vol.19 : CTF for GIRLS から参戦!

こんにちは、かなり屋です。

TechLION vol.19、3人目の出演者が決定しました!
CTF for GIRLSの まりさんです。
プロフィールをvol.19のページ追加しました。

CTF for GIRLSとは情報セキュリティ技術に興味を持つ女性たちのコミュニティ。
10月中旬には第2回のワークショップが行われたそうです。
第2回 CTF for GIRLS
今年を締めくくる熱い戦い、ますます目が離せません!
 

お申し込みはお早めに☆ココからどうぞ↓↓↓
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TechLION vol.19

=*=*= TechLION vol.19 テーマはセキュリティ =*=*=
日時:2014年11月25日(火) 19:00開場、19:30開演、22:30終了予定
場所:SuperDeluxe(東京都六本木)
出演:満永 拓邦、楠 正憲、他調整中
MC: 法林浩之(日本UNIXユーザ会)、馮富久(技術評論社)
料金:前売2,700円、当日3,200円 (1ドリンク付き)

vol.19出演者だいたい決まりました

next theme

ゼネラルマネージャーの法林です。

例年、この時期は自称「チャンピオン・カーニバル」(通称チャンカン)という、試合続きの日々を過ごしています。もっとも今年のチャンカンはかなり小規模で、

といったところですが、ここに来てまさかの、

10/25(土)-11/2(日):日本シリーズ(阪神vsソフトバンク)

が入ってしまい、試合の準備が滞っています。KOFは関西オープンフォーラムというぐらいなので、スタッフは実行委員長(TechLIONにも出演された中野秀男先生)をはじめとして阪神ファンが多く(たぶん)、同様に支障をきたしている人も多いのではないかと。日本シリーズ終了からKOF本番までの約1週間でどこまで追い上げられるか、なんか違う意味で注目です。

さて、前置きが長くなりましたが本題です。こんなこともあろうかと、vol.19の出演交渉は他の人達にまかせていたのですが、みんながんばってくれたおかげでだいたいまとまったのでお知らせします。

mitsunaga1人目は前回vol.18のエンディングでご紹介した、JPCERT/CCの満永拓邦さん。以前からInternet Weekなどのイベントでご一緒していて、いつかは出演してもらいたいと思っていたのですが、今回セキュリティというテーマを設定した手前、出てもらうならこのタイミングだろうと思い、私からお願いしました。

満永さんは前回のTechLIONにも来場予定だったのですが、当日にbashの脆弱性が発表され、対応に追われて来られなくなってしまいました。NHKの取材もあったそうで、NHK科学文化部のブログに記事が残っています(NHKニュースにも映像で登場したそうです)。次回の本番の日は何も起きないことを切に祈ります。

kusunoki続いて2人目は、楠正憲さん。現在はヤフーで情報セキュリティー関係の仕事に携わっていますが、かつてはマイクロソフト、さらにその前はインターネット総合研究所(IRI)に在籍しており、IRIでは私とも同僚でした。当時およびその後の活躍を見て、この人もいつかはTechLIONに、と思っていたのですが、今回は馮さんの推薦で話が進み、対戦が実現しました。会うのは久しぶりなので、とても楽しみです。

そして、出演者はもう1人、追加する予定です。出ていただく方は一応決まっているのですが、ただいま出演者プロフィールなどを調整しているところです。確定したらWebに掲載してお知らせしますので、もう少しお待ちください。

それから、プログラムの方もだいたい決まりました。第1部、第2部で今年の出来事を振り返り、第3部で今後のことをディスカッションしよう、という感じです。詳しくは後日、このブログで馮さんが説明する予定です。

というわけで、だいたい内容が固まってきました今回のTechLION。年内最終戦でもあります。ちょっと早いけど忘年会的な意味合いも込めて、皆さんに飲んで笑ってトークして、楽しく年忘れをしてもらえたらと、そんなことを願いながら試合を組みました。おかげさまで参加登録もハイペースで伸びています。エントリーはお早めにどうぞ。

=*=*= TechLION vol.19 =*=*=
日時:2014年11月25日(火) 19:00開場、19:30開演、22:30終了予定
場所:SuperDeluxe(東京都六本木)
出演:満永拓邦、楠正憲、ほか調整中
MC: 法林浩之(日本UNIXユーザ会)、馮富久(技術評論社)
料金:前売2,700円、当日3,200円 (1ドリンク付き)

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TechLION vol.19

来週のブログ担当は、最近ビリーズブートキャンプで鍛えているというウワサの高坂さんです。お楽しみに。

vol.19 楠 正憲さん参戦決定っ!!

こんにちは、かなり屋です。
TechLION vol.19 楠 正憲さん参戦決定です!!
今年を締めくくる熱い戦い、楽しみですね〜〜♪

 

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TechLION vol.19

=*=*= TechLION vol.19 テーマはセキュリティ =*=*=
日時:2014年11月25日(火) 19:00開場、19:30開演、22:30終了予定
場所:SuperDeluxe(東京都六本木)
出演:満永 拓邦、楠 正憲、他調整中
MC: 法林浩之(日本UNIXユーザ会)、馮富久(技術評論社)
料金:前売2,700円、当日3,200円 (1ドリンク付き)

近江の国から:くさつ☆バル

こんにちは、かなり屋です。
季節はすっかり秋めいてきましたが、いかがお過ごしでしょうか?

 

秋は散歩が楽しい時期ですが、最近私は滋賀県草津市で開催されたくさつ☆バルへ行ってきました。
チケットを片手に一杯また一杯とまちなか歩きをするのはとても楽しかったです!
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草津市は滋賀県第二の人口を有する都市です。群馬県の草津温泉と間違えて訪れる観光客もいらっしゃるようですが。。。
滋賀県は近江牛の名産地なので、今回のバルメニューにおいしそうな牛肉握りや柔らかいローストビーフを出すお店もありましたが、人気がありすぎてたどりつけませんでした。来年はゲットするぞ〜!

 

さて、TechLION最新情報です。
1) チケット、結構売れてます!
10/17よりvol.19のチケットを発売開始したのですが、売れ行き順調です。
ご予約はお早めに☆

2) 満永拓邦さんのプロフィールを掲載しました

情報が入り次第随時Vol.19のページを更新しますので、引き続きチェックしてくださいね!
–*–*–*– TechLION vol.19 –*–*–*–
日時:2014年11月25日(火) 19:00開場、19:30開演、22:30終了予定
場所:SuperDeluxe(東京都六本木)
出演:満永 拓邦(JPCERTコーディネーションセンター)、他
MC: 法林浩之(日本UNIXユーザ会)、馮富久(技術評論社)
料金:前売2,700円、当日3,200円 (1ドリンク付き)
–*–*–*–*–*–*–*–*–*–*–*–

 

次回のブログは法林GMです!お楽しみに♪

会場で使っているカメラってなんでしょう?

ご無沙汰です。
バトンが回ってきました。
Tomcohaです。

先日のTechLIONのレポートはいかがでしたでしょうか?
ブログなどで使用されている写真の話をしてみましょう。

現在私が使用している機材は、NIKON D300s + SB700 + TAMRON SP AF 17-50mm F/2.8です。

20141016_camera

基本的にTechLIONで使用して撮影しているカメラはスタッフの個人持ち機材。
この構成を選んだのは、一眼レフを購入するときに、D700が高くて買えなかったということと、昔のフルサイズのレンズが使用可能な現行機種ということで、このモデルになりました。当時の安価なモデルを選択するとマニュアルのフルサイズのレンズが使えないことになるんですね。

実際に使ってみると中途半端なところや、ファインダーの視野の狭さ・情報量の少なさ、ISO感度を上げたときの画像のざらつきなど、いろいろと不満はありますが、フルサイズの一眼カメラをなかなか買うことができないといった場合にはぴったりのモデルでした。

レンズはTAMRON製。本当は、NIKON の Ai AF-S Zoom Nikkor ED 28-70mmがほしかったのですが、高すぎて断念。SIGMAとTAMRONを比べたところ、TAMRONのほうが、AFの反応速度が速かったということ、扱いやすかったということでこちらになりました。ただ、発表者などの被写体を狙うと、どうしても、50mmだと広角過ぎて、ちょっと辛いものがありますので、併用して、FUJIFILM X20をサブカメラとして使用しています。こちらは、F2.0 28-112mmですから、ちょうどいいんですね。

撮影しているときに気を付けているのは、ISO感度を上げすぎないこと、なるべく明るいレンズを使用すること、あまりシャッタースピードを遅くしすぎないこと、絞りとシャッタースピードは固定にしています。

ISO感度を上げすぎると、確かに暗いところでも撮影はできますが、ノイズが目立ってしまい、ざらざらした画像になってしまうということと、光の強弱に大きく影響を受けてしまうので、なかなか良い絵が取れません。ここは、カメラの性能などに合わせて上限を決めています。私が使用している機材の場合は、ISO感度は800~1000で押さえており、ケースによっては、最大ISO1600まで使用しています。それ以上は、実用に耐えません。あとは、写真を縮小したときに、どこまでノイズなどを誤魔化せるかというところにかかっています。

シャッタースピードは、1/50s より遅いのは使いません。現在使っているレンズの最大焦点距離は 50mm なのですが、50mm = 1/50s と、焦点距離の数字nとシャッタースピード(1/n)は同じとして、それ以上遅いのは使用しません。なぜならば、三脚などを使用しない限り、手振れのほぼ限界だからです。焦点距離が伸びれば伸びるほどズーム(遠くのものを撮影)できますが、その分手振れもシビアになりますので、長いレンズを使うときは要注意です。また、発表者(被写体)によっては、しゃべりながらよく動かれる方がいらっしゃるので、1/50s でも、ぶれてしまう写真になるので、この辺りは被写体に応じてシャッタースピードを調整しています。
写真を撮る場合、あまり動かない被写体のほうが撮影しやすいですね。

露出とシャッター速度を固定するのは、もともと会場が暗いところに、スポットライトが当てられているところに、スピードライトを使用すると、プログラムモード(自動)では明るすぎたり、暗すぎたりとうまく撮影できないために、手で調整しています。ただ、周りの明るさなど、変わると再調整が必要なので、この辺りはとても忙しいですね。ああ、露出計がほしい。

あとは、記事の媒体にしやすい写真をいかに上手に取るかというとこです。
撮影するには、カメラの個性を理解したうえで、よいセッティングをして撮影するのが一番ですね。私が撮影するときに気を付けているポイントでした!

さてさて、カメラのはなしはここまでで、次回のTechLIONの案内です!
次回は、セキュリティー業界のゲストをお呼びして、2014年のセキュリティを振り返りつつ、一足早い忘年会を開催します。現在既にお一人、満永拓邦@JPCERTさんをお呼びすることが決まっていますが、さらに交渉中です。場所は同じく六本木SuperDeluxe、開催日は11/25(火)です。詳細は決まり次第本サイトで告知致しますのでどうぞお楽しみに!

次回のバトンはかなり屋さんです~。よろしくー!!

 

vol.18報告(2/2)―未来がいくら合理化されてもコミュニケーションの大切さは変わらない

TechLION取材班のまつうらです。先週に続き、9/25に開催したTechLION vol.18のレポートをお届けします。

vol.18のゲストの皆様vol.18のテーマは「未来のライフスタイルとテクノロジー」。第二部では、お迎えした3人のゲストと司会2人の計5人が、このテーマに基づいた台本ナシのフリーディスカッションを行いました。

『やがてこうなっていくのではないか』、『将来はこんなことになっているのではないか』。ディスカッションが進むにつれ、現在とは異なった世界になるであろう未来の姿が少しずつ具体的に描かれていきました。しかし、それでも変わることのない普遍的なものとは。それでは後半戦(注1)の模様をご覧ください。

(注1)録画映像がありますのでの是非併せてご覧ください(第二部#2第二部〜エンディング)。(撮影協力:日本仮想化技術様)

■第二部 ジャングルバス.com

第二部第二部では4つのテーマについてトークが展開されました。ここではその中から2つのテーマについてなされたディスカッションを要約してお届けしたいと思います。

ウェアラブルコンピューティング

馮P:この間、アップル・ウォッチが発表されましたが、ウェアラブルコンピューティングについ聞いてみたいです。この手のものを既に使った事があるかとか、皆さんどう思われているとか気になります。
増井先生:塚本昌彦っているじゃないですか、だいぶ前からずっとウェアラブルで生活している……。彼とは昔同僚だったんですが、メガネをつけてアホかと思っていたらやっぱり全然流行らないし、突然何か知りたくなってググりたいというのもあんまり活用してるようには見えなかったし。私は腕時計とかすごく嫌いで、つけるの嫌なんですよ。本当はメガネも嫌なんだけど、よく見えないからつけている。よっぽどシンクロしないとつけられないんですよ。まあグーグル・グラスなんかは1日に5回くらいは便利かなーと思うんだけど、ちょっと使う気にならないですね。
瀬尾さん:自分の場合、ファッションに影響するものはあまりつけたくないなと。でもNike+でランニングする時にアップル・ウォッチで取れたら、その時は使おうと。色んな技術が何年かの周期でバージョンアップしてくるのでブレイクスルーが起こるんじゃないかと思いますけど、現時点ではまだ特殊用途という感じかなあと。
寺園先生:メガネや腕時計をつけたくないと増井先生がおっしゃっていたけど私もそう。あちこち置き忘れてしまって、後から大騒ぎしたり……。よく付け忘れるので、やるんだったら体に埋め込むとか、身体に無線LANが走っているとか、そこまでやらないとうまくいかないんじゃないかな。
瀬尾さん:一時的には生体に入れられても、人間の抗体の作用で膜が作られて機能しなくなっちゃうという話もありますし、そこをもっと恒久的にやりとりできるようなデバイスができた時に初めてウェアラブルの時代になるのかなあと。そこまでくるともう「ウェアラブル」と言わないのかもしれませんが。
寺園先生:宇宙飛行士なんかは例えば国際宇宙ステーションにいる時、人間の無重力の影響を調べるために、見られまくっているんですね。血圧やら心拍数やら、尿も採取して検査したりとか……。体にセンサーを埋め込むっていう方法もありますけど、外部からセンシングしてもいいわけですね。病院へ行かずともリモートで心拍数をずっと見張っていて、それがいきなり止まったら消防に通報するとか、そういうような動きが出てくるかもしれない。

2020年の24時間・2020年のスマホ

vol.18ゲスト馮P:これ聞きたかったんです。2020年は東京オリンピックがあるわけですが、最初の東京オリンピックがあった1964年と比べて、今現在は生活環境や活動時間ってかなり変わってると思います。では6年後はどうでしょう。特にITと絡めて。
寺園先生:私は、あんまり家の外に出なくても全てできるのが理想というか、通勤ラッシュは嫌ですね。会津に移ったのも、昔片道2時間かけて通勤していた時期もありましたが職住近接な場所がいいなっていうのもあってのことで……。さっき言った病院に行かなくてもセンサーで全部なんとかなるとか、問診もテレビ電話で受けられるとか、既に買い物はほとんどネットで届きますし。ほとんど家の中でっていう人たちが増えるかなあと思います。
増井先生:年を取ってくると特に重要な資源は時間なので、時間を無駄にしないことは大事ですよね。無駄にしないというか、長いと自分が思えばいいわけじゃないですか。一般的には年を取ると時間は短く感じられるという説がありますが、短いと感じるのはたいてい同じことを繰り返しているからで、人生gzipだと思うんですよ。昨日、今日と同じことやっていると、gzipのようにどんどん感じる時間が圧縮されてしまうけど、それは避けたい。それじゃどうするかというと、毎日違うことをすればいいわけですよ。……全然2020年と関係ないですけどそんなことを思っています。とにかく、何か違うことをやらないと。
瀬尾さん:6年後なので基本的には変わらないかなと思っています。ただ、知的な作業は先進国の人の特権のようなこれまでのイメージは変わるかなと。プログラムの学習コストとかどんどん下がってきて、物事に習熟する時間が昔に比べて増えていき、世界中で新しいことを考える人がどんどん出てきて、「ここまでできるのか」ってところにまでなってきました。
馮P:技術のコモディティ化なのかもしれませんね。
寺園先生:今逆に、何に時間がかかっているのかと考えると面白いですね。例えば掃除する時、昔はほうきだったけど、電気掃除機ができて、今はルンバができて……、主婦の仕事がぐんと減って家事や生活を変えましたよね。こうして考えると、瀬尾さんがおっしゃったようなクリエイティブな仕事に時間を割く人がもっと増えるかもしれない。もちろん、そうならないかもしれませんが。
馮P:でも増えた時間に何をしているかというと……
寺園先生:スマホゲームとかですか?(笑) それ知的生産じゃないですよね。一見楽しんでいるようですが頭は疲れているわけで、逆に怖いと思います。スマホゲーム作っている方がいたら申し訳ないですけど。
増井先生:ゲームに限らず、スマホ自体がダメでしょー。知的生産ができていないことは置いておいても、無駄なことを繰り返しているだけだし。そうすると時間を圧縮しているわけだから、人生を短くしているだけですよ。

MCs法林GM:2020年にはスマホってどうなってますか?
増井先生:あ、いい質問ですねー。2020年くらいになると、皆ジョブズの騙しから解放されているんですよ。だからみんなガラケーを使っている、と。(笑)
法林GM:僕には今作る能力はないけど、なんか別のものが出来ていて欲しいなあというのはありますね。
増井先生:正しいですよ。ぜひ作ってください。
法林GM:えー、俺が作るの!?
瀬尾さん:以前実際に話題にしたことがあるんですけど、まずスマートフォンを使っている姿がスマートではないという……。東横線とかでサラリーマンが疲れた様子でスマートフォンわざわざやっているんですよ。もっとシンプルなものがそろそろ出てほしい。

瀬尾さん:2020年には間に合わない、SF的な話ですけど……。AIが発達してAI自身が自分でプログラミングをするようになると人間の知的生産活動は飽和して要らなくなるかと思うのですが、そうすると人はそこでいう知的生産活動とはまた別の、かといって単純な労働とは違う別の何かを求めるようになるんじゃないかと。例えばコミュニケーションであったり……。その時価値を見い出されるであろう、その「何か」がこれから大事になっていくんじゃないかと考えています。
寺園先生:僕はけっこうウェットなところがあって、最後は人間同士かなって思います。最後は人間同士がハグをしないとコミュニケーションできないのかなっていう思いがどこかにあると思うんですね。家から一歩も出なくなると、逆に家から出て情報サービスを受けたいとか、たまには昔の長屋の生活にかえってみたいというふうに、欲求が出てきて、ずっとじゃないけど、昔の生活をしてみたいって思うようになるかもしれませんね。
増井先生:だからやりたいことは江戸の昔から変わっていないんですよ。旨いもん食いたいとか面白い話が聞きたいとか誰かと一緒にいたいとか……。今ウェブで一番流行っているのはコミュニケーションでしょ。人間生活にコミュニケーションが大事だっていうのも何千年前から変わっていなくて、それがそもそもなんですよ。それらを実現するために今スマホを使っているわけですよ。スマホなしに実現出来たら、スマホなんかいらないわけじゃないですか。世の中スマホベースで物を考えているでしょ。それはいけない。コミュニケーションが流行るのは間違いないんだからそれが一番大事だと思ってやっていればいいんじゃないでしょうか。

未来について語り合うと、それまでぼんやりとしか浮かんでいなかった姿がこんなにも具体的なところまで想像が巡るものなんですね。第二部を聴いていてそんな様子がとても面白かったです。しかし、技術が進歩してライフスタイルがいくら合理化されようともコミュニケーションが大事という結論に帰着するところもまた興味深かったです。ゲストの皆様、ありがとうございました。(下の写真は、毎回恒例の出場者記念撮影。写真にマウスを重ねると……)

■次回は11/25「2014年のセキュリティを振り返る」

next theme
次回は、今年のセキュリティを振り返る。

次のTechLION(vol.19)、もうテーマが決まっております。「セキュリティ」です。4月にHeartbleed、そしてvol.18開催の直前に発覚したshellshockと、最大レベルのセキュリティーホールが、今年は2つも見つかりました。いや、まだ出てくるかもしれませんが……。

そこで、セキュリティー業界のゲストをお呼びして、2014年のセキュリティを振り返りつつ、一足早い忘年会を開催します。現在既にお一人、満永拓邦@JPCERTさんをお呼びすることが決まっていますが、さらに交渉中です。

場所は同じく六本木SuperDeluxe、開催日は11/25(火)です。詳細は決まり次第本サイトで告知致しますのでどうぞお楽しみに!

 

 

 

vol.18報告(1/2)―技術の先に、各者が見い出すテーマが興味深い

TechLION取材班のまつうらです。今週そして来週のブログでは、9/25に開催したTechLION vol.18のレポートをお届けします。

某滋養強壮剤とステージ
某滋養強壮剤とステージ(本番中お酒の代わりに振る舞われたわけではありません!!)

TechLIONといえば、お酒とステージという組み合わせのイメージ画像が定番ですが、本日のゲストのお一人が、このドリンクに大変ゆかりの深い方なので今回はお酒の代わりに某滋養強壮剤(ぜんぜん某じゃない!)を置いてみました。

さて、今回vol.18のテーマは「未来のライフスタイルとテクノロジー」。技術の中身について語るというより、その技術が日常生活とどんなふうに関わっているのか、更にはそれによってどんな未来が作られるのか、といったことを語り合おうという趣旨の回でした。

今週はゲストの方々の個別にトークをした第一部(注1)の模様をお伝えしますが、各テーマは、「宇宙探査」に「企画書作り」、「ユーザーインターフェース開発」と、いずれも技術と何らかの形で関わりを持つ内容になっていました。

(注1)当日の全セッションの模様の録画(第一部#1第二部#2第二部〜エンディング)を公開しています。(撮影協力:日本仮想化技術様)

■第一部 ITサファリパーク

#1 寺薗淳也先生―宇宙探査の仕事も今やITが欠かせない

寺園先生本日の一番手は寺薗淳也@会津大先生。題目は「天体をITで歩こう! 〜月・惑星探査とITとのステキな関係〜」です。

寺園先生は、あの小惑星探査機「はやぶさ」プロジェクトに携わっていました。公式ブログにてイトカワへの2度目タッチダウンを徹夜で実況した際、なぜか中継現場にリポビタンDの空瓶が増えていった(12)エピソードはファンの間であまりにも有名。なんと来場前には大正製薬さんと打ち合わせしてたそうです。「宇宙探査の疲労回復にはリポビタンD!」

さて、宇宙探査の業界でまず知っておくべきこと。それはデータ量が物凄いという事。例えば月探査機「かぐや」が送ってきたデータは全部で30TB。火星探査に至ってはこれまで集まっているデータを集めると1PB(=1,000TB=1,000,000GB)に達するのではないかといいます。それらは主に画像データであり、スペクトル解析をしたりします。すると何が嬉しいかというと、どんな鉱物が存在しているかが正確に特定でき、そこから構造や出来事を解明する手掛かりが得られるそうです。

解析してわかった月の表面
スペクトル解析でたくさんのことがわかる(写真は月の表面)

そういった作業を、以前は人間が手でやっていましたが、膨大になった今はそうはいきません。独自のアルゴリズムにより自動判定する仕組みの開発に挑戦したりもしたそうです。これを「秘伝のたれ」と称していらっしゃいましたが、そうやって先輩から後輩へプログラムを受け継ぎならが改良していきます。受け継ぐのは勿論プログラムだけではなく、データも同様です。メンバーが現場を去った時にデータの所在や意味が分からなくなってしまっては大きな損失になってしまうため、共有する空間の整備、フォーマットの共通化が重要だそうです。

the moon station
中秋の名月の時期になると、運営しているこのサイトにアクセスが殺到するそうです

惑星探査業界におけるITの活用はデータ解析ばかりではなく、ミッションを確実に成功させる探査機の設計から情報公開や普及啓蒙など「アウトリーチ活動」のためのWebサイト運営に至るまで様々なところで行なわれています。ちなみに、現在先生が運営なさっているのが「the moon station」。惑星探査をはじめ様々な情報を発信しているそうですが、中秋の名月の時期はアクセスが殺到するため、仮想サーバーを増強するとのことです。8,9,10月はファイト!一発!

ITは、もはやここでも必要不可欠な存在になっているんですね。ありがとうございました。

#2 瀬尾浩二郎さん―人に伝わる企画力の必要性を感じた

瀬尾さん二番手は、瀬尾浩二郎@セオ商事さん。題目は「エンジニアのための企画書講座」ということで、実戦的なお話が興味深かったです。

瀬尾さんは、大手SI会社を経て、面白法人カヤックに入り(現在は独立)、web・モバイルアプリ、そして「よくわからないものを作る担当」をされていたそうです。過去の作品で「閃光会議室」や「今日の緑さん」など紹介されていましたが、確かに名前を聞いた限りではよくわからないものばかり!しかし、それを納得させ、実現までもっていく能力こそが企画力なのではないでしょうか。そんな瀬尾さんが語ったトークに注目です。

企画力をつけようと思った動機は、「壁にぶつかった」からだと言います。30代くらいまでエンジニアをやっているとなんとなく一人前になってきます。一方で、大企業から「こういう面白いものを一緒に作りたい」と提携の誘いがあった時、企画をまとめて案件化することがなかなかできなかったそうです。ところが近くに、自分に近いスキルセットを持った人がいて、その人はクリエイティブディレクターとして企画やプレゼンをやっていることに気づき、その時「自分にもできるんじゃないか」と思ったそうです。

スマート冷蔵庫プロジェクト
ありがちなプレゼン用のスライドですが、これは良くない例

そして、一枚のスライドを出しました。「スマート冷蔵庫プロジェクト」。よく見かける雰囲気の企画書なのですが、実はダメな例だというのです。まずフォント。「太くて黒く、冷蔵庫の話にしてはちょっと強すぎ。例えば細めのNotoフォントにして色も水色にして、その代わり大きくしてみたり……」実際、フォントは繊細に使い分けているそうです。他にも「ページに詰め込みすぎない」とか「専門用語を避けて誰でもわかる言葉で」など、いろいろ指摘さてれいましたが、印象的だったのは「資料に使う画像素材をイメージ検索で拾うなどせず、自分で作る」でした。有り物を引用すると「それを作りたいの?」と思われて新規性の訴求には不利。瀬尾さん「美術の成績は2」だったそうですが、自分でイラスト(ポンチ絵)を描いたり、Keynoteで作画したりするそうです。

自分で描くポンチ絵
有り物の画像を流用せず、自分で絵を描いた方がよっぽど効果的だそうです

企画が通らないなかで、企画より人を見ていることが多いと気づいたそうです。「この決裁者は何を考え、何を意識し、何に満足するとOKするのか」など。そして、通らない時は「相手が企画を理解できていないんじゃなく、自分ができていない」ことが多く、またそう考えるようにしているそうです。

なるほど、企画書の中身もさることながら、見せられる相手や作っている自分についての把握も重要ということですね。ありがとうございました。

#3 増井俊之先生―計算機を進化させるアイデアが足りない

増井先生三番手は、増井俊之@慶應大先生で、題目は「全世界インタフェース」です。

増井先生は、今は教員をされていますが、シャープソニーアップル等を渡り歩き、いわゆるガラケーの予測変換システムの先駆けであるPOBoxや、フリック入力など多くの方がお世話になっている日本語システムを生み出した方。それ以外にもコンピューターの画面を共有するサービスGyozo.comも先生の作られたものです。これは非常に直感的で単純な使い勝手を実現しており、今回のトークで言わんとしていたことを理解するためにも是非動かしてみることをお勧めします。

しかし、その言わんとしてることとは「計算機界の現状について憂いている」という話でした。というのもコンピューターは、紙テープやキーボードの登場等を経て、GUIが主流になった90年代頃まで劇的な進化を遂げてきたのに対し、それから20年以上現在に至るまでGUIの基本的な仕組みは何も変わっていないというのです。細かな点では良くなっているけど、知っている人(専門家)にだけ使いやすいシステムである点は変わっていなく、苦手な人にとっては苦手なもののまま。例えば「動画が見たい」と思ったら、YouTubeで見るのか、動画アプリで見るのかといった「手段」をまず考えなきゃならならず、やりたい事とやるべき事が素直に一致していないというわけです。

長屋コンピューティング
「長屋コンピューティング」。今どきこんな古い家に住みたいとは思わないけど、どうすれば住んでもいいと思えるか?

先生はここで、江戸時代の長屋を例に挙げました。凄く狭くて、煮炊きはかまど、暖房は火鉢……、「今どきこんな不便なところに住みたくないでしょ?」と。でも、ここにWi-Fiがあって、室内のあちこちにあるセンサーでキーボード入力。障子は大画面スクリーン。狭いけど電子書籍が読み放題だし、隣がコンビニなので冷蔵庫も台所も不要……、だったらどうでしょう。今度は「これなら我慢できるでしょ?」と言います。つまり、先生は言いたいのはこういうことでした。「センサーやネットワークなど、進化を起こすのに必要なデバイスは十分にある。でもアイデアが足りない」と。

ここで法林GMが「斬新なものを思いつく発想はどうやって磨けばいいんですか」と問いました。すると先生はこう言いました。

すげー考えて、シャワーを浴びて寝るんです。シャワーを浴びている時ってそれしかできないでしょ。あと、音楽を聴かないことが重要。これは色々な人の体験談に共通しています。
要するに他の事したり音楽聴いたりしていると、脳がそちらの仕事に使われてしまうんですよ。まぁいい加減な理論ですけどね。

スマホはジョブズの呪い!?
「スマホは知的生産活動のできないツール、きっとジョブズの呪いだ!」と、スマホを一刀両断!

シャワーを浴びるとか、音楽を聴かないというのがアイデアを生むのに役立っているという話は興味深いですね。現代は音楽もそうだし、暇さえあればスマホをいじるなど、脳に休む暇を与えない習慣がアイデアの不足を招いているのでしょうか。そういえばアルキメデスの原理も彼が入浴中に思いついたことで有名ですね。

皆さん、興味深いお話をありがとうございました。

さて来週は、今回の出場者が一堂に会し「未来のライフスタイルとテクノロジー」を語り明かす第二部の模様をレポートします。お楽しみに。