ゼネラルマネージャーの法林です。
開催からちょっと間が空きましたが、6月8日(木)に行ったTechLION vol.30のレポートをお届けします。今回はこちらの方々をゲストにお迎えしました。
- 小島英揮さん(JAWS-UG設計者、CMC_meetup発起人)
- 牧大輔さん(builderscon運営チーム、元YAPC::Asia Tokyo主催)
- 星野邦敏さん(コミュニティコム代表取締役、コワーキングスペース7F運営代表者)
- 平井則輔さん(JANOG副会長)
切り口やジャンルはそれぞれですが、皆さんコミュニティ運営をずっとやってこられた方々ばかりです。今回の対戦は自分もとても楽しみにしていました。
さて本番。馮さんと法林によるオープニングトークの後、ゲストの皆さんをお迎えし、かんぱーい!試合開始です。
前半戦
前半は、ゲストの方々それぞれに私から質問を投げかけて、それをもとにトークを展開しました。ゲストの皆さんに提示した質問は以下の通りです。
- 小島さん:「AWS Summitどうでした?」「AWS以後の活動について」
- 牧さん:「buildersconの準備はどうですか?」「YAPC::Asiaとbuilderscon」
- 星野さん:「増床するんですか?」「地域コミュニティの楽しみと辛み?」
- 平井さん:「JANOG40の準備はどうですか?」「20年間ずっと活発なのはなぜ?」
展開されたトークの詳細はYouTubeにて配信した映像をご覧いただくとして、ここでは自分の印象に残った言葉をいくつか記します。
- 日本のAWS Summitは世界中のAWSイベントの中で最大規模
- 最大規模になる過程でコミュニティが果たした力が大きい
- 会場はクラウドと違ってオートスケールしない(笑)
- buildersconではトークの採択にSNSを活用している。例えばfacebookのいいね!の数などを参考にしている。
- buildersconを立ち上げたのは、誰でもやれるカンファレンスの枠組みを作りたかったから
- 星野さんが経営するスペースは、ビルの7Fにあるので「コワーキングスペース7F」と命名したが、増床して6Fや8Fにも進出したため、今では8Fにも「貸会議室6F」が存在する
- コワーキングスペースは、実施するイベントと置いてある本で来店する客層が変わる
- JANOG40ではJANOG設立20周年記念イベントも実施される。歴代会長が登場したり、被災地関連の話題もあり。
- JANOGが20年続けられたのは、困っている人達の受け皿になれたから
- JANOGには運営委員の役割を記した文書があり、その中に「運営委員としての役目を果たせなくなったら自ら辞任すべきである」というような一節がある
これだけでもかなり濃い話だったような気がしませんか?気になった人はぜひ映像でご確認ください。
後半戦
後半は、私からお題を提示しながらも、基本的にはフリートークで展開していきました。こちらも、私の心に残った言葉をいくつかご紹介します。
- コミュニティは技術者のものと思われているかもしれないが、実は顧客と企業を結びつける良いマーケティング媒体になっている
- 昔に比べてコミュニティが緩やかになっている。例えば、昔はフットサルをやりたければチームに入らないとプレーできなかったが、今は「個サル」といって、1人で会場に行くと、そこに集まった人達でプレーできる。
- コミュニティは「一緒にやりたい奴とやる」のが一番いい
- コミュニティが愛されるコツは「大義名分」や「共感できるお題目」
- 愛を表現できる場を作るとよい。たとえばライトニングトークとかでいろんな人に発表する機会を提供するのは効果的。こうすることで参加者から当事者になれる。
- MLに比べてSNSは反応が得やすいので、コミュニティの運営上、とても良い
- 原始時代から人は火を囲んで一緒に食事をしてきたので、現代でも人と仲良くなるために食事をすることは良い手段。懇親会とかランチとか。
- 異業種からITのコミュニティに入るのは難しい。だからコミュニティへの入りやすさを維持することは大事。
- IT業界は同業他社の人達が集まってお互いの技術を公開し合っているのがすごい。その背景には、ITの世界は技術の賞味期限がとても短いので、持ち腐れになるぐらいなら公開した方がその人の価値が高まるという事情がある。
他にもいろいろと面白い話題が出ました。詳細はぜひ映像でご確認ください。
おわりに
こんな感じで話が進み、最後には会場からの質問も受けて、2時間のトークセッションはお開きとなりました。ゲストの皆さんにたくさんしゃべっていただいたせいか、時間がとても短く感じました。
そして、今回のテーマとして掲げた「愛されコミュニティの作り方」、このトークセッションを聞くだけでコミュニティに人を集められるようになるわけではありませんが、いくつかのヒントは得られたような気がします。私自身、長くコミュニティの運営をしていますが、こうしてコミュニティ運営に関するセッションをするたびに新しい知見が得られますし、また奥の深さを感じます。この分野、まだまだこれから広がっていくと思いますので、読者の皆さんも今から飛び込んでみてはいかがでしょうか。
最後になりましたが、出演してくださった皆さん、それから会場でいろいろとサポートしてくださった東京カルチャーカルチャーの皆さんにも、厚くお礼を申し上げます。カルカルは本当にやりやすい会場です。特に飲み物が減ってくると何も言わなくても補充されるのが(爆)。あれは飲み過ぎになるので危険です(笑)。
それから、次回のTechLIONは、夏から秋に入る頃に開催したいと思っています。ただいま企画を練っていますので、テーマや出演者や日程が決まり次第、お知らせします。楽しみにしててください!