前のIT/インターネットをテーマにスピーカーの皆さんをお呼びしました。

今回ご登場いただくのは,IT/インターネット業界で20年以上活躍されている皆さんです。それぞれの得意ジャンル・守備範囲・扱ってきた内容に関する20年の歴史について語っていただきます。

お三方の演題は次のとおり。

  • Javaの20年 / 櫻庭 祐一
  • 20年前のバックアップテープと格闘して思ったこと ftp.iij.ad.jp@1993 / 堂前 清隆
  • 災害コミュニケーション~災害時におけるIT利活用とその課題~ / 松本 直人

さて。

20年前の1995年と言うと,IT/インターネットの分野が大きく生まれ変わったターニングポイントの年でもあります。この年に誕生したものの代表格として,Windows 95がありますね。このOSが登場したことで,一気に家庭にコンピュータが普及したと言っても過言ではないでしょう。

Javaの20年

さらにJava。今や言語としてはもちろん,基盤技術としても重要な役割を担っており,スマートフォン~サーバサイド,そしてクラウドまで,Javaが関わる範囲は多岐にわたります。

櫻庭さんのコーナーではこの「Java」にフォーカスを当て,Javaが歩んできた20年,また,櫻庭さんご自身が注目してきたJava SEを中心とした技術の変遷,さらにJavaOneという世界最大規模の開発者カンファレンスの動向など,まるっとJavaについて語っていただきます。

ストレージの20年

この20年ソフトウェアだけが進化したわけではありません。ストレージも大きく変化しました。20年前に主流だったテープドライブから,年々メディアはコンパクト化しながら,容量は大規模化し,ストレージの特徴は大きく変わりました。今では手元に置くだけではなく,インターネットの向こう側にデータを保存するクラウドストレージまで存在します。

堂前さんのコーナーでは,20年前のバックアップデータを題材に,そのテープの中に含まれていたデータが何だったのか――会場で大公開! この20年におけるデータバックアップとストレージ,それを取り巻く環境についてお話いただきます。

コミュニケーションの20年

ソフト,ハード,この2つの存在の20年とともに,最も大きく変わったものがあります。それは「情報」です。そして,情報を軸にした人間のコミュニケーションスタイルが大きく変わりました。20年前と言うと,あの悲しい阪神大震災が起きてしまった年でもあります。また,3月という月は4年前に起きてしまった3.11――東日本大震災への意識が強くなります。どちらもこの日本で起きてしまったつらい災害です。そのとき何が起きて,被災した方,周囲にいた方,そして自分たちが何を考え,どう行動したのか。

最後の松本さんのコーナーでは「災害コミュニケーション」を題材に,実際に災害時におけるインターネット活用に取り組んだ松本さんご自身の印象と感想,それを踏まえて,今の時代に起こりうるであろう災害に対してどういう心構えを持つべきか,そして,どのようにインターネットを活用すべきか,考察していただきます。
 
以上,ソフト・ハード・情報/コミュニケーションの20年を振り返り,最後はお三方+法林GM・馮のMC2名,計5名によるフリーディスカッションを開催します。
 

20年前の『Software Design』

ちなみに……手前味噌ですが,20年前の1995年,僕が1999年~2008年の10年間在籍していた雑誌『Software Design』(SD)はすでに刊行されていました(1990年10月なので,このとき創刊5年目。そして本日18日,最新号発売ですw)。

せっかくなので1995年のSDの表紙をお見せします。

20年前の『Software Design』
20年前の『Software Design』

Windows/インターネットなど,キーワードが時代を表していますね!さらに細かなところで,SolarisやSPARC,Perl 5,MOSAICなど,ご年配諸先輩方にとっては胸がアツくなるキーワードも見られます。TechLION vol.20当日はこのあたりの話でも盛り上がりたいところです 🙂

あ,もちろん,過去を振り返るだけがTechLIONではありません。20年という時間が生み出したものを振り返り,歴史を学んで,次の20年がどうなっていくのか――それを語っていくのがTechLIONの醍醐味です。

来週3月24日,諸先輩方も若手の皆さんもぜひ六本木SuperDeluxeに足を運んで,みんなでIT/インターネットの過去・現在・未来について語りましょう!
 

次回,開催直前情報は星さんによる豪華プレゼント紹介です~

TechLION映像転載顛末記

TechLION配信担当の木下です。いつもはTechLIONの試合の実況配信をしており、こちらの方で記事を書かせていただく事はないのですが、今回配信アーカイブをYouTubeへ転載した際のドタバタの一部始終なんぞを書いていこうかと思います。この記事を読んでいただいて何かのお役に立てれば幸いです。

さて、配信アーカイブの転載を行うキッカケとなったのは、皆様もご存じかと思いますがUstreamの無料アカウントユーザーの動画保存期間が30日の有限となり、配信からすでに30日以上経過した動画は昨年の10月30日に全て削除(後に11月末までに延長)という発表でした。

発表を受け、

  • Ustreamプレミアムユーザとなる
  • 別の動画配信サービスへ動画を転載する

のいずれかを行う必要があり、スタッフ間で相談した結果、YouTubeにTechLIONのアカウントがあるため、可能であればYouTubeへ転載を行い、転載が不可能な場合でもまずはTechLIONのこれまでの配信動画の保存を行う事に決定。保存についてはすでにスタッフのTomochaさんが保存をしており、自分の対応としてはYouTubeへの転載可能かの確認および可能なら転載ということとなり、さらに念のため自分のほうでも動画の保管の作業を行うことにしました。

通常なら、これで淡々と作業を進めていけば良いのですが、会社の業務関係で配信していた動画の保管も必要となり、結局TechLIONの転載・保存と同時進行で作業を進めていくという状況で作業を進めていくこととなりました。

今回の転載と保存については、Ustream側よりYouTubeへの転載方法と動画の保存方法が公開されており、YouTubeへの転載に関しては規約等で問題なさそうに思えたのですが、念のため動画の転載を行って無事に閲覧できることを確認、ということで転載を行い、一部トラブルがあったものの再度転載することで問題は解消し、無事にすべての配信アーカイブの転載を行う事ができました。

保存に関しては、動画でしかも本数が多いため新規に大容量ストレージを用意する必要があるかと思われたのですが、管理ページで動画の全体のサイズを確認したところ、手元にある保存用デバイスで対応可能なのがわかったので、Ustreamより公開されていたmiroというソフトを使って保存をしようとしたところ、なぜかダウンロードが行われないという現象が発生。

miro-mac
Mac版miro(写真は執筆当時のもの)。作業当時はWindows版と同じDownloadの文字があったのですがなぜかダウンロードが始まらず…

一本もダウンロードできず慌てたのですが、どうも自分のメインマシンがMacで、Mac用のmiroが怪しいということになり、Windowsマシンにmiroを入れてみたところそれまでの苦労がウソのようにダウンロードが成功し保存が進行。

miro-windows
Windows版miro(写真は執筆当時のもの)。こちらの方は順調にダウンロードが行われました。

大半のファイルは保存が完了したのですが、サイズの大きな二つのファイルのみmiroでは保存に失敗し、管理画面の番組一覧よりダウンロードを行っても結果は同じ。どうしようかと考えていたところFirefox用の動画ダウンロードプラグインであるVideo DownloadHelperを使ってFirefox経由で試したところ何とかダウンロードに成功、同時進行していた方も無事保存に成功し何とか対応が完了しました。

DownloadHelper
FireFoxのDowLoadHelper。インストールすることにより動画の保存が簡単に行えます。

今回作業を行って感じたのですが、クラウドサービスが変更もしくは廃止になり、それまで使用していたサービスが使用できなくなるとユーザへ多大な影響が現れるという話は結構ありましたが、今回はそれに近い話ではあったのかなと思いました。今回は別の配信サービスへアーカイブを持っていくという解決策がありましたが、これも複数のサービスを利用して一方のサービスが使えなくなっても別のサービスを使用する事で危機的状況を回避するというのも「最近の流れの様なものなのかな~~」という感覚を覚えた次第です。

現状TechLIONは、実況配信はUstream、アーカイブの公開はYouTubeという体制となっておりますが、現在配信サービスの変更を含めて検討中なので、もしかするとそのうち、別の配信サービスを使用して配信を行うことになるかもしれません。

そして、配信を見ていただけるのはもちろんとてもうれしいのですが、お時間がありましたら会場の方にもぜひ足をお運びください。次回vol.20のチケットも絶賛発売中です。

以上、長々と乱筆乱文にお付き合いいただきありがとうございました。来週は馮さんお願いします。

TechLIONのマークの意味

取材班まつうらです。今週のリレーブログを担当します。今日はTechLIONやいくつかの企業マークの豆知識を紹介します。

マークとは、組織の存在と思想を伝える入れ物

蓄音機に耳を傾ける犬(ニッパー)のマークといえば日本ビクター(現JVCケンウッド)、スリーダイヤといえば三菱グループ、日本の二文字をコウモリの形に意匠化したコウモリマークといえば日本石油(現JX日鉱日石エネルギー)。……という具合に、マークを見れば思い浮かぶ組織があると思います。

それでは、このマークはどうでしょうか?

グリフォンマークTechLIONを思い浮かべてくださいましたか?ありがとうございます。

でも実はこれらのマーク、どれも上記各組織のオリジナルというわけではなく、同じマークを使用している別組織(注1)があります(ありました)。それでも共用している複数の組織の中から特定の組織が思い浮かぶのは、その組織が長きわたり生き続け、存在と活動を認知されたからといえます。逆にマークを制定する組織は認知の受け皿として、マークに自分たちの思いを込めます。

(注1)ニッパー犬マークは、日本ビクターの他にもHMV社RCAレコード社が。スリーダイヤマークは、三菱グループ以外にも三菱鉛筆や三菱タクシー(現未来都タクシー)、弘乳舎三菱サイダー)が、コウモリマークは日本石油の他にもニホンローソクが使用。

TechLIONのマーク、「グリフォン」とは?

TechLIONのこのマークの動物はグリフォンといい、ワシとライオンから成る架空の生き物です。役目はいくつかありますが、一つはギリシャ神話に登場する酒の神、ディオニューソスの酒甕(さかがめ)を守ることとされています。このように神話の時代から存在しており、細部の異なる多数の意匠があるものの、古くから様々な組織が紋章などに利用してきました。

TechLIONのキーワードはご存知の通り、「技術の草原で百獣の王を目指すエンジニア」そして「酒」ですが、グリフォンこそがこれらキーワードを体現し、TechLIONというイベントを執り成す者の思想を込めるに相応しいマークだった、ということです。

本当に「無事」に、立ち上がったTechLION第一回

私にとって思い出深い回を、敢えて選べと言われたらvol.1です。今から4年前、TechLIONというイベントの体を作り、グリフォンマークにその思想を込めて無事立ち上がった第一回です。ここでの「無事」という言葉は飾りではありません。立ち上げようとしていた矢先に起こった大災害で、立ち上がるかどうか、そもそも今そんなことをしている場合なのかと最後まで悩んだそうです。

しかし、立ち上がってよかったと思います。

TechLION vol.1から古橋さんのトークセッション
TechLION vol.1から。sinsai.infoを立ち上げた古橋さんのトークセッション

以前編集長を務めていた雑誌USP MAGAZINE(現シェルスクリプトマガジン)でも紹介しましたが、sinsai.infoを立ち上げた古橋さんのトーク。住処を追われた親戚が私自身にはリアルにいる中で「ITは平常時の社会を潤す仕事。IT技術屋なんて非常時に一体何の役に立つのか?」という思いに苛まれていましが、そんな思い込みを吹き飛ばしてくれました。

TechLIONが立ち上がってから、私は毎試合毎試合、獅子王(ゲスト出場者)達が語る言葉とにハッとさせられてきました。酒を交わし、建前という鎧を脱いだ彼らが発する言葉には鋭さがあり、説得力があります。

このTechLIONらしさ。グリフォンマークと共にこの先ずっと守られていくことを願います。

vol.20開催のお知らせ

このブログでも何度も宣伝していますが、獅子王達のハッとさせられる一言がいつも何かしら聞けるTechLIONのvol.20が3/24(火)に開催されます。参加方法は、web予約(割安)、または予約なし来場で。

フライヤーにも勇ましいグリフォンが復活。とても嬉しく思います。
20 flyer 画像

リレーブログのバトン、次は木下さんに託します!

未来人との遭遇 (vol. 6)

どうもすいません冴えません。上田です。「印象に残った回」ということで一席ぶってくれと仰せつかったのでキーボードを激しくぶっ叩いております。

私の印象に残った回

わたくしの場合はVol. 6のまつもとさんの話で、今後のコンピュータアーキテクチャがどうなっていくかという部分が印象に残っています。コアが1000になったらどうなるかという、そいういう話だったのですが、実に自然な話でした。USP研究所ということで、そういう話を用意していただいたのかもしれませんが。

大学にいて「何とか省の何とかロードマップ」を作っているところに出くわすことが過去1回か2回ありました。先生たちが妄想をふくらませて書くのですが、いくら先生でも未来のことなど分かりゃしないので、読んでみると(さすがに先頭突っ走っている先生たちが書くのでとても面白いのですが)なんか力が入りすぎてるよなあと、それも含めて面白がっていたものです。

それと比べてしまうのもアレなんですが、まつもとさんのお話は上にも書きましたが何か自然というか、その未来の中に本人が入り込んで話してるんじゃねーかと思いました。だからまあ、私はあのとき未来人を眺めていたんだろうと思います。未来における当事者意識を持った人が何かを発明するのは道理にかなっているような気がします。

まつもとさんトーク中
手がブレているのはすこし時間軸のずれた空間に手を突っ込んでいるからという妄想

人の話を聞いたら行動ということで

ご当人が現在、新しい言語を作っていることはみなさまもご存知かと思います。私も気になってしょうがありません。

で、ここまで書いて自分のことを書くのが非常にはばかられる、というか最初から確信犯だったのではばかられるもクソもないのですが、私も言語というかシェルというか、シェル言語を作っており、今週末2/27, 28のオープンソースカンファレンスでお披露目をやります。現在はコマンドをつなぐところは粗々ですが書き切ったので、あとはシェル内での文字列処理等々、細かいところを作っていこうとしております。

本件、私の周囲のごくごく小さな範囲で「Matzさんに戦いを挑むのか!?」とザワザワしていますが、いろいろ違いがあるので戦いを挑んでいるわけでは決してありません。ここにコードがあるので全国のC++書きの皆様手伝っていただきたく・・・(ちょーーーっとコメントが少ないと苦情が出ています・・・)。なんだかよく分かってないけど最左導出でイチからパーサを書いております。どこにでもコードの説明に参上いたします。ていうかC++のレクチャーでもいいですよ。

えー。私事を書きすぎました。TechLION、未来人は希少種ですが出演者の皆様はご活躍の方ばかりですので、ぜひ楽しく食事しながら話を聞きにお越しください。

次回お申込みはこちらから

https://techlion.doorkeeper.jp/events/20284

出演者確定!出演者から演題と概要が届きつつあります。詳しくはこちら。
http://techlion.jp/vol20

次回は松浦さんですか。そうですか。

心に残ったのは、温かいHugでした。<vol.10>

私が一番印象に残っているのは、村井純先生が出てくださった回です。日本のインターネットの父です。このブログ読んでる方で知らない方はいらっしゃらないとは思いますが、この業界のTOPに鎮座していると表現しても過言ではないと思っています。

そんな素晴らしい方に出演いただけるようになったTechLIONは、本当にすばらしいイベントだと誇りに思っています。MCをはじめとするスタッフおよび関係者およびスポンサーさまたち、並びにお客さまに、もう感謝しきれなくらいの有難い気持ちと、仲間意識を感じております。ちょっと書いてて興奮気味なのです、すみません。

20回目を迎えるにあたって、過去のイベントはどれも素晴らしいですし、1つに絞らなければならないなんて、八方美人(見た目は美人と形容し難い)の私の性格からして大変難しい選択ではあったのですが、ここはもうエゴもろ出しで、自慢できる内容にしてやろうとたくらんだのでした。おほほ。

●サイン本GET

本にサインもらった

この写真も本も、一生の宝物です。生きててよかった。ハレルヤ! \(^o^)/

●某岩波書店 と 物理学者の名言

WIDEネットワークは大学間の通信でしたが、初めての外部(民間企業)への接続は岩波書店でした。

NOCとは、ネットワークオペレーションセンターの略ですが、そのNOCとなったのが出版社だったそうなのです。

某大学教授の名言、外部に接続するために岩波をさらっと提案したら、

「岩波ならいいよ、だってアカデミックだもん。」

(民間企業なのに)大学の先生と交流が深かったため、ネットを繋ぐにふさわしい機関(民間企業だけど)として最初に選ばれたそうなのです。当時、専用線は不気味だったそう。このエピソードはMC含む会場一同へえぇぇっとなりました。
そして、物理学者で、特許もたくさんお持ちの後藤英一さんの名言

「電子メールよさようなら、FAXよこんにちは」

この言葉は後藤さんが村井先生に放った言葉です。
電子メールはUNIXや回線を触っている技術者には理解してもらえていたけれども、当時は賢者であって、世界的にも権力のある偉い人(しかも実家は超絶資産家らしい)でも、ネットを理解してもらえなかった。それが村井先生には衝撃だったそうです。

そこで、

「社会に受け入れられるものを作ろう」

と思ったそうです。

これは、忘れてはならない大切なお言葉ですね。うん。本当に。再確認です。

●ハグ

村井先生に別れ際にハグをお願いしたら、ハグしてもらえました。ハレルヤ! \(^o^)/
あの温かさ、一生忘れません。

●来場者のブログ

村井先生がいらしゃるということで、TechLIONに初めて来た、という方もいらした模様。
この回はたくさんブログに書いてUPしてくれていたと記憶しています。

●ビデオ

https://www.youtube.com/watch?v=LHdurRw5hYg
閲覧者数が少ないですが、Ustアーカイブから引っ越ししたばかりなのでそれが理由です。

●収録記事、紙媒体もあるよ。

村井さんの出た回の再録記事があるのは、USPMAG vol.7 です。ラッキー7!

弊誌(現在はシェルスクリプトマガジン)は少部数で発行しているので、在庫残りわずかです。是非記念にどうぞ。

●その他情報はこちらから

http://techlion.jp/vol10
http://techlion.jp/history

ハグしてもらったとか、サイン本もらったとか、事務局なのに、エゴ丸出しで本当に本当に申し訳ないです。

来場者に心から楽しんでいただけるよう地味な作業も手間な作業も喜んで引き受け今後もより一層がんばりたいと思います!!!

●次回お申込みはこちらから

https://techlion.doorkeeper.jp/events/20284

出演者が確定しました!
http://techlion.jp/vol20

来週のブログ担当は、第二シェル書籍を執筆中という噂のブラックエンジェル上田さんです!
シェル芸セカンドブーム到来か。

よろしくお願いいたしやす!