【EC・決済最新動向】TechLION vol.24報告

 

こんにちは、レポート担当の田中です。寒さがいよいよ厳しくなってきましたね。

さて、1月14日(木)に、TechLION vol.24が開催されました。  今回のテーマは「EC・決済最新動向」。Webショッピングが当たり前となった今、皆さんにも馴染みが深いテーマではないでしょうか。

 

それでは早速、当日の模様をお届けしようと思います!

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■日本におけるFintech事業への関わり方について

 

最初の登場はえふしん/藤川真一さん。

BASEでCTOとして開発者向けのオンライン決済サービス提供といった分野でご活躍をされているえふしん/藤川さんに、日本におけるFintech事業への関わり方についてお話しいただきました。

ビットコインやブロックチェーンといった既存のシステムに取って代わるようなFintechの技術は、リアルな通貨そのものを変える可能性がありますが、実現化・普及には与信の難しさという課題を解決しなければならないとのこと。日本人の慎重な性格や、既存の金融システムですでに消費者とシステムの相互信頼関係が構築されていることを考慮すると、新たな参入にはそれなりのコストを覚悟しなければなりませんよね。確実な成功のためにはビジネスロジックとテクノロジードリブンだけでなく、与信管理や個人(法人)の意思決定をいかにサポートするかという観点が必要になるのでしょう。

印象的だったのは「楽天カードはFintechビジネスの教科書」というお話。楽天カードは低い審査条件が特徴的で、比較的作りやすいクレジットカードであることが知られています。Fintechビジネスの対象となるのは個人や低所得者層のユーザー・中小企業への融資が中心であることから、入り口を広くとるという点で近しいものがありますね。また、楽天カードには途上与信の厳しさといった特徴があり、ユーザーは確実な支払いの継続が求められるのですが、このシビアな特徴もFintechビジネスの成功に求められる要素でしょう。そういった意味ではBASEはシンプルで小回りが利くため、モノを売るということへの広い入口になりえ、誰でも確実に支払いができるという理にかなったインターネットビジネスであるように感じました。

 

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■ECのダークサイド カード詐欺の実態と対策

続いて登壇したのはかっこ株式会社の亀山 誠さんと稲数 裕之さん。

ECサイトのダークサイドと題して、「不正」に対する基礎知識や具体例、備えるためのノウハウをお話しいただきました。

近年、不正ログインだけではなく、不正送金やポイント交換などが多発し、社会問題化しています。その手口としては、フィッシングサイトや偽ブランド販売サイトから入手したID・パスワードを使ってクレジットカード情報を得ているとのこと。まるでルパン三世の様な巧妙な手口ですね。実演していただいた例では、実際に検索上位にヒットしたサイトが実は偽ブランド販売サイトであり、個人情報を登録すると全て外へ流れてしまう仕様になっていると解説を頂きました。

被害を防ぐには、相手側は私たちが想像しているより賢く、いつ騙されるかわからないという危機感を持つことが大事であると感じました。例えば偽ブランド販売サイトにはサイト内の文章などが不自然だったり、安すぎる価格設定と言った特徴があるとのことでしたが、こういった特徴はセキュリティについてのプロでなくても注意できますよね。近年では自主的な不正対策だけでは対応しきれないケースも増加中であるので、内製化をして人的にカバーするだけでなく企業間でのブラックリスト共有であったり、名前や住所のファジーなマッチングといった対応策を講じる必要があると締めくくられました。それでも、初回被害を防げない、同一ユーザーが情報を変えてくるなど対応が難しいケースが存在する現在、被害を拡大させないための専用システムの導入検討が必要でしょう。

 

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■ワールドワイドなソフトウェアECについて

最後に登場したのはact2 の加藤さん。

ワールドワイドなソフトウェアECと題し、ソフトウェアの越境ECにおける課題や展望についてお話いただきました。

現在は、デベロッパーと消費者の間にMac App StoreやAmazon download、Microsoft Storeといった各プラットフォームがダウンロードサイトを用意しています。このような大手のダウンロードサイトでは、新たなソフトウェアをリリースしても上位のアプリに埋もれてしまって目立たないことも多いのだとか。そのため最初から大手のストアに入らないベンダーさんもいらっしゃるということです。メジャーなプラットフォームに頼らず自社サイトでのダウンロード販売を行う場合は、売り上げにつなげるのが難しいという難点がありますよね。ECの仕組みを作っただけでは認知度が低いままで、消費者まで届かないこともあるのだとか。そういった場合、どのようにターゲット国のユーザーに訴求していくのか、ECサイトでのマーケティング法も検討する必要があると感じました。

個人的に共感したのは、販売インフラが整うことでユーザーにより良いサービスが実現可能であるということです。例えばセッションの中で触れられていたDigital Riverが提供するMyCommerceといったシステムは、世界規模でのビジネスに向けてパッケージ化されているので、こういったシステムを利用することで効率的に販路創出や法令遵守といった課題をクリアできるのだとか。ほかにも、Shinobi Defense Platformのようにすでに積極的に世界展開をしているソフトウェアを扱っているからこそわかる視点でお話いただきました。加藤さん曰く、世界を視野に入れ売り上げを伸ばそうとする場合は、言語や日本と異なる税制度といった様々な壁を乗り超えなければなりませんし、コンセプトメイキングの時点から世界展開を考える必要があるとのこと。ユーザーに響くコンテンツを作り込み、売るためのチャネルを確立させ活用することでサービスが消費者に届くのですね。

 

■試合後のコメント

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白熱したセッション・パネルディスカッションが行われあっという間に時間が過ぎていきました。参加されたBASEのえふしん/藤川さん、かっこの亀山さん・稲数さん、act2 の加藤さんからコメントを頂いているのでお送りします。

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えふしん/藤川さん

BASEの藤川(えふしん)です。今回、ECの話で打診をいただいたのに、年末、メディアを通じてFintechに関する話が突如盛り上がり、話をした内容がFintechの話でした。これまでECに長らく関わってきた経験から言うと、ECの話は地味でなかなかイベントとして成立しません。そういう中で、今回企画が成立したのはTechLionというコミュニティがあったからですし、それが年末を通じて、イベントの内容がタイムリーなFintechにまで昇華したのは、いわゆる時代性のタイミングを掴むコツそのものだなと思いました。

Fintechをスタートアップ視点の技術的なうまみとして紐解くと、ブロックチェーンというハッシュを活用した新しいプロトコルや、データ解析、機械学習、AIなどがアプリケーションのバックボーンとして存在しています。また、お金を扱う仕事ということで、スピードとミッションクリティカル製を実現するスピードと安全性が求められますが、そうは言っても、言うほど特殊な技術は多くはありません。ある意味「あたりまえの技術の集大成」としての応用事例の一つだと捉えてもらえるとよいかと思います。
こういうビジネスへの関わり方についてはイベントでも話した通り、技術だけでビジネスが成り立つような世界ではないと思います。しかし、間違いなく技術者を求めている世界ではありますので、もし興味があるようでしたらFintechに是非ともチャレンジしてみてください!

>FinTech分野はテクノロジーによるイノベーションが必要だと思われがちですが、成功例は、えふしん/藤川さんがおっしゃるとおりにある意味「あたりまえの技術の集大成」がベースに積み重ねられたもので、その基盤にアイディアが付け加えられたのかもしれませんね。

 

亀山さん

来場者の方々にとっては普段あまり馴染みのないであろう、EC決済の裏側や不正についての話をさせてもらいましたが、非常に興味を持って聞いていただき、関心の高さを感じました。今後もし不正対策に取り組まれる事がありましたら、今回の話が少しでもお役に立てれば嬉しく思います。

また、フリートークでは、ECや決済の未来について面白い議論ができて非常に有意義でした。特にブロックチェーンについては、これだけ切り出して、続きの議論をやりたいくらいでした。お酒を飲みながらということもあり、雰囲気も良く、楽しい時間を過ごせました。

>クレジットカード決済や後払い決済が悪用されるポイントなど、リアルに今後起きるだろう問題についてお話いただけて、聞き手としても危機感を持ちつつ勉強することが出来たと感じます。

 

稲数さん

「EC・決済最新動向」というテーマにおいて、便利なサービスの裏側に広がるダークサイドについてお話ししました。そこに向き合う不正対策は、話としては興味を持たれる方が多いものの、実業務としてはどうしても後回しになりがちな分野です。今回目指したことは、後回しにすると何が起こるかをお伝えするために、今起きていることをつかんでいただくことでした。本当であればもっと詳しくお話ししたいこともあるのですが、不正対策はその性質上あまり公開できないことも多く、悩みどころでした。もしご興味ある方は、かっこのWEBサイトからお気軽にご連絡いただければ幸いです。

>実例も交えつつのセッションで対策が遅れるとどうなるか、身につまされました。後回しになりがちな分野だからこそ、手遅れにならないうちに対策を講じておきたいものですね。

 

加藤さん

Face to Face が、人間的には基本なのだなあとあらためて痛感いたしました。

われわれの仕事は、ややもすると、コミュニケーションにおいて、電話すら怠り、たった一通のメールで終わらせてしまうケースが目立ちますが、あらためて反省した次第です。また次回、(オーディエンスの一人として)是非とも参加させて頂ければと思っております。

>仰られるように、特に技術的な分野では、こういったFace to Face による双方向でのセッションが重要ですね。一人でなく『みんなで』行うことで、新たな気付きやアイディアが生まれていくのだと思います。

 

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次回TechLION vol.25でTechLIONは5周年を迎えます。

2016年4月上旬、会場は変わらず六本木SuperDeluxeにて開催予定です。

キーワードは5と25と100。

次回の4人(予定)で出演者100人達成です!続報をお待ち下さい。

 

追加情報は適時更新いたしますので、

引き続き当ウェブサイトのチェックをお願いいたします!

 

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