TechLION vol.40、ありがとうございました!(遅ればせながら【終了報告】)~TechLIONの2025年はどうなる?!

TechLIONプロデューサーの馮です。こんにちは。

気がついてみたら年も新しく2025年。今年もTechLIONをよろしくお願いいたします。

が、その前に。

ご報告が遅れていましたが、2024年2回目、TechLIONとしては通算40回目となるTechLION vol.40が去る9月5日に開催されました。

前回約1,000日ぶりにリスタートし、その熱量にも後押しをされての開催でした。

今回もご参加・ご視聴いただいた皆さま、ご出演いただいた皆さま、スポンサー各社さま、会場ご提供のさくらインターネットさま、スタッフの皆さま、ありがとうございました。

テーマは「技術広報」

Vol.40のテーマは実はけっこうすんなりと決まりました。その模様は法林GMのエントリをご覧ください。

現在、独立してTHE BIGLEを立ち上げさまざまな企業のサポートを行っている佐藤祥子さん。それからMIXIで長く技術広報の分野の仕事をしている杉田絵美さん。

いずれもTechLION MC2人が、他のイベントや企画で長くお付き合いのある方たちで、まさに今回のテーマにもぴったりということでお招きしました。

ところでなぜ技術広報がテーマになったのか。

先のエントリにも書いているように、とくにコロナ禍が明けてから、技術広報を含め、DevRelやエバンジェリストなど、いわゆるエンジニアを取り巻く職種、いわゆるサポートの立場として活躍する職種に注目が集まるようになり、最近では、そのためのイベントが行われ満席になるという背景があったから。

その一方で、vol.40企画飲み会の場で、法林さんから「自分も技術広報的な立場での仕事を長くやっているが、ここ最近のこの職種の意味、定義が変わってきているように感じる」という声を聞き、であれば、TechLIONらしく、これまでの技術広報と今の技術広報、そして、未来の技術広報について語っちゃいましょう!となって開催に至りました。

ちなみに、今回はDevRelでもなく、エバンジェリストでもなく、あえて「技術広報」という漢字での呼び名をタイトルに入れることで、日本のITコミュニティらしさを伝えたいという思いも含めていました。

令和の技術広報とは

イベントは、TechLIONの定番スタイル、まずはゲストパネリスト2名の自己紹介プレゼンから。

組織・エンジニア・コミュニティ、3 Successesを目指す佐藤祥子さん

最初に登壇したのは、THE BIGLE株式会社 代表の佐藤祥子さん。

佐藤さんは、ベンチャー企業のフロントエンドエンジニアを経て、2019年9月よりLINE(現・LINEヤフー)のDevRelチームにてエンジニア組織のTech Branding、Trainingや技術カンファレンスの運営を担当。

その後、2024年3月よりDeveloper Relationsのサポート事業(技術広報・技術コミュニティ・技術カンファレンスの支援)を行うTHE BIGLE株式会社を立ち上げ、独立しました。

佐藤さんは技術広報について、「エンジニアの発信を通じてキャリアアップを促進し、企業の技術力を外部に伝える重要な役割を果たします。さらに、コミュニティ活動を支援することで、エンジニア同士の成長を促し、企業全体の発展にも貢献します」と、その役割と価値を定義しました。

そして、技術広報を通じて達成したいこととして組織・エンジニア・コミュニティ、3つの成功、「3 Successes」を掲げ、締めくくりました。

(クリックするとCanvaのスライドページに飛びます)

技術と人と社会をつなげるプロフェッショナル~杉田絵美さん

次の登壇は、株式会社MIXI開発本部たんぽぽ室DevRelグループ(※イベント開催時2025年9月5日時点の所属・肩書です)の杉田絵美さん。

杉田さんは、大手グルメポータルにて創業期から上場までエンジニアとして働き、米国留学後に2009年に株式会社ミクシィ(現MIXI)に入社。SNS mixiの開発に関わった後、新規事業のPMや技術広報、採用人事を経て、2018年に採用PRや社内人事施策を担うDevRel組織を人事内に立ち上げ、現在は2024年11月に名称の変わったEnablementグループのマネージャーとして、業務を担当しています(以降Enablementグループで統一します)。

MIXIと言えば、ある程度長いSNSキャリアのある方なら誰しもが参加し、楽しんだSNS mixiが有名ですが、今は、モンスターストライク(モンスト)や家族アルバム みてね、スポーツ領域のサッカー・バスケットボールチームのスポンサー、など、エンターテインメント領域で幅広い事業を展開しています。

すべてに共通しているのが“「心もつながる」場と機会の創造。”です。

MIXIにおけるEnablementグループの生い立ちは、もともとは新規事業で技術広報を開始、その後、採用やPRをメインに、社内コミュニケーションの活性化、外部向けコミュニケーション施策の実施などを行い、2020年に入りCTO直下の開発本部に異動して、現在の体制が整ったとのこと。

そうした出自もあり、Enablementグループには「リクルートマーケティング」「パブリックリレーションズ」「デベロッパーイネーブルメント」「デベロッパーコミュニティ」の4つの活動領域があり、共通している目的として、「MIXIという強いチームを作る」ことであり、ミッションは「社内外関わらず、技術者同士の関係構築と活性化」を目指しているそうです。

「技術広報」について三者三様で語ったディスカッション

それぞれ、異なるキャリアから「技術広報」の立場になったゲスト2名に加え、MCの法林さん、馮を加えた4名によるパネルディスカッションがスタート。

詳しくはYouTubeをご覧いただくとして、今回のパネルでは、日本のOSSコミュニティ・ITイベントコミュニティにおいて、今で言う「技術広報」の先駆けの1人でもある法林さんには、パネリストの1人として参加してもらって、僕が横でMCに専念して回していこう、なんてこっそり企てていました(実際そういう空気も作れたんじゃないかと思います)。

それから、このイベントをきっかけに何か新しいプロジェクトも動いているとかいないとか(謎)。

2025年のTechLIONはどうなる?!

さて、改めて。早いもので2025年ももう4月の中盤、1/4が過ぎようとしています。今年のTechLIONはどうなるんだろう?と思ったそこのあなた。大丈夫です。2025年もTechLIONは開催いたします。

新しい年の始動については、次回、法林GMからの報告・告知がありますのでお楽しみに!

俺たちは花火か、マーライオンか、それとも。

前回のお礼

TechLIONゼネラルマネージャーの法林です。

前回のTechLION、つまりはTechLION vol.39、またの名を995日ぶりのTechLION復帰戦を、たくさんの方にご観覧いただきましてありがとうございました。おかげさまでようやく復帰の第一歩を踏み出すことができました。(イベントの模様はYouTubeにてご覧いただけます)

以前のような企業の主催ではなく運営コミュニティベースでやっていて、スタッフも必要最小限の人数でやっているので大がかりなことはできませんが、これからも皆さんに、ITを題材にした楽しい時間を提供していきたいと思います。よろしければお付き合いください。

次回のテーマと出演者が決まりました

復活したからには以前のように定期的にやっていきたいと、私もプロデューサーの馮さんも思っていたので、7月のある日、2人で決起集会と称して飲みに行きました。場所は品川駅の駅ナカにあるビアバーでした。

2人で例によって巨人・阪神トークなども繰り広げつつ、ちゃんと次回に向けての企画も練り、テーマや出演者候補も決めました。馮さんによる出演候補も首尾よく成立し、会場も無事に確保できました。すでにイベントページを公開して参加登録も始まっていますが、あらためて次回の日時やテーマや出演者をお伝えします。

今回のテーマは「技術広報」にしました。テーマ設定の経緯は後述します。

今回ご出演いただく佐藤さん(左)と杉田さん

出演者は、元LINEヤフーのDevRelチームで、今はそこから独立してTHE BIGLEを立ち上げた佐藤祥子さん。それからMIXIで長くこの分野の仕事をしている杉田絵美さんの2人です。もっとたくさん並べてもよかったんですが、前回ゲスト2人でやってみて好感触だったので、今回も2人にしてみました。

テーマ選定の経緯

TechLIONでは2018年に開催したvol.34で「エバンジェリストのお仕事」と題して、各社でエバンジェリスト的な仕事をしている方々にご出演いただきました。今回はそれに近いテーマということにはなりますが、2018年と現在では、技術広報やらDevRelやらエバンジェリストなどと呼ばれる職種を取り巻く状況が変わってきているように感じたのが、今回あらためてテーマに設定したいと思った理由です。

TechLION vol.34の模様。会場はサイボウズでした。ちなみに映像も残っています。(前半後半)

これから書くことはあくまでも私個人の観測に基づく感触なので、違う感覚の人もいるであろうことを前置きしておきます。

2018年に開催したときに出てくださったエバンジェリストの皆さんは、会社が扱っている技術情報をお伝えすることが主な役割で、そこから会社やサービスを知ってもらったり、使ってもらったり、もちろん買ってもらえるならさらにうれしいですが、そういう職種だったように思います。私もさくらインターネットでこのような仕事をしていますが、自分の感覚的にはそういう意識です。

それから長いコロナ禍を経て、2023年に京都で行われたYAPCに参加したときに、スポンサー各社で「技術広報」という肩書で仕事をしている人達と知り合いました。そのときに、そういえばこの職種の人達で集まって情報交換する機会って今までなかったなと思い、「技術広報コミュニティ」と名付けてイベントをするようになりました。ちなみに8月30日(金)にも「納涼祭」と銘打ってイベントをします

(↑「技術広報の集い」では発表だけでなくグループディスカッションの時間を設けています。上はディスカッションのメモです)

その「技術広報の集い」の参加者を見ていると、従来とは異なる傾向があることに気がつきました。

  • ここ2〜3年で技術広報職に就いた人が多い
  • 従来のエバンジェリストのように技術情報を伝えるだけでなく、エンジニア採用が視野に入っていて、そのために技術情報を出すことが任務になっているらしい
  • 前述の理由からか、非エンジニアから技術広報に就いた人が多い

また、技術広報のような仕事ができる人はまだまだ少ないのか、佐藤さんのようにそれを事業として取り組む人も出てきました。

そういったことから、これはあらためてTechLIONで取り上げたいと思い、出演をお願いしたい人も具体的に思い浮かぶので、このテーマを設定しました。

今回ご出演いただくお二人は、最近技術広報に就いた人達よりは長く取り組んで来られた方々で、私もいろいろなイベントで顔を合わせています。でもじっくり話をうかがう機会はこれまでなかったので、これまでやってこられたことや、この手の仕事に取り組む上で大切なこと、それから最近の傾向についてどう思うかなど、聞いてみたいことが山ほどあります。今回の対戦を一番楽しみにしているのはたぶん自分だと思います。良い話を引き出せるようにがんばります。

技術広報と花火とマーライオン

ここまでは割とまともな、テーマ設定の経緯などの話をしてきましたが、ここからはパッと見では何のことやらよくわからない、謎のタイトルに関する話をします。

技術広報の仕事を長くやってきたせいか、いろんな物事、それも一見関係ないようなものでも、技術広報と関係あるように見えてくることがあります。

例えば、技術広報コミュニティでは今年の5月にRubyKaigiが沖縄で開催されるタイミングで会合を開き、終わった後で飲みに行き、さらに近くの公園で花火までしました。早々に夏を満喫した感がありましたが、あとで花火の写真を見て思ったのは、技術広報の仕事って花火に似ているかもってこと。

一見、キラキラしているように見えますが、その一瞬のキラキラの裏ではそれよりもはるかに時間をかけた仕込みがあって、そこも含めての仕事であること。でも見ている人には輝いている部分しか見えず、その輝きが見た人の記憶に残るのが重要なこと。などなど、考えてみると確かに花火っぽいところがあります。

写真提供:tamaclawさん(技術広報コミュニティの運営メンバー)

それから、あるときにマーライオンの写真を見かけました。あれは口から水を吐いている観光名所ですが、僕たち技術広報も口から技術情報を吐くことで注目を集めているとすると、IT業界のマーライオン、もしくはテックマーライオン(?)ではないかと思えてきました。

というわけで、なんとなくTechLIONっぽい単語が出てきたところで無理やりこの記事を締めます。TechLIONでは花火もないし水も吐きませんが、おもしろいトークやツッコミを吐けるように、そして、見に来てくれた皆さんに楽しい時間をお届けできるようにがんばります。お酒片手に楽しんでもらえたらうれしいです。9月17日の夜、さくらインターネット東京支社でお待ちしています。