TechLION運営スタッフの法林です。
皆さんごぶさたしています。
今年初回のTechLIONまであと1週間ほどになりました。すでにイベントページは公開しており、チケットも発売中ですが、あらためて今回のイベント内容や企画した経緯などを紹介します。
今回、テーマとして取り上げるのは「コミュニティの終活」です。
私も35年ほどITコミュニティの世界で暮らす中で、たくさんのコミュニティが生まれては消えていくのを見てきました。しかし、消えていったコミュニティの活動記録が詳細に残されていて、後から追えるようになっている例は少ないように思います。
私も日本UNIXユーザ会(jus)というコミュニティを運営していますが、設立から42年が経過し(1983年設立)、スタッフの高齢化や存在意義などを鑑みて、ゴール(活動終了)を意識するようになってきました。ただ、40年以上活動する中でやってきたことはたくさんあるので、それを何らかの形で残すことはできないかと考えています。
そのようなことを考えていた中で今年の4月に馮さんと決起集会を行い、そこで偶然にも馮さんから「コミュニティの終活」というテーマが提案されました。これは私も当事者なのでぜひやりたいと思い、今回はこの話題を取り上げることにしました。

それでは、今回の出演者を簡単にご紹介します。
1人はkobakenさん。Japan Perl Association(JPA)の理事であり、長らくYAPCの運営に携わってきた方です。日本におけるYAPCはYAPC::Asiaとして開催されてきましたが、2015年にいったん終了しました。それを受けてYAPCを続けたい人達が集まり、新たな運営コミュニティを形成してYAPCは継続され現在に至ります。ちなみに今年は「YAPC::Fukuoka 2025」として11月に福岡で開催されます。kobakenさんはこのようなコミュニティの継続、そして次世代へのバトンタッチを経験した方としてお招きしました。
もう1人は坂井恵さん。2003年から日本MySQLユーザ会(MyNA)の運営に参加し、現在は副代表を務めています。MySQLは1990年代から現在まで長く使われているソフトウェアで、今年の3月にはMySQLの30周年とMyNAの25周年を祝うイベントが開催されました(gihyo.jpにレポートが載っています)。そのような息の長いコミュニティ運営に携わってきた方として、またMyNAだけではなく他のコミュニティイベントにも積極的に参加されている方から見て日本のコミュニティがどう見えるのかを伺いたいということでお呼びしました。
TechLIONはセミナーや勉強会のような学びの提供は二の次で、それよりも与太話でもいいから参加者の皆さんに楽しい時間を過ごしてもらうことを第一に考えています。そのようなイベントにおいて、今回のような「終活」という話題で楽しんでもらえるかどうかはわかりませんが、イベントページの説明文に以下のように記したように、
終わるための淋しい話ではなく、継続してきて見えてきたこと、また、その課題、そして、今後コミュニティが「活動」し続ける、あるいは「記憶」と「記録」に残り続ける――コミュニティがみんなの中につねに存在し続ける――ためにはどうすればよいのか、そんなポジティブな未来を迎えるための話題を、歴史ある各種コミュニティ関係者にお話しいただき、MCを交えてワイワイと語り合います。
たとえコミュニティが消えてしまったとしても人々の「記憶」と「記録」に残るにはどうすればよいのか、ポジティブな未来を考えるひとときにできればと考えています。
現在隆盛を極めているコミュニティも、その輝きが永遠に続くとは限りません。いつかはこれまでに消えていったコミュニティと同じように終活を迎えるときが来るかもしれません。そのときどうするのかを考えるためにも、足を運んでみてはいかがでしょうか。6/24(火)の夜、西新宿にあるさくらインターネット東京支社でお待ちしています。